世界最大の55インチOLED(有機ELディスプレイ)が登場 | こむぎブログ~猫とコンピュータ~

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全然書いていないので、たまにはコンピュータ関連の記事など。

LG、世界最大の55型有機ELテレビを開発…ファイル・ウェブ

ついに55インチですか、有機ELディスプレイも。
自発光型で薄さがわずか4mm。液晶と違い応答速度が非常に速いため残像感がなく、
しかも色再現性は液晶に較べると圧倒的に高いです。

しかし、この製品は日本で開発されたものではなく、韓国LG電子製です。

薄型ディスプレイデバイスはかつては日本のお家芸でした。
液晶ディスプレイはシャープが実用化し、プラズマディスプレイは富士通ゼネラルが
実用化しました。
EL(エレクトロ・ルミネッセンス)の分野でも無機ELをシャープが、有機ELはソニーとNECが
それぞれ高いシェアを持ち、まさに日本が独占している分野でした。

2000年代前半には薄型TVの分野では日本メーカーのシェアが大部分を占めており、日本の
各メーカーは薄型TVが稼ぎ頭となっていました。
現在の薄型テレビの世界シェアは第1位がサムスン電子(韓国)、第2位がLG電子(韓国)、
そして第3位にようやく日本のソニーが登場します。

かつて半導体メモリーで世界を席巻した日本メーカーですが、こちらもすでに韓国製品が
主流となってしまいました。

なぜそうなったのか。理由はいくつもあるでしょう。
しかし、バブル期以降の日本の大企業の技術者冷遇は大きな要因になっていると思います。
「文系が日本を滅ぼす」と言ったのは、あのオカルト論争で有名な大槻教授だったでしょうか。
私は財務系官僚と財テクに夢中になった財務系経営者、そして金融機関が日本を滅ぼしかけて
いるのではないかと思っています。
ここにはデイトレーダーなどの個人投資家も含まれるでしょう。

株を保有する株主たちが大企業の経営に口出しし始めるとろくな事がありません。
中国・韓国へのアウトソーシングによって、企業は利益を得、それに投資家たちは群がります。
アウトソース化は結局技術の流出となり、企業にとっての命綱だった技術者やノウハウの流出を
起こしました。
特に韓国は国を挙げて日本の技術を買い取り、開発や生産のノウハウを手中に収めました。

韓国も日本と同じく資源に乏しい国です。どうしても日本と同じような生業でなければ発展は
望めません。まさに日本のライバルです。

国策レベルでの商売の上手さは韓国のほうが一枚も二枚も上手です。
また、技術の重要性を理解している経営者も、今では韓国のほうが多いのではないでしょうか。

私は小泉構造改革に関しては一定の評価はしています。が、ブレーンに竹中平蔵氏を据えたのは
それらをすべて帳消しにしてしまうほどの大失点だったと思います。
株バブルを生み出し、モノを作って売るという日本の発展の基本をすべて見失わせました。

政治家は以前は公共工事を発注することで、特定の企業よりバックマージンをもらったり、
自分の持つ、価値の低い山林や平原を価値のあるものに変えて私腹を肥やしていました。
これは悪いことです。が、結果として、日本の経済発展の原動力となりました。

しかし、このようなまどろっこしいことをしなくても儲かる方法を考えついたのです。
海外への経済支援もその一つです。故・金丸 信氏が、なぜ無刻印の北朝鮮からの金塊を
多数保有していたかを考えればあきらかです。

最近のトレンドは株価操作と為替介入でしょう。国のお金を突っ込んで、自分の保有する
金融商品の価値をいくらでも吊り上げることができるわけですから。
その仕組みに日本国民が乗っかり、株バブルを生み出し、結果日本の国際競争力を失わせて
しまいました。

薄型ディスプレイデバイスでは、もう日本が主役の座に返り咲くことはないかも知れません。
国策としての基礎科学や技術力の強化、国際競争力の強化をなぜ打ち出す政治家がいないのか
不思議でなりません。