秋の里山サイクリングはまた景色が違う。

ちなみに、春はこんな感じ。

 

今日は9月11日だ。2001年の今日同時多発テロ事件が起きた。あの時も陰謀論が浮上し、今ではかなり多くの人がそう思っている。マイケル・ムーアーが『華氏911』で取り上げているぐらいだ。

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2001年9月11日のアメリカ同時多発テロ事件をめぐり、ブッシュ大統領とビンラディン家やバンダル・ビン・スルターンを含むサウジアラビア王室や、イラク戦争を主導したドナルド・ラムズフェルド国防長官とイラクの独裁者サッダーム・フセインの密接な関係を描いた。映画内ではイラクの大量破壊兵器保有について疑問を投げかけていたが、その後2005年12月14日、ワシントンD.C.市内における講演にてブッシュ大統領は「イラク戦争開戦以前にイラク国内に大量破壊兵器があったという情報は誤りだった」との声明を発表した。(ごく少数ながら化学兵器による被害はあったが、それはアメリカが想定していた大量破壊兵器とは全く異なるものであり、少なくともムーアの仮説が正しいことは証明されることになった。)

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9.11のニュースを見ながら当時僕も怪しいと感じていた。

 

小説家という仕事柄、僕は筋書きには普通の人以上に注意を向ける。筋書きに重要なことは辻褄が合うかどうかだ。報道されていたシナリオにはどうしても納得がいかない。自分だったら絶対そのようなプロットは考えない。ロ-ガン空港で発見されたレンタカーの中に操縦マニュアルが置いてあったという話。ニュースでは犯人が使用した車ではないのかと報道されていた。僕はその瞬間、キャスターは頭がおかしいのだろうかと思った。犯人がそんな初歩的なミスを犯すわけがないし、だいたいなぜこれから完全犯罪をやり遂げなければならない犯人に操縦マニュアルが必要なのだ。僕がこの事件の首謀者だとしたら、絶対にそんなパイロットは選ばない。

 

ペンタゴンに突っ込んだ飛行機に関しても謎が残る。最初ホワイトハウスを目掛けて飛んでいたという。それ自体、納得できなかった。世界最大の軍事国家アメリカの中枢にどうやって飛行機が近づけるというのだ。レーダーで探知されたから針路を変えたという。そんなことは事前に予想できなかったのだろうか。これらのことは謎のごく一部に過ぎない。 

 

一連の事件の筋書きにはどうしても無理があるのだ。にもかかわらずそれらが解明されない(解明されているのかもしれないが、あまりにもスピーディーに次のニュースに移っていくので視聴者はそれに気づかない)ままに、決定が下されていく。事件はいつのまにかアフガニスタンへ。「えっ、ちょっと待って。黒幕はオサマ・ビン・ラディンと確定したの?」という疑問に答えることもなく。

 

解明されないまま次々に進んでいくというのは、現在進行中のコロナ対策についても言える。2020年の段階では「通常5年から10年かかるワクチン開発を1年で行ったメッセンジャーRNAワクチンの安全性には懸念がある」という意見が専門家の間でも多かった。そして、使用が決まった時、パンデミックによる危機がそうした懸念を上回るということで、緊急事態の特例として受け入れようという空気に変わった。ところが子供への接種が決まった時、今までの懸念はどこへ行ってしまったのだろうかというように、猛スピードで「子供も打つのが当然」という流れに変わっていった。特例だったんじゃないの。では、5年後10年後に起きるかもしれない長期的な副作用の話はどうなったのだ。その安全性は解明されたのだろうか。

 

「彼らは大衆の支持を得るために、まず問題を作る。一般市民にとっての脅威だ。そして誰もがその問題の解決を切実に願いはじめた時に、解決案を提供するのだ。これが新時代の独裁の仕方なのだよ」

 

これは僕が以前書いた『天上のシンフォニー』という小説で川崎徹という男が言うセリフだ。これは陰謀論で言われていることで、もう何十年もこの作戦が取られてきているという。アメリカが第二次世界大戦に参戦するためにパールハーバーが仕組まれたという説もあるが、9・11事件が第二のパールハーバーと報道されていたことは、皮肉にも、何かを暗示していたのかもしれない。映画『スター・ウォーズ』のエピソード2と3では、この手法を、帝国の誕生を実現させる手法としてうまく描いている。元老院の最高議員パルパティーンは通商連合と共和国両方に通じ、通商連合に攻めさせることで脅威(問題)を作り、共和国に軍隊の必要性(解決案)を訴える。その軍隊は敵の脅威から共和国を守るために作られたものだが、最終的にはパルパティーン独裁政権による帝国の軍隊となっていく。

 

仮に9・11事件がその問題として仕組まれたのだとしたら、その目的は何だったのだろうか。なぜ、アフガニスタンに行き、イラクへ侵攻したのだ。イラク侵攻の理由は大量破壊兵器が隠されているということだったが、結局それは見つからなかった。国連の反対を押し切ってまでイラクへ侵攻するには、何か別に理由があったとしか考えられない。

