東日本大震災の復興が思うように進まない理由はほかにもいくつかあると思います。
マグニチュード9.0という巨大地震ゆえに、その後の余震も大きく、
これからもしばらく巨大な地震が起こる可能性は高いはずです。
2004年に起こったスマトラ島沖地震(M9.1)は、その後2010年まで
M7~M8級の巨大地震を繰り返しました。
今、復興を性急に進めるべきかどうかの判断が難しいというのは理由の一つでしょう。
福島第一原発事故により、放射性物質で汚染された土地の除染の問題もあります。
除染に関してもかかる費用は膨大です。
この除染もマンパワーを要求する仕事です。
くわえて除染作業は何かを生み出すことのない非生産的な作業です。
ウソかホントかわかりませんが「除染で10年は食っていける」とつぶやいた
ゼネコンの関係者がいたそうですが、これは本音でしょう。
これまでに経験したことのない公共事業です。
言い値で仕事を請け負える期待があるのではないでしょうか。
この就職難の時代ですから、特に特殊な技能を必要としない除染作業員を安く使い、
その上前をはねるチャンスだと思っているフシがありそうです。
どの企業もモラルは崩壊してしまっています。
特にイメージCMをバンバン流す大企業ほどモラルハザードは深刻なのではないかと
穿った見方をしてしまいます。
日銀はやっと重い腰をあげて前年比1%のインフレターゲットを設定し、
10兆円の[基金]枠の拡大を行うと発表しました。
かねてから日本銀行の景気対策への取り組みがお粗末だと言われていましたが、
ようやく動きを見せたようです。
これはアメリカの大胆な金融緩和政策が功を奏していること、
日本の稼ぎ頭である輸出産業が全滅状態になっていることが大きな理由だと思われますが、
それにしても遅すぎますし、その規模にはアメリカの金融緩和政策のような迫力は感じられません。
言われたから「はいはい、やればいいんでしょ」的な投げやり感が否めません。
デフレ・円高は既得権益層や不労所得者にとっては都合のいい状況だったので
放置していたというのが実情でしょう。
いわゆる貧困層と富裕層の格差が大きくなっていき、その階層を固定化したいという
富裕層の目論見があったのでしょうが、ここにきて世界的にその格差を取り払おうという
動きが活発になってきました。
キャピタリズムの崩壊…これは今年からとてつもない勢いで進むのではないかと思っています。
今までは「それなりの暮らしだから満足」していた中間層も、このムーブメントに巻き込まれ、
もみくちゃにされる恐れが出てきています。
…この項まだ続く。