淀長ホラー洋画劇場索引ホラー洋画劇場Vol.16
●EXORCIST Ⅲ
(1990・アメリカ)
監督・原作・脚本:ウィリアム・ピーター・ブラッティ
はい、みなさんまたお会いしましたね

何?まだ悪魔が続くんかいな?
お前、いったい何匹、悪魔が取り憑いてるんや、
いい加減にせんか、
あら、まあそんなこと言わないでくださいね
こればっかりは
ハエたたきや蚊取り線香では、追っ払えないですなぁ
けれどもこれで、ようやくわたしの悪魔祓いが終わりますな
はい「エクソシスト3」
エクソシスト、3つも作ったんですね、
いよいよ完結編、
「エクソシスト3」、
さあ、どんな映画でしょうね

はい、最初の「エクソシスト」
誰も見たことの無い悪魔が人間にのりうつった、
怖かったなぁ、びっくりしましたなぁ

はい「エクソシスト2」
あのおっかない悪魔は、おらんようになった
けれども、
本当におらんようになったのか?
そもそもどこから来よったのかを調べないかん、
その足跡を追いかける夢遊病のような映画でしたね

はい、そしてこの「エクソシスト3」
15年前の少女に悪魔が取り憑いた事件、
医学も科学も太刀打ち出来ない
妙なもんが、少女の体に入り込んだんですね
どうにもならんようになって
とうとう教会でも禁じられている
エクソシズム、悪魔祓いをやったんですね
そうしましたら、
人が死んだ、人が死んだ、
それも聖職者が死んだんですね
恐ろしい事件でしたなぁ
けれども、
何があって神父が死んだか…?
不気味な謎に包まれたまんま
15年が経ったんですね…
この映画は、そこから始まります
その恐ろしい事件がめぐりめぐって、
今の時代に、
恐ろしい因果となって
じわじわと間近に迫ってくるんですね
…黒人の子供が殺された
残酷な、とんでもない残酷な殺され方で、
子供が殺された
その後も連続で殺人事件が起こる、
この犯人が、おかしな殺し方ばっかりしよる

15年前の事件に関わった刑事が
どんどんどんどん恐ろしい世界に
引きずり込まれて行きますね
こんな恐ろしい因果の話を
舞台劇のような、荘厳なタッチで
じっくりと、じっくりと
ひも解いていくんですね
そうして、
…いよいよ悪魔の正体を見せますなぁ
本当の悪魔の正体とは何なのか…?
はい、この作品ご覧になって、
ちょっとびっくりされるかも知れませんね
この作品の後に作られたサイコサスペンス、
サイコスリラー映画の、
下敷きになっておることを知って、
驚かれる思います。
そうですね、
「羊たちの沈黙」の1年前に公開されました
この「エクソシスト3」いう映画は、
一番初めの「エクソシスト」のオカルトホラーから
サイコの世界に姿を変えたんですね
そんな、時代を先取りした
見事なサイコホラーなんですね
原作はアメリカで映画化する前から評判になっておりましたな
83年に書かれた
「REGION」いう小説ですね
「レギオン」いうのは聖書に出てくる悪魔の名前ですね
これは“大勢”いう意味なんですね
何とも知れん、恐ろしい意味がありそうですな

この原作を書いて監督もしたのが
ウィリアム・ピーター・ブラッティ、
「エクソシスト」の原作者ですね

この人、実は、
「エクソシスト2」のストーリーが気にいらなかったんですね
何とか自分でこの物語に幕引きしたくて、
とうとうここでは製作も監督も脚本も全部やったんですね
けれども、
しっかり「エクソシスト2」も尊重しまして、
登場人物も「エクソシスト2」には出てこなかった、
最初の「エクソシスト」の残りの登場人物だけを
上手に使って、ストーリーを書いたんですね

ですから、
「ウィリアム・ピーター・ブラッティのエクソシスト3」と
タイトルが出ますね
クセのある俳優が、いろいろ出てまいりますな

最初の「エクソシスト」で、
リー・J・コッブがやったキンダーマン警部を
「パットン大戦車軍団」の
ジョージ・C・スコットがやっております
ジョージ・C・スコット、
おっかない顔して重みのある芝居をする人だな

その親友で映画好きなダイアー神父を
舞台俳優のエド・フランダース、

悪魔に闘いを挑んで、階段から落ちたカラス神父を
再びジェーソン・ミラーがやっておりますね

隔離病棟の危険な患者を
「チャイルド・プレイ」「ミシシッピー・バーニング」の
鋭い眼をしたブラッド・ドゥリフ、
悪魔祓い師にイギリスの名優二コル・ウィリアムソン、

