美知武習録196(ニーチェ) | コラム・インテリジェンス

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透き通るような心が…ほしい…。

「所有欲に征服されるな」(ニーチェ「漂泊者とその影」)



そもそもに所有は征服の一形態でもあるのに、
その所有欲に征服されてしまうような人間では
話しにもならぬような気もしないでもないのです。


「所有欲は悪ではない。所有欲は

 働いて金を稼ぐことを促がし、その金銭によって

 人は充分な暮らしを送れるばかりか、人間的な自由と

 自立さえ得ることができる。」(ニーチェ「漂泊者とその影」)



ここまではニーチェも所有欲を肯定しているようです。


「しかし、人が金銭を使っているうちはいいのだが、所有欲が

 度を過ぎるようになると、人を奴隷のように使い始める。」

 (ニーチェ「漂泊者とその影」)



政治家・小役人・官僚でも、なまじ人並み以上の生活を味わわせれば、
現代の彼らのように、民を人として扱えぬような輩に
なってしまうのかも知れません。


「もっと多くの金銭を得るために、ありったけの時間や能力を

 費やす日々が始まるのだ。所有欲は休みさえ与えてはくれない。」

 (ニーチェ「漂泊者とその影」)



政治家・小役人・官僚が忙しくしているのは民のためではなく、
己の私腹を肥やすことだけに捉われているからなのかも知れません。


彼らが地位も名誉も金も要らぬとばかりに、

己の信念と志だけを大事に仕事をするのなら、

彼らも今ほどは忙しく働いている様には

見えないような気もしないでもないのです。



そこに私利私欲が加わるから、彼らは必要以上に
己を忙しくしてしまっているのかも知れません。
そうしてそこに群がる人間もまた、
彼らと同類のような人間が寄り添い、
ついには二進も三進もいかぬ世紀末に・・・。


「こうして所有欲の手下となった人間は、完全に拘束される。

 内面の豊かさ、精神の幸福、気高い理想といった

 人間として大切なものは無視されるようになる。」

 (ニーチェ「漂泊者とその影」)



仕事に突き動かされるのは良い。
が、振り回されては心の豊かさ、心の幸福、気高い精神は
失われてしまうようです。


このバランスが肝要。

バランスが全てをなるのかも知れません。



コラム・インテリジェンス「中庸」
http://blogs.yahoo.co.jp/shigetage/40314383.html


が、僕のように愚かで還暦なオジさんになれば、

中庸はとても難しいので、

所有欲、仕事に振り回されるのなら心を失うのなら、

いっそのこと、所有欲と仕事から縁を切ってしまえと

思うこともしばしばなのです。



「あげく、金銭面だけが豊かで、
 内面がごく貧しい人間が出来上がる。」
 (ニーチェ「漂泊者とその影」)


それが現代社会であるのは、

誰の目から見ても明らかであるようです。



結果、所有欲大好きな張本人の金銭面は豊かになっても、
現代のように貧困格差を生むことにもなってくる。

人は自分の欲を貫けば、他者の不幸を招きかねないことも、
充分に肝に銘じて生きるべきなのかも知れません。


「だから、所有欲がどこで自分を征服しそうになっているのか、

 よくよく注意しておかなければならない。」

 (ニーチェ「漂泊者とその影」)



それは己の心の豊かさ、心の幸福、気高い理想までをも
奪ってしまうことにもなりかねないということも、
認識しておくのが肝要かとも思われます。


あっ、っていうか、所有欲に征服されるような人々は、

政治家・小役人・官僚などは、

そもそもに気高い理想などはないのだから、

彼らはそれを失うことに何の異和も感じないのかも知れません。