ショーペンハウアーの述べた孤独な「観照的生活」というものは、哲学者の基本であり、最も大切なことである。現世から超然として、イデアの真理を思索し、瞑想し、これと一体となるのである。


 あらゆる地上的煩いから自由になり、解脱し、超然としてゆくことこそ、真にエマソン哲学を実践してゆく秘訣なのである。


 思索の翼をもって、自由自在に天空に飛翔してゆくことである。そして、真理のイデアの天空から、全てを眺めてゆくことである。


 無常なるものを離れて、永遠普遍なるイデアと一体となることである。そして、イデアを感得し、思索し、真理を文筆してゆくことである。そして、文筆を通して、人々に心の糧を与えつづけてゆくことである。


 さらに、歴史上の偉人の幾人かを具体的目標に据えて、日々読書し、自ら思索し、倦まず弛まず、小さな哲学的発見、見性体験を積み重ねてゆくことである。


 イデアは、永遠不滅の実在であり、真如であり、真理である。常に己が魂をイデアに触れせしめ、これを磨いてゆくことである。イデアの輝きは、ダイヤモンドよりも剛いのである。


 イデアの智慧を感じさせる書物を通して、常にイデアを思索してゆくことである。

 

 このように、哲学者の基本とは、常にイデアを思索しつづけてゆくことにあるのである。

 

 


 

 

 

 

    天川貴之

(JDR総合研究所・代表)