今年もあと少し、年内にジオラマ関係の記事は終わらせましょう。

 

今回のジオラマの主役はケッテンクラートでした、シュチエーションとして航空機を牽引する姿を見せたかったのですが、1/48の航空機は皆、そこそこのボリュームがありスペースの関係や、主役が食われそうになり、悩みました。

 

そこで思いついたのが多分1/48では一番小ぶりなドイツ軍機という事でメッサーシュミットのMe163コメートを選びました、もともと好きな飛行機で、最初に認識したのはタミヤの1/100ミニジェット機シリーズでMe262とMe163の2機セットのだったと思います。

 

とは言え、今回はあくまでも脇き役、大道具程度の演出意図だったので、オークションで使えそうで、値段もそこそこな完成品を物色していたところ、これなら良いかな?というのに出会い落してみました。

 

当初は多少お化粧直しをする程度で使う気だったのですが、見ている内に、チープなものに手間を掛けるといういつもの悪い癖が出て、結局大事になってしまいました。

 

今回使ったのはテスター(TESTORS)の1/48Me163で、模型に詳しい方なら避けて通る代物ですW 本来はホーク(HOWK)というメーカーの物が金型が移ってテスターブランドで販売されたのですが、このキット1960年に作られたもので今から60年前のキットなんですね、側面と平面形状は悪くないんですが、決定的に機体断面形状が間違っていて、今なら違うメーカーの出来の良いキットがあるんでわざわざ選ぶ人はなかなか居ないキットです。

 

割り切って使うつもりだったのですが、スカスカのコクピットなど、どうしても我慢できなくなり、まずは塗装を全部剥がし、胴体左右の接着も剥がして割りました。

 

ネットで調べるとこれ用のディテールUP用キットは無く、かろうじてレベルの1/48 Me163用のレジンやエッチングでディテールUPするキットが過去にあったらしいのですが、それも今ではどこにもありませんでした。

 

友人のプロモデラーに相談したところ、馴染みの模型店で在庫を見つけてもらい入手できましたが、断面形状が違うのでそのままストレートに使うことは出来ません。

 

コクピットを作らないと胴体を再接着出来ないので、まずはコクピットのディテールアップに専念しました。

 

胴体接着後の塗装は基本筆塗り済ませました、航空機というよりAFV感覚での塗装です。

 

唯一、垂直尾翼の迷彩模様は筆塗りでは巧くいかずピースコンを持ち出して塗装しました。

 

コクピットはレジン製パーツでディテールUPし、アンテナや発電用プロペラなどはエッチングパーツ、車輪はレジン製自重変形パーツなどを使いましたが、外観の形状修正などはしませんでした。

 

後は別に入手したデカールで注意書きなどを実機写真などを参考にして貼り、なるべく見た目の情報量を増やしてやります。

 

まぁ、途中から判っていた事ですが、こんな事なら最近の出来の良いキットを使った方が楽だったと思います。

 

 

最後に面白ネタを。

 

メッサーシュミットMe163愛称はドイツ語でコメート、英語ではコメット、日本語では「彗星」日本で彗星といえば赤い彗星、シヤァ・アズナブルが有名ですね、これの元ネタとして「赤い彗星は実在した!」

 

メッサーシュミットMe163コメートは世界で唯一実用化されたロット戦闘機です、ジェットではありません、その機体と部隊の育ての親といわれたドイツ空軍将校、ヴォルフガング・シュペーテ、Me163の部隊がまだ実験部隊だったころ、ある日機体を「真っ赤」に塗られたMe163で出撃しました、当人は出撃の直前まで知らなかったそうです、当然当時は「赤い彗星のシヤァ」は居ませんでしたがさらに遡る事、第1次世界大戦でのドイツ陸軍のエースパーロット、リヒトホーヘン男爵、別名「レッド・バロン」や「赤い悪魔」と呼ばれました、名前の由来は搭乗する愛機を赤く塗っていた事に由来します。

 

この故事に倣ってヴォルフガング・シュペーテのMe163は赤く塗られたのですが、当人はいたって冷静で責任者をしかったそうです、塗料分機体が重くなり、目立つ色で敵に早期に発見される危険も増えます。

 

この機体で出撃したヴォルフガング・シュペーテは結局この日Me163での初撃墜の成果は挙げられませんでした、読める書物で載っているのはここまで、その後機体がどうなったかは載っていませんでした。

 

ヴォルフガング・シュペーテはその後Me262に機種転換して、撃墜記録を99機にまでのばし、戦争を生き延び1997年に亡くなったそうです。

 

レプリカの「赤いMe163」も作られていますから「赤い彗星のシヤァ」の元ネタになったのは間違いないと思うんですが(諸説ありますW)