「プリンストン大学で教える特権の一つは、研究論文を介して優秀な学生を指導できることである。」
(「ファスト&スロー」ダニエル・カーネマン)
わが国から優秀な人材が、
海外へ流出して止まらない、
と言われて久しい。
「漫画外国」「アニメ大国」はたまた
「ゲーム大国」と謳われている間は良い。
が、それはただ単に言葉を解せば
「おバカ大国」「幼稚天国」「稚拙国家」
の始まりの終わりに過ぎなかったようです。
優秀な教授は海外へ、
優秀な教授は自国「日本」では
“やりがい”を見出せず、
優秀な生徒を求めて次々と
海外へと旅立ってしまうという構図が
延々と続いているようです。
「すごい車を買えばすごい満足感と幸福感に包まれると信じている人間は、感情予測のエラーに気付かない劣性を抱えている。」
(「ファスト&スロー」ダニエル・カーネマン)
人間の感情は常に変化するので、
今、幸福だと定義できそうな状況でさえ、
数時間、数日のうちには
否定されてしまう場合もある。
たとえば、今、
最高に美しい、最高の女性だと確信して、
その女性と暮らせるなら
最高に幸せだと定義したとしても、
数時間、数日のうちに、それどころではない状況、
たとえば厄災・労苦・戦争などが起これば、
数時間・数日前の定義は
ものの見事に吹き飛んでしまう。
すごい車を買えば云々という人間は、
ものの見事に稚拙であり、幼稚な人として
評価されてもいたしかたもないような
気もしないでもないのです。
「通勤通学時に嫌なことがあったその日に、その人に生活満足度・幸福度を訊ねて回答してもらっても、的確なサンプル・データを得たとは言えない。」
(「ファスト&スロー」ダニエル・カーネマン)
人間は
その程度の代物である
と思われます。
「不幸な人でも、ずっと不幸だと自覚して生きているわけではない。
不幸な人でも、ときには不幸ではない幸福な時間を過ごしている場合もある。
人間はそれほど一つのことにずっと集中しながら日常生活を続けるのは不可能であるからである。」
(「ファスト&スロー」ダニエル・カーネマン)
そういえば、
宝くじが当たっていなくても、
それが判明して数分後に
美味しい食事に出会えば、
そのことはもうすっかり忘れて
むしろ幸福感を味わってしまっています。
「大きくて綺麗な家を買っても、長期的に幸せにはなれない。その時の感動と歓びは決して長続きするものではなく、それは焦点錯覚であり、大きくて綺麗な家に慣れてしまえば、すぐにその幸福感は失われてしまう。」
(「ファスト&スロー」ダニエル・カーネマン)