仙台短篇映画祭 part1 | COLORweb学生編集部

仙台短篇映画祭 part1

11月1日~3日の3日間、せんだいメディアテークで仙台短篇映画祭が開催されました。
COLORweb学生編集部は開催2日目に短篇映画祭で取材を行ってきました!


-今日しか会えない映画がある-
仙台短篇映画祭とは、せんだいメディアテークで開催されている短篇映画を中心とした映画祭です。普段はスクリーンで上映されることの少ない「短篇映画」を、多くの人たちに見てもらいたいという思いから2001年にはじめて開催され、今年14年目を迎えました。
日本映画を牽引する若手監督をはじめ、公募プログラム、バリアフリープログラム、在仙高校生が制作した映画など沢山のジャンル、年代の映画を見ることができます。
短い時間の中に喜怒哀楽の様々なドラマが凝縮され、ショートフィルムの世界に吸い込まれます。




数々のプログラムがある中で、私たちは、
高校生企画『U-18! 仙台の高校生が魅せる、熱い映画たち』に注目しました!高校生応援企画として組み込まれていて、学校PRの場としても活用されています。この企画で東北生活文化大学高等学校の美術・デザイン科の生徒とタッグを組んだのが片岡翔監督です。
片岡監督は、宮崎あおいと向井理さんの主演映画、「きいろいゾウ」の脚本を担当し、今年「1/11じゅういちぶんのいち」で商業デビューをした現在活躍中の監督です。2013年から東北生活文化大学高等学校で短編映画製作のワークショップを行っています。
今年の映画のテーマは「告白」。告白には恋愛の告白、物事を相手に打ち明ける告白-といった様々な意味があり、広がりのある言葉です。
高校生たちが、様々な告白をショートムービーで魅せてくれました。ここで4つの作品を紹介します!


かみひこうき 監督:佐藤幸
恋愛のもつれから友情に切れ目が入り始める。言い争いの中、階段のてっぺんから階段下のロッカーへスクールバックを投げるシーンはとても迫力がありました。このシーンは何度も取り直したそうで、スタッフのこだわりのあるお気に入りのシーンだそうです。


ポテチ 監督:岡崎千晴
告白したが振られ、ポテチをやけ食いしているとポテチの精が現れる。脚本の担当者がコーヒーを飲みながら脚本を書いているときにポテチが食べたくなりこの物語が出来たそうです。非現実的でコミカルな脚本家の独特の世界観に吸い込まれた映画でした。


あきはれ 監督:菅野かおる
進路に悩む主人公はクラスメートのある女の子が気になっていて、毎日一人図書館で本を読む彼女に声をかける。共に過ごすうちに彼女はある秘密を打ち明ける。誰もが通る進路の悩み。大きな夢を持つ彼女の存在が、主人公の気持ちを変化させていくところに見ごたえがありました。


あの娘の席 
この作品は片岡監督が脚本・監督を手がけた作品です。放課後の教室、何かを思うような儚げな表情で自分の席に頬を寄せるクラスメート。物語に出てくる3人の、すれ違うもどかしい恋心。片岡監督がこだわったという最後の3人の表情から恋の儚さが伝わってきました。


どの作品も本当に高校生が作ったの…?と感じてしまうような内容の濃い作品ばかりでした。そして4つの作品を見たあとに、片岡監督へお話しを伺いました!




片岡監督:
ワークショップでは、生徒たちに映画の作り方を教え、内容面ではあまり口を出さないようにしているので、高校生たちの縛られない発想に驚きながら、僕自身もとても刺激をもらっています。そしてみんな積極的でどんどん成長していくので今後がとても楽しみです。
「あの子の席」は生徒たちと一緒に作ったのですが、プロの現場と同じような本気の姿勢でのぞみました。生徒たちはみんな真剣の取り組みつつ、とても楽しんでくれていたようなので、お互いにとって素晴らしい体験になったと思っています。
今後は、大人から子供まで多くの人に楽しんでもらえる映画を作っていきたいです。





高校生の作品を見て最初に思ったのは、演じている高校生の演技が上手だということです。感情がむき出しになるシーンも、その演技によって映画に引き込まれました。物語の内容から、恋愛や進路といった高校生特有のもどかしさが伝わってきて、高校生時代を思い出した人もいたのではないのでしょうか。高校生たちは普段は友達同士。でも映画の中では監督と脚本家、演じる人。
映画に私情をはさまないために、監督の時は敬語で会話をした、と話してくれた方もいました。そんな努力があって良い作品ができるのだなと思いました。初めて短篇映画祭に行きましたが、たくさんの映画に触れることができ、とても楽しむことができました!



短篇映画祭②では同じく短篇映画祭二日目のDプログラム、
「Dance for Nothing」「不気味なものの肌に触れる」の濱口監督にお話を伺ってきました。
後半の記事もぜひご覧ください!

                               

Writer:かりん
Photo:いっくん