小さく狭い島国日本
その街中で、電動キックボードやスケボー、
無遠慮な自転車の歩道スピード走行等々をみかければ、
「蔓延防止重点措置」と同時に
「おバカすぎ防止重点措置」も施行されるべきと、
考えざるも得ぬような気もしないでもないのです。
「では次に、次の問題を読んですぐに答えてほしい。
ミシガン州では1年に
何件ぐらいの殺人が発生するでしょうか?」
(「ファスト&スロー」ダニエル・カーネマン)
我が日本国においては、
そもそもミシガン州が
どこにあるのかさえ知らぬ者が
80%以上いると思われるので、
我が日本国に関しては、
そもそもカーネマンもノーベル賞も関係ない
という者が多すぎるということなのかも知れません。
「これも先ほどと同じくシステム2を試す問題である。
この問題の「罠」は、犯罪率の高いデトロイトがミシガン州の都市だという点にある。
アメリカの大学生ならそのことは知っているし、デトロイトがミシガン州最大の都市であることもわかっているはずだ。
だが知識というものは、必ずしも知っているか知らないかのどちらか、というわけではない。
事実を知ってはいても、必要とするときに出てこないことは珍しくもない。
デトロイトがミシガン州の都市だと知っている人は、知らない人より殺人の件数を多く言うはずだが、実際には回答者は、「州」について訊かれたときには都市のことは考えないものである。
事実、「ミシガン州では~」と聞かれたグループは、「デトロイトでは~」と訊かれたグループより、殺人の件数を平均して少なく答えている。
デトロイトのことを思い浮かべなかった怠慢は、システム1とシステム2の両方に責任がある。
州について訊かれたときに都市名が思い浮かぶかどうかは、部分的には記憶の自動機能にかかっている。
この点に関しては、人によって違いがある。
ミシガン州に詳しい人もいれば、そうでない人もいるだろう。
たとえばミシガン州の住民は、他州の人より詳しいと考えられる。」
(「ファスト&スロー」ダニエル・カーネマン)
ミシガンに詳しいも何も、
我が日本国の人々の多くは、
ミシガンがどの州で、どこにあって、どのような都市が含まれているのかさえ知らぬ人がほとんどあるようにも思われなくもないのです。
当然、わが国も義務教育でさんざっぱらデトロイトもミシガン州も登場しているのだけど、
それを覚えている、または覚えておこうとすらしなかったガキが我が国にはワンサカ生息して、そのうちの何人かは生意気にも大学にまで進学して、結局は何の役にも立たぬオトナの男として、満足しているようです。
「知能とは、論理思考をする能力だけでなく、記憶の中から役に立つ情報を呼び出し、必要なときに活用する能力でもあるのだ。
記憶はシステム1に属す機能ではあるが、探索作業をスローダウンさせ、関係のある事実をすべて見つけ出す入念な探索に切り替える選択肢は、誰でも持ち合わせているはずなのである。
バットとボール問題、バラと花の三段論法、ミシガン州デトロイト問題には共通点がある。
この手の問題で間違える人は、すくなくとも一生懸命取り組むことを知らない人で努力を嫌い、自分の虚飾・欲望以外のことには極端にモチベーションの低さを示す人である。」
(「ファスト&スロー」ダニエル・カーネマン)