新潟の老舗旅館「喜八屋旅館」が破産開始決定受け倒産…不景気.com
佐渡の老舗旅館がまた倒産しました。
旧小木町にあるこの旅館は江戸時代に創業し、旧館は国の有形文化財に指定される趣のある旅館でした。
ここ数年の観光不況で佐渡のホテル・旅館・民宿は次々と廃業、倒産しています。
また、そこに物品を納入している商店も次々と廃業、倒産しています。
最近はひっそりと商売をたたむ「廃業」が目立ちます。
“見えない倒産”廃業が急増中…livedoorニュース
お客が来なければ商売はなりたたなず廃業や倒産。そして、地域の総売上の減少により税収も落ち込み、それは地方自治体の緊縮財政につながり、公共事業への投資が控えられるため、その地域の建設業者の廃業や倒産につながっています。
うちは建設業を営んでいますが、思い切って従業員を解雇することにし、昨年末に主たる正社員を解雇しました。
幸い、ずっとお世話になっていた元請会社さんの協力もあり、解雇した社員を受け入れてもらえました。
一応3月末で、すべての正社員を解雇し、それと並行して資機材の売却を進めていっています。
もともと吹けば飛ぶような小さな会社なので、有利子負債はあまり大きくないのが救いです。
東日本大震災の復興特需があるだろうと思われるかもしれませんが、実態はこうです、
復興本格化も公共工事入札の不調が増加…デーリー東北
公共建設工事は入札(民間企業による競り)によって、業者が提示した工事価格の最も安いところに落札(仕事を競り落とすこと)ます。
(あまりにも安すぎると手抜き工事をされる危惧もあるため、これ以上安い価格を提示した業者には仕事を発注しない最低制限価格を設ける場合もあります。)
不調というのは、誰もその工事を落札しなかったということです。
工事価格は国や県が決めた標準単価を元に計算していくのですが、これにより予定価格を発注する側はあらかじめ決めており、これは落札のための最低条件価格となるために、業者は企業努力でこれよりも安い価格で工事を落札しようとします。
公共建設工事の発注は年々減少しているため、一つの工事に多数の業者が入札するケースが増えています。
そのためライバルよりも1円でも安い価格を提示しようと、この10年は安値合戦となっています。
一度安い価格で工事を行った実績があると、次年度は、「あ、こんなに安くできるんだ」と工事価格の算出根拠となる標準単価が下がっていくようになります。
すでに公共建設工事の標準単価は適正なものではなく、業者が出血を伴う「出血大サービス価格」になっています。
特に人件費である「労務単価」のここ10年での下がり方は尋常とは言えません。
復興事業はマンパワーを要求されるため、人件費率がとても高い工事となります。
そうなると、どの業者も「赤字を出してまで仕事を引き受けるわけにはいかない」ということになり、本気で入札に応じようとしない業者もたくさん出てきます。
これが先のニュースの「入札の不調の増加」につながっているわけです。
※この項続く。