辞世44 | コラム・インテリジェンス

コラム・インテリジェンス

透き通るような…心が…ほしい

海外からは、日本語での会話も、

ろくにおぼつかないような若者が、

多く我が国に働きに来ているようです。

 

一方で、働かない日本の青年も、

増えていると見聞きしています。

 

日本の青年で何人の男子が、

言葉もわからぬ外国で

働いて生活している人がいるのか、

あるいはそうしようと思っている男子が

どれほど存在するのか、

日本男子の根性と心魂は、

情けないようにも思われるときも

あったりなかったり、そうでもなかったりも

しているような、していないような

気もしないでもないのです。

 

「怠惰という口実に寛大であってはならない。というのも、平静であるときにのみ、気分のよいときにのみ、体調が良好であるときにのみ、あらゆる悩みのないときにのみ、我々が学問すべきだと考えたとすれば、我々を大目に見る口実がいくらでもあるということになる。」

(「西洋古典名言名句集」京都大学学術出版会)

 

それでは平静ではなく、気分も悪く、

体調も不良で、悩み多きときにこそ、

学問に集中してみようと僕は考え、

そのようなときが多かったので、

学問をする機会に恵まれ、

学問が好きになってしまったのかも知れません。

 

「金持ちでも不幸になるとなれば、宝を捨てることを望み、ついさっき抱いていた望みを愚かしいこととして憎む。」

(オウィディウス「変身物語」)

 

おカネはあくまで、

幸福になるための道具にすぎないのに、

いつのまにかお金のためには多少の犠牲は

しようがないことと錯誤しているようです。

これでは本末転倒で、何が目的で、

何が手段であるのか、目的と手段を

取り間違えてしまえば、人生そのものが、

取り間違えられてしまうのではないかとも、

考えたり思われたりもしているような

気もしないでもないのです。

 

「知識が人間に与える恩恵を侮ってはならない。知識から善は生み出される。」

(アリストテレス「哲学のすすめ」京都大学学術出版会)

 

多くの人が、

学問の重要性を説いたとしても、

現代のように義務教育さえ軽視し、

小中学で得られるべき知識を

疎かにして、軽んじて、

それで善も知らずに悪徳に

走る輩が増え続けるという悪循環を、

繰り返しているようにも思われます。

 

「知識を学ばずに成功も収められない者は、正しいことで成功することもできず、また、成功しているのかどうかの判断さえできない。」

(プルタルコス「モラリア」京都大学学術出版会)

 

きちんとした知識も身に付けず、

お金ばかりを追い求めても、

正しいことで成功したとはいえず、

また、自分自身で、

正しいことで成功しているのかどうかさえ、

見極めることもできない、

ということのようです。

 

「万事を正しく見定める第一歩は、何かを知っていると思い込まないことである。」

(デモステネス「弁論集」京都大学学術出版会)