ハドソンが解散へ コナミデジタルエンタテインメントが合併吸収…ITmediaニュース
ハドソンといえば、「ボンバーマン」や「桃太郎電鉄シリーズ」などのゲームで有名なソフトハウスですが、昨年大手のコナミに子会社化され、今年3月1日付けで解散となることが明らかになりました。
私にとってハドソンと言えば、パソコン黎明期の頃に8ビットパソコンMZ-80シリーズ(シャープ)向けに、高性能BASIC言語「Hu-BASIC」をリリースし、16ビットパソコンX68000(シャープ)用OS「Human68k」などで親しみのある会社でした。
元々は札幌のCQハドソンというアマチュア無線販売店でしたが、マイコンが登場した頃に店頭でマイコンを商品として並べたら、マイコンマニアが集う店となり、その常連の中から優れた開発者があらわれてソフトハウスとして発展していきました。
BASIC言語「Hu-BASIC」は、MZ-80に付属品として添付されていたシャープ製BASIC言語SP-5002よりも高性能で高速でした。
当時のパソコンはBASIC言語がROMで固定されており、電源を入れればすぐにBASICプログラムを作ったり実行したりできましたが、逆にBASIC言語しか使えないという欠点もありました。
シャープのMZ-80シリーズは、今のパソコンと同じく電源を投入してから外部記憶装置(当時はオーディオカセットテープレコーダ)からOS(この場合はBASIC言語)を読み込んでから初めて利用できるものでした。
そのため、電源を入れてから使えるようになるために2~3分の時間がかかりましたが、読み込ませるカセットテープを変えることで、色々なBASIC言語やFORTRAN、PASCAL、LISPなどさまざまなコンピュータ言語を試すことができました。
その中で「Hu-BASIC」はマイクロソフトBASIC準拠の命令体系と処理の高速性で高い評価を得ており、事実上ハドソンソフトの出世作だと言えるものでした。
【シャープMZ-80】
写真は初号機のMZ-80K(1978年)の廉価版として販売されたMZ-80K2(1980年)
キーボードが碁盤の目のような配列です。
タイピングの感触はお世辞にもよくありませんでした。
画面は白黒10インチブラウン管で、グラフィック機能はなく、
英数字とカタカナしか表示できません。
画面の右側にあるのが外部記憶装置のカセットテープレコーダーで、
普通のオーディオカセットテープを記憶メディアに使います。
メモリーは最大48kB(キロバイト。メガでもギガでもないことに注意)
CPUは8ビットマイクロプロセッサZ-80(2MHz)です。
処理速度は今のWindowsPCの数百万倍くらい遅いでしょうか。
ハドソンはMZ-80用のゲームも数多くリリースしており、「爆弾男」はのちのボンバーマンになっていきます。
ただ、ク○ゲーも数多くリリースしていたのもハドソンでしたね。
その後、ファミコンブームでゲームソフトの大手メーカーになり、数多くの名作ソフトをリリースしていきます。
また、NECホームエレクトロニクスと共同でハードウェアの開発にも乗り出し、8ビットゲームマシン「PCエンジン」をリリースしました。
しかし、その後、PCエンジンの後継機「PC-FX」の大ゴケや、家庭用ゲーム機のソフト開発競争の激化で収益を落としていくようになっていきます。
かつての名門ソフトハウスのハドソンがコナミ傘下になり、名前だけでも残るのかな…と思っていたのですが、ハドソンの名前も消えることとなり、今回のニュースはパソコン黎明期を知る者として、少し寂しい思いをします。