
日本のパソコン創世記の頃、パソコン御三家のひとつだったシャープがパソコン事業から撤退したそうです。
私は1980年に初めて手にしたコンピュータがシャープのポケットコンピュータPC-1210で、これはわずかユーザーメモリ400バイト(kBでもMBでもなく本当に400文字しかないのです)で、ディスプレイは1行24文字の液晶キャラクタディスプレイでした。現在のプログラム関数電卓のようなものです。
しかし、当時としては画期的かつ低価格な製品で、BASIC言語でプログラムが作成できる世界初のポケットコンピュータでした。高校生だった当時、これにはかなり夢中になり、I/O誌の「プログラム電卓ゲーム」にプログラムを投稿し、3本ほど掲載されました。時代が時代なので原稿料は現金小為替が送られてきましたね。
それまでシャープというメーカーは言っては悪いのですが二流メーカーというイメージがあったのですが、マイクロコンピュータという時代の最先端の分野で存在感をアピールしたことで、企業イメージを高めていきましたね。
以降、8ビットパソコンMZ-2000、X1turobo、16ビットパソコンX68000PRO(X68000シリーズは伝説のパソコンとまで言われた存在ですね)と私のPC遍歴が続くのですが、Windows時代になると、どのメーカーのパソコンも中身は同じものになり、際立った個性を持った製品というものが見当たらずつまらないものになっていきました。
ただ、私はやはりPC-1210の原体験というものが大きく、Windows時代になってもシャープのMebiusを使いました。
使い勝手のよかったのはメビウスワイドMN-W30でしたね。今では当たり前のワイド画面をいちはやく採用した機種です。
今は仕事用にメビウスPC-CS50Jを使っていますが、これは何の個性もないつまらない機種です。
このブログを描いたり、4コママンガを描いてるのはASUS製のEeePC 900HAというネットブックです。今はネットブックやCULVノートのほうが筐体にメーカーの個性が出ていて面白いですね。まあ中身はどれも一緒なのですが。
Mebius時代にもMebiusu Muramasaシリーズのような名機があったのですが、残念ながら私は手にしていません。
パソコン創世記の頃の御三家のもうひとつのメーカー、日立もすでにPC事業から撤退しています。
もはや日本ではPCハードでのビジネスモデルは崩壊してしまったのでしょうね。
ただ、マイクロコンピュータは今なお先端技術であると私は思っています。一般大衆にはパソコンという製品で認知されているものだと思います。この分野から手を引いてしまうと技術力という面での企業イメージを損ねてしまうのではないでしょうか。
またひとつ国内メーカーからパソコン事業撤退のニュースを聞き、さびしく思います。