チェーンスモーカーの臆病な医師に
「冷血」「夜の大捜査線」のスコット・ウィルソン、

「ザ・フライ2」で博士をやっとったリー・リチャードソン
オールドファンには懐かしい

「三人の名付親」のハリー・ケリー・ジュニア、

往年の美人女優、ビべカ・リンドフォースも
とんでもない役で出てまいります
往年言うてもね、わたしは知っとっても、
パイルは知らんみたいですなぁ、アハハ~

刑事役のジョージ・ディセンゾ(右)とドン・ゴードン、
あっちこっちで何べんも顔を見た連中ですね
…こんな風に映画、舞台の名優、老優が
ゾロゾロ行列作って出てまいりますけれども
いかにも渋い演技派をズラリと並べましたなぁ
はい、これは、いっせんきゅうひゃく90年度の、
エクソシストシリーズの本当の完結編として登場しました
アメリカのサイコホラー映画です
地味な扱いをされましたが、いろんなサイコスリラーに、
こっそり影響を与えた作品ですね
さあ、悪魔の正体が何か?
最後までどうか、じっくりご覧ください

それではあとで、またお会いいたしましょ
…「エクソシスト」のディレクターズカット版のラストは
劇場公開版と少し違いましたね

事件を嗅ぎまわっておった警部と、
死んだ若い神父の友人だった、もうひとりの神父が
映画好きやいうことがわかって、
仲良くなるところで終わりましたね
そして、これはそのふたりが、
15年後も映画を一緒に観る友人同士いうところから
始まりますな
けれども、
15年前に悪魔祓いが行われた静かな町で、
殺人事件が続いて起こってるんですね
指が切断されて、掌に双子座の烙印を残されるいう
連続殺人事件ですね、
なんとも知れん不気味な猟奇殺人ですな
刑事は、怪しい事件やなぁ、
何かある、何かある思って、調べて行きますね
そうこうしているうちに、
また新たな殺人が起こるんですね

その手口たるや尋常ではありませんな
人間がやったにしては手が込み過ぎてるのね
手がかりもつかめないで悶々としとりますと
精神病院の隔離病棟におる患者が、
自分が
ゾディアック(双子座)殺人の真犯人だと名乗り出てきたのね
そんなわけないやないかと
刑事が、その独房に面会に行くんですね

そうしましたら、
刑事は、びっくりしましたなぁ
とんでもないものを見てしまうんですね

いよいよ、何か恐ろしい因縁が動いていることに
気づくんですね
そこで、あの悪魔の存在ががちらつき始めるんですね…

はい、いかがでしたか?
行き詰まった刑事が、おかしな夢を見ますね…
そうね、これが幻想的で、美しい夢ですね
ちょっと気味悪いけれども
そこは、いろんな人が、
天国行きの列車を待つ駅なんですね

あっちにもこっちにも、
大きな白い羽根の生えた天使がおりますね
子供も老人も、いろんなのがおる
そうしましたら、そこかしこで
音楽を演奏してますな
ラグタイムですね、
のんきそうなジャズの曲ですね
老女がニコニコしながら演奏しとるな、
妙に楽しそうですね
死にゆく者に、レクイエムやなしに
スイングジャズを聴かせる
おもしろいなぁ、
こんなのは初めて見ましたな、

けれども、天使の顔をご覧になりましたか?
無表情ですね
天使が死んだような目をしとるのね
ちっとも楽しそうじゃない、

神に仕える、お迎えの天使が
暗い顔してるんですね
はい、
ここで、思い出してください
「エクソシスト2」で、
悪魔の出どころを探る神父が口にしましたなぁ
「今の時代、いたるところに邪悪がはびこって、
神は沈黙しています」
この一言が、
正にこの「エクソシスト3」いう映画の
ミステリアスな謎の、
深い、深い部分とつながってますね
調子に乗って、もっと申しますと
このセリフは、今でもいっぱい作られるサイコホラーの
すべてに通じるテーマですね

原作の「レギオン」、悪魔の名前ですけれども
大勢の、いっぱいの、いう意味ですね
世の中にいっぱいはびこった
邪悪なもの、
何か知れんけれども邪悪な、けったいなもの、
それは、
わたしたちが毎日ご飯食べて、仕事をしまして
風呂に入っている社会の中におるかも知れん

町を歩いている時に、そこかしこで見かける
ひとりひとりの人間、人間、人間、
いろんな恰好してますけれども、それは
ちょっとした闇の中におるかも知れん
気付かないけれども
あんたの頭の上をこそこそ這いまわっているかも知れん
そんなことを映像で見せましたな
「エクソシスト」
3本も作られたシリーズ…
これは
怖い怖い悪魔の姿を見せながら
人の心の中に住みつく何かに
気付かせようとする
そんな、
誰も意識していなかったことに
気付かせてくれたホラー映画でしたね
はい、もう時間きました。
それでは来週の作品、ご紹介いたしましょ
次週は、トビ―・フーパー監督の「悪魔の沼」ですね
これは、
また始末の悪い妙な男が、巨大な草刈りガマを持ち出して
楽しそうに暴れまわる困ったホラーですな
けれども、どうぞ、たのしみにお待ち下さいね
それでは
来週もこの時間、お会いいたしましょう
サイナラ、サイナラ、サイナラ
★★★★
採点基準:★…5個が最高位でマーキングしています。★…は★の1/2です。





















