謙虚さ、素直さというものは、成功哲学、繁栄哲学の中に確かにあるものである。かの松下幸之助にしても、稲盛和夫にしても、「謙のみ福を受く」ということを信条としておられたのである。


 素直な心を持つということは、よく反省が出来るということでもある。松下幸之助は、「素直さ」の初段になることをすすめている。素直な心を持って、道理に則り、衆知を集めて、人を活かすことを旨としているのである。


 謙虚であるからこそ、感謝の心が出てくるのであり、また、無限に学びが出来るのである。このように、「謙のみ福を受く」という心得を持っていれば、本当に福徳に恵まれるのである。


 素直な心とは、無我ということでもある。自我を虚しくして、自分が自分がという心を虚しくして、利他の心を持つことである。敬天愛人の心を持つことである。


 無私利他の心を持つことが、真なる成功の王道なのである。どれだけ無私利他になれたかということが、偉人の条件なのである。


 才能だけでもない。努力の力だけでもないのである。志において、無私利他の心を持っていることこそが尊いのである。そうであってこそ、才能も、努力精進も、真に活きてゆくのである。


 素直な心を持ち、謙虚な心を持ちつづることこそが、真なる偉人の条件であり、それであって初めて、後世への遺産を遺す偉業を成せるのである。


 このように、人格における成功こそが、最高の成功なのである。

 

 

 

 

 

 

 

 

    天川貴之

(JDR総合研究所・代表)