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今回はupとdownについての話です。みなさん、こんな英語を聞いたことは
ありませんか?
“Go down the street and turn to the right at the corner.”
(この道をまっすぐ行ってあそこの角で右に曲がりなさい。)
みなさんは中学生の時にこの文を見たときに“なぜdownがつくのだろう”と思いませんでしたか?学校の先生によっては「この道は下り坂なんだ」と教えてくれたかもしれません。下り坂はgo down 上り坂はgo upというのは勿論のことです。しかしそれだけでは不十分です。今回はその説明をしていきましょう。
例によって登場人物は以下の三人です
登場人物
生徒
ナミちゃん(13歳)
カズオくん(18歳)
マサトさん(会社員26歳)
先生
Kota先生(年齢不詳)
Kota:“Go down the street.”は「この道をまっすぐ行け」という意味だよね。
カズオ:坂になっているんですか?
Kota:その可能性もあるね。だけど必ずしもそうとは限らないんだよ。
ナミ:「upは上で」、「downは下」だから、坂になってないとおかしくない?
Kota:もちろんナミちゃんの言うことももっともだね。ちょっと前回の話を思い出してみよう。
goとcomeを使い分けるときには、話題の中心となる人物にとって、離れて
いくのか(go)近づいてくるのか(come)を考えるんだったよね。
ナミ:・・・ちょっと忘れちゃたなぁ。
Kota:忘れてしまった人はこちらを参照してね → 前回の記事【goとcomeの使い分け】
マサトさん:あっ、先生がこれから何を言いたいのか少しわかる気がします。
Kota:さすがマサトさん。年の功ってやつですね(笑)
さて、go up the stairsやgo down the stairs という表現があるけど、これは文字通り
「階段をのぼる」や「階段をおりる」という意味だよね。
ナミ:当たり前じゃーん。
Kota:「upは上」で「downは下」というイメージはいつも共通なんだ。
じゃぁ平らな道を歩いていくのがどうしてdownなんだろう?
ところでカズオくん、カズオくんが彼女と喧嘩した時なんかには誰を中心とした
視点で友達に愚痴るかな?
カズオ:まぁ自分中心ですかね~といっても基本的には僕が悪いんじゃありませんよ(笑)
Kota:いまカズオくんは自分を中心として考えることで、彼女を下に見ていたよね。
悪いのは彼女だっていうように。
カズオ:まぁある意味で(笑)
Kota:それと似ているんだけど、英語では中心となる人物は周囲よりも高いところにいるという
イメージがあるんだよ。話すときは自分中心の視点ではなすだろ?だから自分がいる
場所は周りよりも高いところって考えることができるよね。
ピラミッドの頂点に自分が立っているっていう状況をイメージしてごらん。
( 間 )
みんなイメージできた?ピラミッドの頂点から離れれば離れるほど、高さはどうなって
いくかなぁ?
ナミ:下がっていく。
Kota:そうだ。つまり発言者から離れれば離れるほど、高さは下がっていくと考えられるよね。
ナミ、カズオ:あーなるほどぉーーーー
マサトさん:では発言者に近づくときには高くなっていくということですね。
Kota:その通り。つまり、
発言者から離れていくのがdown、発言者に近づいていくのがup
というのが基本だね。
マサトさん:私は以前“go up to the King”(王様に近づく)という表現を見たことがあるのですが、
これはどう考えれば良いですか?
Kota:goとcomeの時に誰を中心に考えるかで視点を変えたように、
ここでも中心を変えなければならないのです。
発言者と王様のどちらを中心にするのが自然ですか?
マサトさん:立場が上の王様かなぁ。
Kota:そうだ。いくら人間がジコチューだといっても王様の前ではね。
ナミ:あっわかった!!王様にとっては誰かが近づいてくるからupを
使うんでしょ!?
Kota:そうだそうだ。I'm coming の考え方ととても似てるだろ?
「中心となる人や物に近づくのがup、離れるのがdown」だ。
他にもThey went up to the their teacher.(先生に近づいていった)
なんていう英語もよく出てくるよ。先生は目上の人だからupだね。
ちょっと応用。この文でupが使われるココロは何だろう?
“I went up to London for business.”
ナミ:これは日本語と一緒だから簡単。「上京する」っていう日本語と同じ感じでしょ?
Kota:そうだね。地域の中心は街だし、国の中心は首都だよね。
中心となる人や物に近づくのがupだったね。
ただし地理に関する場合は、北に行く場合にupを使って、南に行く場合にdownを
使うこともあるよね。アメリカ英語ではほとんどこっちなんだけど、これはわかるよね。
カズオ:地図の中では上が北で、下が南だからですよね。
Kota:ピンポーン。
マサトさん:アメリカ英語では南北でupとdownを使い分けるというのは、アメリカの国土が
広く南北に広がっていることと関係ありそうですよね。
Kota:おそらく関係あるでしょうね。南北に移動することが困難な環境にあるなら、このような
使い方は定着しなかったはずですから。南北に国境がなく自由に移動できたからかも
しれないですね。反対にイギリスでこの用法がなかなか定着しなかったのは、国内でも
イングランド、スコットランド、ウェールズ、そして北アイルランドと明確に分かれていた
こととは無関係ではないでしょう。
では最後のまとめにこんな文を訳してみよう。
“He went up and down in front of the hotel.”
ナミ:ホテルの前をー・・・行ったり来たり・・・かな?
Kota:その通り!“go up and down”が「近づいたり離れたり」という意味であることは
想像できるね。だから「行ったり来たり」という日本語がピッタリだね。
次回からは語源を扱おうと思います。
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