昨年2023年2月8日夜、路上で大動脈解離に倒れ武蔵野赤十字病院へ救急搬送。2月9日深夜0時から緊急大手術、2月10日GICUで麻酔から覚醒。3月退院。その後、5月に胸が腫れる感染性合併症を併発。9月と10月に2回追加手術を受け、現在に至る。1年経過を機に「2023病院日記」と題して備忘録を書きます。

 

第二期 5月感染性合併症発症と再手術
 
5/14 胸の腫れに気が付く 痛い
5/15 病院にTEL 外来診察の予約取る
5/17 外来診察 注射器で処置
5/22 診察 更に腫れて来た部分を処置
526  診察 更に腫れたのでメス入れ処置
5/29 6/1 診察 処置
6/5~7/12 毎週1回外来処置
8/9 半年検診
8/30 診察 9/1に入院・手術を決める
9/1  入院&再手術
9/20 退院

 

  胸骨ワイヤー抜去手術

まず、どういう手術を何のために行うのか?をご説明致します。

 

「腫れる」という事は、菌があるから。菌により炎症が起こって腫れるわけです。

その菌の原因がどこにあるのか。その原因を取り除かないと菌はなくなりませんし、腫れも治まらない。

おそらくその原因が、大動脈解離の手術の為に裂いた胸骨を固定するために使っている(胸骨を巻いている)ワイヤーにあるであろうと推測。

そこで、そのワイヤーを抜去する(取り除く)手術をしましょう、という話です。

 

簡単に言うけれど、

もう一度胸にメスを入れて、骨に巻き付いているものを取り除こうっていうのだから、やはり立派な手術です。

やはり身体への負担はあります。

 

  手術室は外科医の日常

しかして、歩いてたどり着いた先は手術室。冷たい感じの無機質な空間を勝手にイメージしていた私は、良い意味で裏切られました。

なんというか、カジュアルですごく人間的で特別感の 無い 空間でした。そこには「普通の日常」がありました。

 

そうなのです、外科医にとっては、ここが仕事場なのですよね。

患者側からしたら特別な、『非日常』極まりない空間ですが、外科医にとっては一番の腕を発揮する『日常の』仕事場なのです。それが一瞬にして感覚的に理解出来ました。そしたら恐怖感はなくなりました。

 

いくつかある手術室の一部屋に「は~い、この部屋に入って~。あのベッドに寝て下さいね~」と言われて入った手術室の中にあったベッドは、細身の小さい?ベッド。

「えー、手術のベッドって、こんな細くて小さいんですかぁ?」と思わず聞いちゃいました。

どんな巨漢の人でもこのベッドで手術するのだそうです。大丈夫なの?落っこちない?とちょっと不安になりましたが。

 

ベッド(手術台)に自分で乗って寝て、血圧測定器など、手術中に必要な機器を装着されて、手術の様子が見えないように顔の前を布のようなもので遮断されて、いよいよ先生の登場!

 

「はい、じゃ根來さ~ん、始めますかねぇ」…先生、ノリが軽い!軽すぎる!(笑) そっか、先生の日常だもんね、と変に納得する私。この時点で私、かなりのハイテンション(笑) だって、初めての事だらけで面白すぎるんですもの!

 

・・・そして、いよいよ恐怖の超絶絶叫手術が始まるのでした。

 

  超絶痛かった胸骨ワイヤー抜去手術

先生の姿も手術の様子ももちろん見えないようになっています。その分、どうしても気配と聴覚をびんびんに研ぎ澄ましてしまう、私の悪い癖。

 

まずは、麻酔の注射💉。ここからして超絶痛かったです。

後から知ったのですが、麻酔注射は必ずしも痛い物ではないらしいのです。炎症の度合いで痛みの感じ方が変わるそうで、やはり炎症が強かったので痛みを強く感じたらしいです。

 

そしていよいよ「メス」。

テレビドラマみたいに医師が「メス」っていうとその脇に居る人がさっと差し出す…みたいなのをイメージしていたのですが、現実は、先生が自分でメスを取ってさっさと切り始めました。

さすがに麻酔をしているから、メスを入れるところは痛みは感じなかったのですが、そのメスがぐいぐいと中に入っていくに従ってぐいぐいと痛みが襲って来ましたぁ~!

