人が兼ね備えているシステム1と、
システム2の並行的同時活用の
必要性をカーネマンは説き続けています。
そしていかにそれを怠っている人、いかにその
能力自体を失っている人が多いのかという現実、
普段自分では気づかぬ脳の心理的運用についても、
カーネマンは警告を鳴らしてくれたことで、
ノーベル賞を受賞したのでした。
「次の段階ではこの試案がうまくいくかどうか、頭の中でシミュレーションを行う。
この入念なプロセスは、もちろんシステム2の担当である。」
(「ファスト&スロー」ダニエル・カーネマン)
誰でも直感とか閃きとか、
瞬時の思考とかはあります。
しかしそれはシステム1と称される
人間の下等な脳の働きによるもので、
そこからシステム2と呼ばれる高度な頭脳プレー、
すなわちシミュレーションを行うとかメリット、
デメリットあるいはベネフィット、ロス等々の
相対的比較考察がなされなければ、
マットウなオトナとは言えないとも考えられます。
「ハーバート・サイモンの定義を確認しておこう。
『状況が手掛かりを与える。この手掛かりをもとに、専門家は記憶に蓄積されていた情報を呼び出す。そして情報が答を与えてくれるのだ。直感とは、認識以上でもなければ以下でもない。』」
(「ファスト&スロー」ダニエル・カーネマン)
直感はシステム1であり、
システム1は、
“認識以上でもなければ以下でもない”
その人の認識力、認識知識量が少なければ、
当然、結果もエラーばかりを引き起こすことになるのでしょう。
そしてこのエラーは認識となり、誤った定義・定理を構築して、
やがてはエラー・バイアスの繰り返しという人生を
歩んでしまう人の典型となるようでもあるようです。
「直感を生み出す情報は、どのように記憶に保存されるのだろうか。ある種の直感は、きわめて短時間で身につく。私たちは、恐怖体験から直ちに学ぶ能力を祖先から受け継いでいるからだ。実際、たった一度のいやな経験が、長期にわたる嫌悪と恐怖を植え付ける。」
(「ファスト&スロー」ダニエル・カーネマン)
歩きスマホ、ながらスマホの男に対しては、
近づかないか、あるいは直ちに関係を断つか、
どちらかのジャッジ&チョイスしかありえない理由を
カーネマンが上記に記してくれました。
恐怖体験、
あるいは男同士での殴り合い体験、
または日常にある危険な状況等々に
遭遇したことのない男あるいはそれらの情報が
記憶に保存できないほど低知能な男とは近づきにならない、
または直ちに関係を断つべきだという
教示あるいは示唆または忠告であると思われます。
恐怖体験、危機管理の出来ぬ男は、
愛する女性を守ることなどできない、
あるいはそんな気さえない男である可能性が
非常に高いと判断せざるをえないのです。
歩きスマホ、ながらスマホ、
危機管理が念中にない男はゼロに等しい。
「あやしげな料理で一度お腹をこわした記憶があれば、普通ならそのレストランには二度と行く気にならない。また、いやな思い出があった場所に近づくと、誰もが緊張する。たとえ二度とそんなことが起きるはずはなくても、である。」
(「ファスト&スロー」ダニエル・カーネマン)