昨年2023年2月8日夜、路上で大動脈解離に倒れ武蔵野赤十字病院へ救急搬送。2月9日深夜0時から緊急大手術、2月10日GICUで麻酔から覚醒。3月退院。その後、5月に胸が腫れる感染性合併症を併発。9月と10月に2回追加手術を受け、現在に至る。1年経過を機に書いて来た備忘録「2023病院日記」。最後の (20) は、(1)~(19)で書ききれなかったいろいろな思いなどを書き綴って終わりにしたいと思います。
内臓がなし崩しに抜けて行く感覚
長く寝ていたりすると、足腰の筋肉が衰えてしまい歩けなくなるものですが、私の場合は、筋肉の問題よりも内臓が辛くて動けなかったり歩くのが辛かったりしました。
胸が(心臓が)苦しい感じはもちろんなのですが、身体の中身、内臓が、崩れて行くような感じ。
身体の中の「つっかえ棒」が無くて内臓の中身がくずくずに崩れ落ちてしまうような感覚。
これが一番辛かったです。
一年経過した現在、だいぶ良くはなりましたが、まだこの感覚はあります。鍛えるという前の段階ですね。
きっと時間の経過とともに日常生活というリハビリをしながら「つっかえ棒」が培って行かれるのだと思います。
どうしても手術前の身体を基準に考えてしまうのですが、それは辞めなければいけないことですね。
病気の身体と健康な身体の違い
よく「病は気から」って言いますよね。でもこれは、「健康な身体」の場合のこと。
確かに、気力の衰えが病気を誘導することはあるとは思いますが、この話はそれとは別の話です。
病気の身体の場合、
「気力」というものは、病気の身体からは湧き出ては来ないのです。
「気」よりも「身体」が先です。身体が少しずつ回復してくると、それに伴って「気力」が出て来ます。
健康な身体の人が、病気の身体の人へアドバイスするのは、控えた方が良い、と思いました。
ご自身に大きな手術経験があったり、身近な人を看病した経験がある方々は一様に
「くれぐれも無理するな」「焦るな」「命あってのものだねだからきちんと養生するように」
とおっしゃいます。その通りだと思いました。自分の身体は自分が一番よく知っている。
白十字マークと優先席
今回、初めて「白十字マーク」をつけて行動しました。
とにかく手が使えなかったので、ウエストポーチを使って、そのベルトに目立つようにぶら下げて。
そこで思ったのが、電車に設置されている「優先席」の存在。
本当に辛いと、混んでいる時の優先席の存在は有難いものです。しかし・・・
「白十字マーク」に気が付く人はほとんどいないのですね。
そうなんです!皆さんスマホしか見ていないのです。そういう自分もそうですものね。
でも、普通席?ならいざ知らず、優先席に堂々と座るならば、少しは周りを気にしながら座って貰えたら嬉しいなぁ~と思いました。
そんな中、気が付いて下さった確率が高かったのは、ご年配の男性。
明らかに私よりご年配の男性が譲って下さったり、優先席に堂々と座っている健康そうな男性に「ほら、譲ってやれよ」と声をかけて下さったり・・・。ありがとうございました!
また、若い女性の方も気が付いて下さる事がありました。ありがとうございました!
車椅子とストレッチャー
これは、2月の頃の話ではありますが、
まだまだ大変だったころ、車椅子やストレッチャーに乗って検査室へ移動する機会がありました。
この時、看護師さんが普通に歩く速度で動かすと、気分が悪くなったりしました。
それだけ身体の具合が悪かったという事です。普通のスピードに身体がついて行けないのです。
車椅子やストレッチャーを移動させるスピードは微妙で難しいものだな、と乗っていて実感しました。
自分が動かす側の人間になった時は気をつけなきゃ、と思いました。
行きたいところに行けないもどかしさ
今でもまだ、人込みや遠路などは行けませんが、
病院へ通っていたころは本当に体が大変で、普通ならすぐに行けそうなところにすら、行くことが出来なかったのです。
これは、本当に精神的にもどかしいものですね。でも身体が動かないのですから仕方がない。
いかに「行きたいところへ行くという何気ないこと」が普通ではないのだ、、という事を実感させられました。
行きたいところへ行ける、って素晴らしいことです!これは決して当たり前の事ではないのです!
健康であるが故の「奇跡」です。ちょっと大げさだけど。でもホント!
ものが食べられない辛さ
大動脈解離の手術の時は感じなかったのですが(すべてが大変だったので)、
11月の杏林病院の通院の頃、身体も精神もボロボロ状態で、ものが食べらなくなっていました。
内臓ももちろん元気が無くて、胃腸も痛いし、食欲というものが一切無くなったのです。この私が!!
どう表現したらいいのでしょう。
食べる気力もなく、食欲も無く、身体も気持ちも動かない。辛かったです。。。
ものが食べられるって、本当にすごい事だ!と実感しました。
食べられる自分になりたい・・・とあの時は切実に思いました。
太ろうが何であろうが、食べられるようになりたい!…と。
ちょっとぐらい太っても、ものが食べられる方が何百倍良い!・・・あの時は切実にそう思いました。
今は、ちょっと食欲を控えた方がいい感じなのですが・・・(笑)
お手伝い出来ない身体
日赤病院のタリーズコーヒーで一息ついていた時、
車椅子の人が段差で進めなくて店内から出られなくなっていました。
お手伝いしよう!と立ち上がりかけて・・・
あ!・・・今の自分は車椅子を持ちあげるお手伝いが出来る身体じゃないんだ!ということに気が付きました。
そっか・・・身体が利かないと、ちょっとしたお手伝いすら出来なくなるんだ。。。。
気持ちがあっても身体がちゃんとしていないと、何も出来ないというもどかしさ。
今の自分は、お手伝い「する側」から「される側」になったという事を実感させられた瞬間でした。
やはり、健康が一番大事。去年一年かけて、改めて思い知らされたことでした。
記録として残しておきたくて書き始めた備忘録、2023病院日記。
これにて終了致します。
最後まで読んで下さり、ありがとうございました! 感謝!!!
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