とりあえず話を閉めてしまいます(;^_^A
TBS日曜劇場「南極大陸」を見ていました。
第1次南極観測隊は国際地球観測年にあわせて、第2次世界大戦の敗戦国で唯一参加を表明しました。この物語は映画「南極物語」やNHK「プロジェクトX」あるいは書籍などでご存知の方も多いでしょう。
この時代(1950年代後半)は敗戦の傷跡も生々しい時代だったと思います。国民の大多数は貧しく、ろくなご飯も食べず、電化製品に囲まれた便利な生活ができた時代ではなかったでしょう。
しかし、日本国民は大きな夢を持っていました。
この国際地球観測年には宇宙ロケットによる宇宙観測も含まれていました。日本は宇宙開発などという夢物語にはとても参加できる資格も力もなかったはずです。
しかし、南極観測隊を編成し実行に移していきました。宇宙開発も地に足をつけた研究開発がスタートしました。この時作られたのは全長20cm足らずのペンシルロケットでした。
戦勝国の人たちは「あんなボロ船で南極に向かうなんて…」「ロケット花火を打ち上げて喜んでる貧乏国」と思っていたことだと思います。
もちろん、戦勝国、特にアメリカのトップの人たちは日本の科学技術の実力は侮るべきではないことを第2次世界大戦でよく知っていましたが。
1960年代に入ると日本は高度経済成長の波に乗り、エネルギー需要が旺盛となっていきました。特に電気はそれまでの石炭火力から石油火力に、そしてさらなる供給力を確保するために原子力発電に期待が高まるようになりました。
日本発の商用原子力発電所は1966年に運転開始した東海村の東海発電所でしたが、これは現在主流の軽水炉ではなく、黒鉛減速炉(ガス炉)で出力も比較的小さなものでした。
本格的な商用原子力発電所として1971年に運転を開始したのが福島第一原子力発電所でした。
原子力(核分裂反応)は化学反応の100万倍のオーダーでエネルギーを発生し、酸素を消費せず燃料交換の頻度も少ない夢のエネルギーでした。
しかし、世の中にはうまい話はないもので、その燃料は生物にとって致命的な放射線を発生し、しかも数年から数万年という長い年月にわたり放射線を発生し続けるという厄介な問題を抱えていました。
福島第一原発事故は危険なその核燃料を大量に環境に放出してしまいました。
夢のエネルギーが現実の悪夢を日本人につきつけた瞬間です。
「ただちに人体に影響はない」「深刻な事象は起こっていない」と真実を半年の長きに渡って告知することを遅らせました。このことは日本人に「放射能って実は大したことはないのではないか」「日常は何も変わっていない、心配するほどではなかった」と間違った印象を与えることとなりました。いや、それを狙っていたのかも知れません。
国の原子力関連の予算は削減される方向に向かっています。
あれだけの大事故を起こしたのだから「脱原発」「反原発」の流れは避けられません。
しかし、原子力の基礎研究はすすめるべきであり、核融合発電の実現という新たな夢にチャレンジし続ける必要はあると思います。
また、低線量放射線被曝による人体への健康への影響調査と、それによる疾病の治療法の確立。放射性廃棄物の安全な処分技術の確率。さらに言えば放射能除去のための研究は進めてしかるべきだと思います。
そう言えば、いつの間にか日本人は夢を失ってしまったような気がします。
マンガやアニメもこじんまりした箱庭的な空間でごくごく日常的なストーリーが進んでいます。そうでなければ全く現実離れしたファンタジー。夢をリードする人が少なくなってしまったのでしょう。
国民も夢を語るより、まずは目先の金儲け。投資話にうつつをぬかしてFXやら金相場やら、そんな話に夢中です。
昭和30年代はご飯もろくに食べられない人たちが夢を語っていたのに、今はご飯が食べられて凍えることもなくなった人たちが夢を語らない、そんな日本になりましたね。
かつての日本人の夢のひとつだった宇宙開発は小惑星探査機「はやぶさ」の成功でその盛り上がりを見せましたが、「はやぶさ」を擬人化して盛り上がるなど、消費される一過性の流行なのではないかと思います。一般人の地についた科学への興味につながらないのが最近の日本の科学技術だと思います。
何書いてんだかわかんなくなってきたのでこの辺で。
書き逃げ失礼ですm(_ _)m