金星 ー 夜空を仰ぎ見れば最も光り輝いている星。
ヴェニス、ヴィーナス、アフロディーティ。
金星も“キラキラ”輝いている。
このキラキラは、星の光を大気が揺さぶり、
風の強い日ほどキラキラして見える。
キラキラ度は星の寿命。
核爆発を繰り返す星たちは、
水素の含有量が大きいほど大きく爆発を繰り返し、
より光り輝いて最後には自滅してしまうのだ。
星たちのキラキラは、星たちが望んでもいないのに、
その寿命を削り取るかのような作業。
核爆発しない星、地球に住んでいながら、
自ら核爆発を作りだし、その寿命を脅かしている人間は、
宇宙的には、かなり珍しい愚かも極まれりな生命体
であると言われているのかもしれない。
星々のキラキラを見上げていると、
ワクワクやドキドキ、悲しみや哀れを感じる。
ワクワクドキドキは、星の生命力を感じ取っている時。
悲しみや哀れは、
やがて消え去る運命を知りながら輝き続ける星への共鳴。
が、最も輝きを見せる金星は、とりあえずの心配は御無用。
私たちから見て金星が最も輝いて見えるのは、
単に距離的に近いというだけの理由であるらしい。
近いものは大きく輝いて見える。
愛欲と美の女神アフロディーティは、
私たちに最も接近して、美を訴え続けながら、
命を削り取り、やがては消滅してしまうのだ。
ジュエルに魅了されてしまう私たちの心の中には、
光り輝くモノの生命力にドキドキワクワク、
限りある命への共鳴の両方が混在しているのかもしれない。