ゼノン 1 | コラム・インテリジェンス

コラム・インテリジェンス

透き通るような心が…ほしい…。

「人間はみな幸福を求めるが、

幸福とは、宇宙および人間の指導原理たる理性と共に生きることである。」

──ゼノン──(「対比列伝(英雄伝)」プルタルコス)──

 

「私が今でも読んでいる数少ない書物のなかで、最も愛着があり、有益なのはプルタルコスだけである。」

(「孤独な散歩者の夢想」ジャン=ジャック・ルソー)

「アウレリウスの独り言 30」

https://ameblo.jp/column-antithesis/entry-12560309561.html

 

「プルタルコスの教訓を生かすべく、私は翌日の散歩は、嘘について考える時間にしようと決めた。」

(「孤独な散歩者の夢想」ジャン=ジャック・ルソー)

「ジャン=ジャック・ルソー 21」

https://ameblo.jp/column-antithesis/entry-12529414766.html

 

ソクラテスには師の如き振舞いのプルタコスでも

唯一ストア哲学には脅威を感じ取っていたようです。

 

大型柱が列をなして作られている

神殿風の建造物はストアと呼ばれ

 

人々がここに集まってゼノンの話に聞き入っていたところから、

ゼノンを祖をする哲学を

ストア派ストア哲学と呼ぶようになった。

 

ゼノンは脆弱かつ病弱であり、宴会はたいてい辞退し、新鮮なイチジクと日光浴を好んだと言われている。」

(「ゼノン/初期ストア派断片集」京都大学学術出版会)

 

ゼノンは紀元前300年前後にギリシャの、

ギリシャ人とフェニキア人の住むキプロスのキティオン

という町で生まれたようです。

 

「しかしもともとは、エピクロスが手紙の中で言っているように、ゼノン派と呼ばれていたのである。」

(「ゼノン/初期ストア派断片集」京都大学学術出版会)

「最大の快は知と愛によってのみ到達可能である」

(「主要教義」エピクロス

「死のゴールと幸福のゴール」

https://ameblo.jp/column-antithesis/entry-12534120986.html

 

「アテナイの人々は、ゼノンをたいへん尊敬し、黄金の冠と銅像で敬意を表した。

 また、ゼノンの生まれ故郷であるキティオンの市民も彼を誇りとし、ゼノンを『彼こそは我が町のヒトである』と主張した。」

(「ゼノン/初期ストア派断片集」京都大学学術出版会)

 

人々がゼノンの話を聞くために、

日夜ストアに集まっていたというのも頷けるような

気もしないでもないのです。

 

「またマケドニアの国王アンティゴノスもゼノンに好意をもち、アテネに来るたびに頻繁に彼の講義を聴き、自分のところへ来るように勧めていた。」

(「ゼノン/初期ストア派断片集」京都大学学術出版会)

 

市民から国王にまで愛されたというゼノン。

が、超哲人と謳われたゼノンも

中年過ぎから哲学に目覚めたといわれています。

 

「拝啓、

 マケドニア国王アンティゴノスからゼノンに。

 私は、偶然と名声の点では、貴方の生き方より勝っていると思いますが、学説と教養と、そして貴方が手に入れておられる完全なる幸福の点では貴方に劣る者であると考えています。

 ですから、貴方が私のところに来て下さるように声をおかけしよと決心しました。

 貴方がこの求めを断ることはないと確信しております。

 ですから、貴方は私一人の教師ではなく、全マケドニア人の教師となって頂きたいという理由を御理解のうえ、何としても私と直に会えるように努めて頂きたいのです。

というのもマケドニアの支配者を教え、有益な生きかたへと導く者は、その支配下にある人々を善き人へと育てることになるのは明白だからです。

 支配者と同じような者に被支配者もなるということは、たいていの場合当てはまるころです。」

 

 ゼノンの返事は次のようなものであった。

 

「国王アンティゴノスへゼノンから、拝啓。

 貴方の勉学への熱意は、真実であり有益な成果を目指すものであって、品性を堕落させるだけの一般受けする教養を狙ったものでないだけに、うれしく思います。

 哲学に憧れる人は、若者の魂を時として軟弱にするあの騒がしくもてはやされる快楽から離れ、素性のうえだけでなく自らの意思によって、高貴へと向かうことは明らかです。

 高貴な生まれが、適切な訓練を積み、さらに我が身を省みず教える人を得るなら、徳の完全な実現に至るのは容易いことです。

 しかし私は老齢のため、思うようになりません。

 すでに80歳です。ですから、貴方と直にお会いすることができません。

 しかし、私のところで共に学んでいる何名かを貴方のところへ遣わします。

 彼らは魂に関することでも私に引けを取りませんが、体に関しては私以上です。

 彼らが一緒にいれば、貴方は完全な幸福のために必要なことは何一つ不自由されないと思います。」

(「ゼノン/初期ストア派断片集」京都大学学術出版会)