「コクリコ坂から」を観てきました(ダラ書き注意!!) | こむぎブログ~猫とコンピュータ~

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3匹のお姉ちゃん猫と3匹の弟分猫たちの日常と6匹の猫たちが登場する変な猫マンガ。
そして昔のパソコンあれこれ。

スタジオジブリの最新作、「コクリコ坂から」を妻と観に行きました。
最終上映なので席はガラガラで私たちを含めて6人ほどしか観客がいなかったのがちょっと気になりましたが、この最終上映が終わると終電、最終のバスにも乗れなくなるので、この時間での観客数はこのようなものなのでしょう。

あんなくだらない4コマを描いている私が、恐れ多くもスタジオジブリ作品を上から目線で映画の感想を書いてみるというとんでもない記事のはじまりはじまり~。

【悪い先入観を持って観賞に行く】
実は「宮崎吾朗監督作品」ということで身構えていました。宮崎吾朗監督の前作「ゲド戦記」の出来があまりにも酷かったからです。
しかし映画館に足を運んで観る気になったのは、「星守る犬」を観たときに上映されていた新作予告の映像が美しく、また、ファンタジーものではないこの作品なら宮崎吾朗監督も本領を発揮できるのではないかとの期待からでした。

【高度成長期の古き良き日本の風景】
舞台は昭和38年の日本。横浜です。
私にはまだ記憶に残っている情景がそこに広がっています。いや、過疎地ではまだ見られる光景かも知れません。とにかく懐かしい。
美術さんは素晴らしい仕事をしています、見せ方も上手いです。

【原作を見ていません】
この作品には原作マンガがあります。1980年に「なかよし」で連載されていた佐山哲郎さん作、高橋千鶴さん画のマンガがそれです。私は読んだことがないですが、この頃までは「りぼん」「なかよし」も小学生から大学生や若い社会人という幅広い年齢層をカバーする雑誌づくりがされていたので、このようなハイティーン向けの作品が掲載されていましたね。

【感想】
ざっくばらんに書きます。
導入部分はタルいです。いえ、映画というのはそういうものが多いので、この作品に関してだけの苦言ではありませんが、イントロでも小さな山場や、これって後々の伏線だろうなと思わせるものがあるとよかったのに。
主人公の海が通う高校の文化部が集まる歴史ある建築物「カルチェラタン」。この取り壊しに反対する文化部の学生たち。
学生たちの抗議行動は当時の学生運動そのままです。時代を現す記号としての学生運動というのはわかりやすい構図ですが、今の若い人たちには「バッカじゃねーの」と見えるでしょうね。でもって、この文化部の学生たちはいわゆる硬派ぞろいですが、これまたステロタイプの学生像で、私にはわかりやすいのですが、全く理解出来ない層がいるのは否めません。
この辺りは賛否両論でしょうが、思い切ったアレンジがあってもよかったのではないでしょうか。
くすぐり的に観客を笑わせようとバンカラたちがゴニョゴニョやってるのですが、これは私にはあまり面白くなかった。「ゲド戦記」でも似たような場面がありましたが、ゲドほどの不愉快さはなかったものの、もっとセンスよくやってもらうか、ばっさり切るかですね。
反対派学生の代表格の男子学生、俊が主人公の海と恋に落ちて行く過程で発覚する「兄妹疑惑」。このあたりの描写は淡々としていますが、うん、納得できます。
ここから一気に物語はクライマックスに向かっていくのですが、ネタバレになるので書きません。
ただ、見せ場は多々あるのにもかかわらず、アニメならではのド派手な表現…宮崎 駿さん的な…ものはなく、あっさりとすべてのイベントが収束していくのはちょっと物足りなさを感じてしまいます。

【結局どうよ】
アニメならでは、というものが感じにくいものでした。ドラマ向きでしょう、この原作は。

40代以上……懐かしい風景や時代背景に共感できるので、観てもよいでしょう。
30代…………ギリギリセーフ。しかし30代前半には「何これ?」感があるかも。
10代~20代…「はあ?わかんねーし、オレ」ゆーな!!
10歳未満……寝てる可能性大

しかし、つくづく昭和30年~40年代の日本って上昇志向で活気にあふれていたんだなあ…。
夢多き時代でしたね。それにくらべて今の日本の八方塞がり感ときたら…。