ある夏の日


とっくに正午は回っただろうか


寝過ぎて冴えてきた頭と

節々が少し痛む体を渋々起こす


1階に下りると母はすでに仕事に出た後で

部屋の中は閑散としていた


ボーッとする頭を覚ましがてら

特に行く当てもなく

ふらっと散歩に出かけることにした。


陵永川の土手沿いの道を歩いていると、

これでもかと言うほどの太陽が

じりじりと照りつけてくる。


こんなことなら扇風機の前で涼みながら

アイスを食べるんだった、と少し後悔をする。


その日はとても暑く、首筋を次々と汗がつたっていた。


日差しの先を睨むように顔をあげると

空には1つだけ半球状の雲が浮かんでおり、

その周りに細々とした雲のかけらが散らばっていた。


「まるで...


ーーーひゅおぉっ


その時どこからか心地よい風が吹いてきて

土手の草木をさやさやと揺らした。


ふと前をみると数十メートル先に制服姿の少女が立っており、

風に吹かれた彼女のスカートが先ほど見た雲のように広がっていた。


ーまるでクラゲだー