ジャッジ&チョイス65(了) | コラム・インテリジェンス

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透き通るような…心が…ほしい

 現代では雨の日だけが

 人間が人間として静寂という

 感性を磨くことができるようです。

 

 雨の日には、

 あの騒音車両音が減少し、

 騒音車両の元となる醜劣な人たちも

 多少は人並の感性を取り戻せるように

 祈ってあげたい気持ちにさえなってしまいます。 
 

「建設的に批判するスキルには、的確な語彙が欠かせない。

 判断エラーを突き止めるのは病気の診断と一脈通じるところがあり、医学・哲学と同じく正確な用語が不可欠である。

 病名・哲学名には、その病気・哲学にまつわるすべての知識、たとえば症状、予後、治療法、体質、環境要因などが関連付けられている。同様に、アンカリング効果、狭いフレーミング、エラー・バイアス、連想一貫性といった名称には、バイアス、その原因、影響、対策など、わかっているすべてのことが記憶の中で関連付けられている。」

(「ファスト&スロー」ダニエル・カーネマン)
 

 学問をするにも、

 なにをするにも、

 なにかを創り上げるにも、

 修正するにも、

 そこには言葉が重要な

 働きをするようです。

 

 自分自身の言葉として

 使える言葉の数を増やす、

 

 ボキャブラリーを増やす、

 語彙を豊富に持つ等々ということは、

 

 マンガ、ゲーム・ネットでは難しく、

 

 なによりも熟読する習慣づけられた

 読書が必要となります。

 

 熟読した読書量=知識量

 =語彙数=品性度数

 といった等式も成り立つような気もしないでもないのです。

 

「オフィスでの井戸端会議が質的に向上し語彙が的確になれば、よりよい意思決定に直結するだろう。

 意思決定者にとっては、自分自身の内なる疑念を想像するよりは、いまそこで噂話をしている人やすぐに批判しそうな人の声を想像するほうが容易い。

 自分を批判する人々が正しい知識を身に付け、かつ公正であると信じられるなら、そして自分の下す決定が結果だけで判断されるのではなく、決断に至る過程も含めて判断されると信じられるなら、意思決定者はよりよい選択をするようになるだろう。」

(「ファスト&スロー」ダニエル・カーネマン)
 

 僕は部下たちに、

 彼女たち自身が

 優秀になってくれるだけでなく、

 

 彼女たちが優秀になれば

 僕にとっての良き助言者

 あるいは良き噂話者になれば、

 

 彼女たちとのミーティングあるいは飲み会も、

 より有意義なものになると考え、

 

 彼女たちの向上に必死で

 一役買わせて頂いていた傾向にもあると

 言えるのかも知れません。

 

 部下たちを、

 彼女たちを

 

 誰にも負けない

 超優秀なるプロデューサーに

 育て上げることが、

 

 僕が優秀なプロデューサーであり続けるためには、

 絶対必要条件となっていたとも考えられるのです。

 

 脳神経心理学者にして経済学教授、

 認知行動心理学と経済学を統合した

 行動ファイナンス理論等々で、

 

 2002年ノーベル経済学賞を受賞した

 ダニエル・カーネマンの

 原理論理書と称される

 「ファスト&スロー」全編全訳の

 個人的抜粋である当「ジャッジ&チョイス」も

 ここで綴じさせていただきます。

 

 お疲れ様でございました。

 

 長い間お付き合い頂き、

 ありがとうございます。