●テルマエ・ロマエ(2012・東宝=フジTV)
監督:武内英樹 原作:ヤマザキ マリ 脚本:武藤将吾
・古代ローマ時代のお風呂建築技師のユル~イ・ヌル~イお風呂戦記。
コミックが大いに話題になっていて、コレと「進撃の巨人」と「銀魂」は、
「ワンピース」と共にウチにも並んでいますネ。
ギャグ部分は「銀魂」のキレ味には遠く及ばないユルユルのクスグリ系で、
声を上げて笑うタイプのコミックではない。
へへ、フフ、ホホ、クク…といったライトな笑いである。
主人公が現代の日本の風呂と古代ローマの大衆浴場を行き来しながら、
派手にカルチャーショックを受けながらも、近代的設備や工夫を取り入れて成功を収めて行く。
荒唐無稽なシチュエーションでありながら、大真面目にローマの歴史の背景に存在した風呂の存在を語ろうとするお話。
コミックの1、2巻をベースにしたストーリーは先刻承知なので、
新味は上戸彩、笹野高史、竹内力、飯沼慧、外波山文明らによる
映画オリジナルキャラとドラマの付け足し部分に集中。
しかし、
ここがよくある最近の日本映画とTVを占拠する予定調和のラブコメ風。
生かさず殺さずのグダグダ展開で少々イラッとさせられる。
田舎から出てきた漫画家志望の女子という設定も中途半端で意味が無い。
映画版のサプライズとしては、丸ごと不要と言ってもいい。
上戸彩がヒロイン風に登場するというキャスティングが公表された時点で、
…んん??と思った悪い予感は的中した。
余計なことをしやがったと言うか、
もっと練りこんだシナリオは書けないものかとガッカリ。
もっとも上戸彩は、意外と“平たい”スッピン顔も披露しているし、
巨大なお乳も服に収めたままではあるがビョンビョンしてる。
可愛さ全開、ファンならずとも魅かれる器用な芝居を披露している。
好感度高し!
ただ、それ以上の存在感ではない。
どーせなら、入浴シーンを作らなくちゃイカンでしょ。
水戸黄門の由美かおる程度でいいのにネ、
武内英樹監督、新たなキャラをぶちこんでおいて、肝心のサービス精神に欠けている。
気の利かない男だね~。
「カバチタレ!」「のだめカンタービレ」とトーンは全く同じ。
どこまでいってもフジTV風の草食演出がこの人には限界だと思われる。
阿部寛のしつこいほど晒されるヌードとじいさんたちのヌードは、
女性客しか反応しようがないもんね。
ま、じいさんの裸にはよほどのフェチしか反応しないか?
その阿部寛以下、コミックに登場するローマ帝国人を演じる主要キャストは、
濃厚な面ダマシイで堂々たる大芝居を見せて順調。
いわゆる赤毛モノは舞台でこなしまくっている市村正親の、余裕あふれる
ドラマチックな演技が際立っているが、最高なのは一緒に風呂に浮かぶワニ。
これがいちばん笑えたかも、明らかにオモチャ、可愛い。
★★★
採点基準:★…5個が最高位でマーキングしています。★…は★の1/2です。
濃厚!
大吟醸!
密林!
眉太、目の周りがアイメイク不要で
ダークゾーンと化している濃厚MEN’S!