こむちゃんとくりちゃんを飼い始めた頃は、ごはんにはあまり気をつかっていなかった。
当時は今ほどペットフードの種類もなく、また、飼い主側もペットの栄養管理にあまり意識をはらっていなかったと思う。
こむちゃんとくりちゃんはホームセンターで買ったありふれたカリカリと時々猫缶を与えていた。それでも2匹は長生きしてくれた。よくよく考えるとこの2匹はカリカリとお水だけでできているのだな(^_^;)
妻はこの2匹がある程度大きくなった頃に年齢に見合ったごはんを与え始めた。ペットフードも幼猫用、子猫用、大人用、老猫用と年齢に合わせたものが店頭に多く出始めたからだ。
こむちゃんは15歳の時に肝障害に、くりちゃんは17歳の時に腎不全となった。くりちゃんの腎不全は非常に重篤なもので、そのまま帰らぬ猫となってしまった。
もちろん17歳の猫といえば十分に高齢だ。ただ、くりちゃんをとりわけ可愛がっていた妻の悲しみはとりわけ大きかった。
幸いなことにこむちゃんはまだ腎機能は衰えているとはいえ今すぐどうこうなるという状態ではなかった。妻はこむちゃんのごはんを療養食に切り替えた。おかげでこむちゃんはしばらく健康な状態を維持できた。
くりちゃんが亡くなり、きなこ、銀杏と子猫がやってきた。このチビども、特に銀杏はこむちゃんのごはんを食べたがった。子猫用のごはんは高タンパク高脂質で、老猫用のごはんは低タンパク高炭水化物となっている。そのため、子猫が成猫、老猫用のごはんを食べるのはよくないことで、その逆もしかりである。
ただ、常時見張りをしていないと、チビの銀杏はこむちゃんのごはんを食べてしまうのでよい方法はないかと妻は言っていた。
そこで、餌箱がどの猫が来たかを識別し、決まったごはんを与える仕掛けを作ることにした。