仙台短篇映画祭 part2 | COLORweb学生編集部

仙台短篇映画祭 part2

今年で14年目を迎えた「仙台短篇映画祭」。私たちは、開催の二日目に取材を行い、たくさんの作品に触れて来ました。
今回、part2では濱口竜介監督の作品・インタビューと俳優の染谷将太さんが監督・主演を務めた「シミラーバットディファレント」についてお届けし、短篇映画祭の魅力を伝えたいと思います!



私たちが会場のメディアテークに着き、最初に見た映画が濱口監督の作品でした。どんな映画なのだろう??とドキドキしながら鑑賞しました。



Dance for Nothing
神戸で撮影されたダンスをテーマにした、ドキュメンタリーです。街も人も物もつねに動いている。それが踊りに似ていると感じたことから、作られた作品だそうです。映画の中で踊られているダンスは、私たちが普段目にするようなダンスとは少し違っていて印象的だったのですが、濱口監督は、ダンスは生まれてくるためにするためのものと考えていて、踊りが目覚めそうな瞬間を意識して撮ったそうです。また、画と音声がシンクロしていないシーンもあったのですが、映像も音声も踊っていなければならないと、あえてその手法を使ったそうです。こだわりがたくさん詰まっている作品だなと感じました。


不気味なものの肌に触れる
このタイトルとても惹かれませんか?斗吾の暮らす町に、弟・千尋が引っ越してきたことから、不穏なことが起き始める、という内容です。物事が確信に至る手前を表現したかったそうです。作品全体に不思議な雰囲気が漂っていて、なかなか展開が読めず、どうなるのだろう?とのめり込んでしまいました。また、この作品は来年公開予定の『FLOODS』という長編映画の前フリとなっているそうなので、ぜひそちらもと思いました。


どちらの作品も独特な世界観が広がっていて、私はすっかり魅了されてしまいました。濱口監督は、東日本大震災後のインタビューを基に「なみのおと」「なみのこえ」を製作し、震災後も仙台に留まるなど東北にもとてもゆかりのある方で、現在は神戸を拠点に活動している監督です。そんな濱口監督から、映画関係にたずさわりたいという夢を持つ学生に向けてアドバイスが!「とにかくたくさんの映像を見ること。映画に関わる機材の勉強もしておくことですね。あとは、カメラを向ける先の暮らしを見ること」と話してくださいました。
とても、気さくにインタビューを受けてくださった濱口監督。ありがとうございました。『FLOODS』も楽しみにしています!





あっという間に時間が過ぎ、今日最後の映画「シミラーバットディファレント」の上映時間に。今回、仙台特別ヴァージョンで上映されるとともに、監督・主演の染谷将太さん、劇中の音楽を担当した仙台出身の作曲家・ピアニストである渡邊琢磨さんが登壇されるということで、私たちはテンションも上がり気味でした。

この作品は、“似ているけど、どこか違っている”そんな、ある男女の関係が繊細に描かれています。二人の間にはあまり会話が無いのですが、でもお互い必要とし合っている感じがともてよく伝わってきました。上映後は、おまちかね、染谷将太さん、渡邊琢磨さんが登壇!トークショーや質問タイムを終え、本日二度目となるシミラーバットディファレントの上映がスタート。ここではなんと、染谷さんが映画に合わせてナレーション、渡邊さんがピアノの生演奏をするという豪華な演出が!さすが仙台特別ヴァージョンですね。普段とはまた一味違った雰囲気で、心地良いピアノの音ともに、楽しむことが出来ました。




たくさんの映画に触れることが出来る。なんといってもそれが短篇映画祭の魅力ではないでしょうか。来年は、どんな素敵な映画に会えるのか?楽しみですね!みなさん、ぜひ会場に足を運びお気に入りの作品を見つけて下さいね。



Writer:ななみ
Photo:いっくん