
「黒猫がほしかったんだけど…」と見せられた子猫は汚らしい模様の子猫だった。

生後2ヶ月くらいのサビ猫だった。
こむちゃんが来るまでは猫に全然興味がなかったので、「こんな汚い模様の猫ははじめて見た」という悪い感想しかもてなかった。また、こむちゃんは生後3ヶ月ほどの子猫だったので猫らしい姿をしていたが、生後2ヶ月ほどの子猫は初めて見たので「耳が小さい」「針ネズミのような毛」「目が青くて不気味」と、今になって思うとほんとうに悪い感想しかもてなかった。
今は猫好きなので、街を歩いているサビ猫にすぐ気づき「あ、サビ」と思うのだが、いかに興味のない事象というものが目には見えないものなのかと気づかされる。
このサビ猫にかみさんは「くりちゃん」と名付けた。
「かたくり」のくりちゃんだ。
私にとって初印象の悪かったくりちゃんだが、かみさんはとても可愛がった。
「サビ猫」という呼び方も知らなかったので「目茶苦茶三毛」と呼んでいた。

↑晩年のくりちゃん
くりちゃんは2年前に17歳で亡くなったのだが、性格のよい子だった。
人の機微を読取るところがあり、こむちゃんととても仲良くしていた。