大谷選手の契約に、いろいろと、
思いをめぐらせたかたも、
多いのかとも思われます。
その金額が、破格すぎて、
何をどう感じたらよいのかさえ、
わからなくなってしまったというかたも、
いたりいかったりいたれりつくせりでもあったようです。
何を感じ、何を思うのかではなく、
何を感じ、何を思い、それを己の何かに
プラスとなるような
思考法・論理法を身に付けることこそ、
望まれているような気もしないでもないのです。
「賢者は節約する」
(「エセ―」ミシェル・ド・モンテーニュ)
モンテーニュはここで、
ストア派の始祖ゼノンの理論を称え、
節約の合理性と、
節約が清廉潔白な人間を作ることを、
論理的に証明しています。
「ただ知者だけが、美しいと呼ばれるのに相応しい。」
(「ゼノン/初期ストア派断片集」京都大学学術出版会)
「ゼノン 26」
https://ameblo.jp/column-antithesis/entry-12590452121.html
大谷選手の金額に驚くよりも、
我々にとって対応できる手段の、
実現性と有効性、
それに合理性をもって思考すれば、
節約という手段も、たいへん有効な
戦略のひとつであるとも考えられます。
「欲しいものが手に入らぬうちは、そのものが最上に見える。だが一度これを獲得すれば、また別のものが欲しくなる。欲望に際限はない。」
(「エセ―」ミシェル・ド・モンテーニュ)
際限のない欲望に惑わされることほど、
愚かなことはないのかも知れません。
際限のない欲望なら、
ひとたび欲望に関われば、
どうすることもできなくなるわけですから、
最初から、よくよく注意して、
あらゆる欲望を吟味し、初めから、
その欲望とはかかわりを持たぬように
気を付けることが肝要であるような
気もしないでもないのです。
「我々は、何を認識し享受しようと、それに満足した気になれずに、未来のもの、未知のもの、新しいものを追いかける。現にあるものが我々を満足させないからである。」
(「エセ―」ミシェル・ド・モンテーニュ)
IT・AI・コンピューターゲームなどに、
はまりすぎて享受しまくってしまっている人々が、
これに当てはまるのかも知れません。
そのような人は、
現に傍に居てくれる恋人・パートナーにも
満足できずに、あれこれと、
目移りしてしまう人であるようにも
思われなくもないような
気もしないでもないのです。
「だが、それは現にあるものが我々を満足させる力をもたないからではなくて、把握の仕方が間違っていて病的に狂っているからなのである。」
(「エセ―」ミシェル・ド・モンテーニュ)
物事の捉え方、把握の仕方が、
間違っている人、病的に
狂っている人が、
増えているのかも知れません。
「心の容器こそが、すべての悪の原因であり、容器に欠陥があるために、外から入って来るものが、すべてその中で腐っていくのだ。」
(「エセ―」ミシェル・ド・モンテーニュ)