 

「ぎゃぁ~~~痛い!そこ超絶痛いですぅーーー!」と、そこから絶叫の嵐となりました。

私は「歌手」」なので、普段から声を守るために極力叫ぶことをしないように心がけています。

〇〇ランドみたいなところへ行ってジェットコースターなどに乗っても、絶対に声を出さないように足を踏ん張って口を閉じて声は出しません!そこは徹底しています。ところが・・・

 

もうそんな余裕は無かった。

「痛い!そこ『ズキン』とする痛さです」「いった~~い!『ズン』と来る痛さですぅ」

「う~~~痛!!その痛み、身体中にドンと来るーーー!」・・・などなどetc・・・

頼まれた訳でもないのに、感じる痛みの種類をいろんな言葉にして叫んで医師に伝えていました。(笑) 

 

ちょっと軽く一休みの時に「こんなに叫ぶ患者さんていないですよね」と言ったら

「いや~皆さん叫んでいますよ」だそうで。やっぱり?ですよね!この痛みは黙ってなんていられないですよね!!

途中で麻酔を追加しながらでしたが、一向に痛みは軽減されない。全然麻酔なんて効いていなく感じましたが、でももし麻酔しなかったらこんなものではないのでしょうね。麻酔しても気絶寸前でしたが、麻酔が無ければ一発で気絶しますね。

 

後から聞いたのですが「実はねぇ~、骨って麻酔が効かないんですよ。」だって。。。先に言え~~~!(笑)

「ね、センセ、骨も少し削ったでしょ?・・・」「うん、ちょっとね…」・・・やっぱりーーー! !

一回全く質の違う痛さがあったのですよ。おかしいなと思っていたのですが、アレが骨を削った時の痛さだったのかぁ~!・・・

外科医、恐るべし。

 

途中で看護師さんが「大丈夫ですか?」って声をかけて下さるのですが、心の中で「大丈夫な訳ねーだろうー!」と叫んでいました。(笑)

「深呼吸して~」って何回もいわれるのですが、それも「だから痛すぎてそれすら出来ないんだってばぁ~!(怒)」←心の声

 

実は手術していた医師は、竹下先生ともう一人いらっしゃいました。声で分かりますよね。

途中で「もしかして、もうおひとり聞こえるお声は、丸野先生でいらしゃいますか?」と私から問いかけました。

そう、病院のHPで心臓血管外科の医師としてもうおひとりの医師のお名前があったので、多分その人だな、と思ったので。

そしたら「はい。丸野と申します。宜しくお願いします」って、顔を出して(見せて)下さいました。

「丸野先生、良いお声ですね~」「え?そうですか?そんなこと言われたの初めてですよ」などという世間話を挟みつつ。

(後日、丸野先生はピアノをお弾きになると分かり「え~先生、良いお声だから、声楽やりませんかぁ?」…なんて会話も致しました)

 

痛かったけど、そんな感じで、二人の医師と会話しながらの楽しい(笑)?手術でした。

手術時間90分越えで、喉カラカラ・・・さすがに声が枯れましたが・・・

 

取り外したワイヤーも見せて頂きました。

本当に針金みたいなもので胸骨を巻いているのですね。取り外したのは1個だけでしたが、他にもいくつか留めてあるわけで、このワイヤーは一生体の中に入ったままで生きて行くかぁ、と実感しましたね。

 

そんな絶叫手術も無事終わり、術後はさすがにストレッチャーに乗せて頂いて病室に戻り、お待ちかねの夕食にありつけました。

 

おそらく点滴で、抗生剤や痛み止めを入れていたのでしょう。

まぁ、術後の痛みといわれても、この手術より痛いことはもう今後無いでしょう。。。と思っていたのですが、、、

 

また翌月に同じ痛みを味わうことになるとはこの時は知る由もありませんでした。

 

 

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