星守る犬と勝ち組・負け組 | こむぎブログ~猫とコンピュータ~

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3匹のお姉ちゃん猫と3匹の弟分猫たちの日常と6匹の猫たちが登場する変な猫マンガ。
そして昔のパソコンあれこれ。

昨晩、妻と「星守る犬」を観てきました。
村上たかしさんの同名の原作マンガを私は見ていましたが、妻は見ていません。

下手な感想を書くつもりはありませんが、犬を飼っている、飼ったことのある方は観てほしい映画です。
私は原作マンガのほうが好きですが、お父さん役の西田敏行さんとハッピー(秋田犬)はいい演技をしています。

犬や猫を飼うということ、これは楽しいことばかりではありません。
おしっこもうんこもしますから、それらの始末をしなければいけません。犬の場合は散歩に必ず連れて行ってあげなければいけません。病気もしますし、そうなればそれなりのお金もかかります。人間より早く年老いてしまいますから、場合によっては介護をしなければなりません。

でも、犬や猫がいる生活というものは、学校の授業やネットや本では教えてもらうことのできないたくさんの事を教えてもらい、なによりも人間以外にも心を持つ存在があるということを教えてもらえるのだということを再確認させられる映画でした。

観ている途中で何度も19年一緒に暮らした猫の「こむぎ」と17年一緒に暮らした「くりちゃん」のことを思い出しました。

西田敏行さん演じる「お父さん」は小さな町工場で働く工員でした。奥さんと娘さん、そして犬のハッピーとつましいながらも幸せな家庭を持っていました。
小泉政権による構造改革(お父さんが読んでいる新聞の大見出しにしっかりと書かれていますし、原作マンガにも同様の描写があります)から始まった終身雇用制度の崩壊。お父さんは「負け組」に転落してしまいます。当然家庭もぎくしゃくとしていき、やがてすべてを失ったお父さんとハッピーの最後の旅に向かっていくわけですが、私はこの「勝ち組」「負け組」という言葉が嫌いです。まあ「負け組」に属しているからかも知れませんが…。

この「勝ち組」は既得権者のことでしょう。もちろん自分の力で社会的な成功をおさめた方もいるでしょうが、そういった人は自分のことを「勝ち組」とは言わないでしょうね。
お父さんは何も悪いことをしていないのに「負け組」に転落させられてしまいました。物言わぬ庶民だったからです。
大企業の経営者たちは、自分の利益と株主の利益のためだけにありとあらゆるもののアウトソーシング化を始めました。後に技術流出を引き起こし、自社のみならず日本の国際競争力の低下を引き起こすことなどは考えてはいなかったのでしょう。「勝ち組」の人たちは、アウトソース先の中国や韓国その他アジア諸国の人たちも、日本の技術を真似するだけの能力のない「負け組」だと侮っていたのかも知れません。それらアジア諸国の人たちは実は上を向いてる人たちだったのです。こういった人たちは強いんですよね。

「負け組」としてただ一匹、犬のハッピーに看取られて死んでいったお父さん。
だけど、社会的な地位での勝ち負けはあったかも知れませんが、その人の人生には勝ち負けなんかはありません。他人の評価ではなく、自分がする評価だと思うのです。人生での勝ち負けは。

ダラ書きの中身のない長文ですみませんね。

明日は猫マンガをアップします。