 

『華氏911』では石油利権だと結論付けている。

 

つまり、一部の大企業が石油利権のために、テロという脅威をつくりあげたと。

 

もちろん、911陰謀論はそれだけではない。テロへの脅威から監視カメラがあちこちに設置されたが、監視社会の構築が目的だったとも言われている。また、テロの脅威があることで軍需産業には好都合で、武器を売るために仕掛けられたという説もある。当時ブッシュ政権で国防長官を務めたラムズフェルドは以前モンサントの重役でもあり、軍需産業だけでなくアグリビジネスにも結び付いた陰謀論もある。そう、今話題になっているラウンドアップのモンサントだ。

 

では、これをコロナに当てはめてみるとどうなるだろうか。パンデミックが脅威で、ワクチン接種が解決策であるということがまず一番に思い浮かぶ。

 

つまり、チェイニーが元CEOで当時も大株主だった石油企業パリバートンが利益を生み出すためにすべてが仕掛けられたように、ファイザー等の製薬会社が利益を生み出すために仕掛けられているというシナリオだ。仕掛けるってコロナをどう仕掛けるのかと思う人もいるだろうが、コロナウィルス自体を作り出したのではなく、本当はインフルエンザ程度のウィルスなのに、メディアを総動員して危機を煽り、副作用があるかもしれないワクチンであっても、天秤にかけたらコロナにかかって重症化するリスクのほうが高いと思い込まされてしまう「脅威」に仕立て上げたということ。

 

もちろん、陰謀論の中にはウィルス自体が人工的に作り出されたものであるとか、目的は単に製薬会社が利益を上げるだけでなく、9.11の時のように監視社会、管理社会の構築だというものもある。ロックダウン、マスクの着用、ワクチンパスポートなどがそのような説を浮上させている。実際一企業の力だけではここまでできず、利権は複数の企業や投資家たちにまたがっていると思われている。その筆頭としていつも名前が挙がるのがビル・ゲイツだが、その理由としてWHOに多額の資金を提供していることや、あらゆる種類のワクチンを普及させることが自分の使命であると前々から公言しているからだろう。

 

ビル・ゲイツといえば今広大な農地を買い占めているそうだが、その目的が不明だと多くの人から疑われている。彼の農業への動きに関してはインドの環境活動家であるヴァンダナ・シヴァも懸念を示している。

 

そして、マイクロロソフトをはじめ、グーグル、フェイスブックなどのハイテク企業は従業員へのワクチン接種を義務化している。

 

陰謀論を持ち出すまでもなく、こうしたGAFAMと言われる企業群が各国の政府よりも影響力を持ち、世界を動かすことも容易であることはみなが知っていることだ。

 

僕にはどれが正しいのかはよくわからない。

 

もしかしたらすべてがでたらめで、妄想なのかもしれない。

 

実際、陰謀論の中には明らかに妄想だとしか思えないものもたくさんある。

 

もっとも、それ自体が陰謀ではないのかと僕は思っているのだが。

 

これも『天上のシンフォニー』で川崎徹が言うことなのだが、「闇の勢力は自らの陰謀を隠すために、あえて陰謀論を広めることがある」と。誇大妄想的な話が含まれていることで誰も信じなくなる。そして、その情報全体を「陰謀論」として切り捨ててしまう。

 

昨年の大統領選においてトランプ支持者による陰謀論が話題になった。そこにはコロナ陰謀論も含まれていて、コロナ陰謀論とトランプ救世主論が同一のものと見なされ、アメリカでは未だにそれが尾を引いている。つまり、コロナ陰謀論とはトランプ支持者たちが言っていることで科学に基づいていないと。

 

トランブ支持者による動画の多くがYouTube上で削除されるようになり、今では反ワクチン的な内容の動画までが削除されるようになってしまった。僕はトランプ支持者たちの動画を結構観たことがあり、明らかに内容的にメチャクチャだというものもあった。だからと言って削除されていいとは思わないが(これは言論の自由を訴えていたインターネットにおいてとても慎重に議論しなければならない問題で一企業の独断で進められることではないと思うから)、ただ、まあ、それでも仕方ないかと思える部分もあった。しかし、今削除されている反ワクチン動画にはきちんとデータを示して語っている医者のものまであり、これは明らかに言論統制だと思う。

 

つまり、何が言いたいかと言うと、一連のトランプ支持系陰謀論は、コロナ陰謀論の信憑性を下げる意味で陰謀を仕掛ける側には好都合になったということ。かといって、闇の組織が陰謀論自体を仕掛けたとまでは言わない。彼らは、世に起きていること利用することにも長けているのだから。

 

いずれにしても、真実は誰にもわからないし、真実はひとつだけでなく、複数の真実が混ざり合っているかもしれず、何をどうとらえたらいいのかわからない。情報がありすぎて何を信じたらいいかもわからない。

 

僕がひとつ言えるのは9.11の時と似ているということ。

 

そして、最終的にものをいうのは、あなたの嗅覚がどう感じているか。

 

 

 

 

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