コレは私が以前ホビー誌のライターをしていた時の話で、今の状況を表したものではありません、「今は昔の物語」である事をご承知おき下さい。

 「ライター」英語では「Writer」、辞書を紐解くと作家、詩人、物書きなどの言葉が出てきます、そして注釈が無ければそれで生計を立てている人の事を指します。

 ホビー誌のライターはコラムなどを書いているホントの物書きの人を除けば「ライター」である前に「モデラー」であるわけです。

 まず新製品紹介の作例や何も無いところから作るフルスクラッチなどの模型を作り、それの製作記事を書いて、雑誌社は出来た模型の写真を撮り、書いた原稿を製作記事として雑誌に掲載します。

 持込で無い限り雑誌の編集者がライターに模型製作と原稿を依頼するわけですが、作られた模型を雑誌社は引き取るわけではなくライターの手元に残ります、雑誌社はあくまでも雑誌の紙面を作るための写真と文章が欲しいだけで模型が欲しいわけではありません。

 支払われる金銭の名目も「模型製作代」ではなく「原稿料」となってまいす、ココにある意味ホビー誌のからくりがあります、極端な事を言えば模型の制作を頼んでおいてそれを引き取らず写真を撮ってしまえばおしまいで払うのは原稿のお金だけと言うことになります。

 製品の模型を作ったり、改造するのと、何も無いところから作るフルスクラッチも原稿の枚数が同じなら同じ原稿料と言うことなりますが、流石にそうはならず原稿料での調整はありました。

 よく「好きな事をやってお金を貰えるんだから良いじゃない」とか言われましたが、友人と「時間当たりの単価ならコンビニでバイトをやっていた方がお金になるよね」と話したものです。

 今は知りませんが当時「ライター」と言われた人で、それだけで生計を立てていた人を私は知りません、学生や社会人など何かしら本業がありました、確かにそこから後にプロになった人もいましたが、それは雑誌のライターが本業と言うわけではなく、模型業界で仕事をしていると言う意味です。
 
 好きな事をしてお金を貰えて、模型雑誌に自分の名前が載って、「ライター」などと呼ばれて自尊心をくすぐられたのも確かです。

 しかし雑誌社はそれに甘えているところもあったと思います、労働への正当な対価を支払っていたかと言うと疑問が残ります。

 こんな事を書くと「じゃぁやってて楽しくなかったの?」と聞かれれば「いいえ、楽しかったですよ!」とキッパリ言えます、編集部へ行くのは仕事の打ち合わせと言うより遊びに行く感覚でした、私は当時すでに社会人でしたから必要な時しか行きませんでしたが、学生ライターの人はしょっちゅう編集部に入り浸っていたようです、でもその遊び感覚から新しい企画が生まれたりしたんだと思います。

 一時、編集部でのモデルガンの撃ち合いが流行った事があり、懐から銃を抜き扉を開けた瞬間からそこは戦場でしたW

 当時ブームの受け手側ではなく、ある種の発信者側でいられた事も貴重な体験だったと思います。

 あの頃の作例と今の模型誌の作例のレベルを見比べると雲泥の差が在る事は確かですが、情熱は負けて無かったと今でも断言できます。

 今のライターの環境は少しは改善されてるんでしょうかね、模型を作る人が少なくなっていると以前から言われています、当時に比べれば模型以外に楽しい事は一杯ありますから、模型雑誌の置かれた環境も厳しい事でしょうが、模型の業界全体が活性化してくれる事を願っています。

 こんだけ書いちゃうと その2 のネタが無くなっちゃうな。