Student Collection~頑張っている学生を紹介!~vol.5 | COLORweb学生編集部

Student Collection~頑張っている学生を紹介!~vol.5

仙台は学生の街とも呼ばれるほどたくさんの学校があり、たくさんの学生が勉学はもちろんのこと、スポーツに、ファッションに、音楽に・・・それぞれの夢に向かって頑張っています。

そんな頑張っている学生にスポットを当てる、それがStudent Collectionです。


今回ご紹介するのは、東北学院大学4年の近藤雅峻(コンドウマサタカ)さんです。

カラー調査部

彼は「旅」をすることで、自分と向き合ってきました。
その旅は日本国内だけでなく、海を越え東南アジアにも及びます。

なぜ、自分を知るために「旅」をすることを決めたのでしょうか?

■つまらない日常からの脱却
「高校まで野球中心の生活だったのが、大学入ってからそうでなくなって、毎日が物足りなくて仕方なかったんです。遊んで遊んで遊尽くしたけど、遊びでは埋まらなかった。遊んでは考え込んで疲れて、でも次の日また遊んで……そんな毎日で日に日に不満が募るばかりでした。それでも大学に通っていたのは“教師になる”という目標がったからなんです。でもあることがきっかけで諦めてしまいました。そこからまた更にフラストレーション貯まる一方です。」
学生生活を、遊び若しくはアルバイトに明け暮れる、すべての学生が当てはまるわけではありませんが、これが今の“日本の大学生”の実態です。近藤さんも大学入学当初はその一人でした。
「どうしたらこのつまらない毎日から抜け出せるか?」そう考える日々を送っていたようです。


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「そんな時、知り合いを通じてある人に出会うことができました。とてもカッコイイ人で、話すこと一つひとつが魅力的でした。その人は俺の悩みを聞いて、若い頃の自分にそっくりだと言っていました。だからこそ、今ままで自分がしたことのないことに挑戦してみることを勧めてくれたんです。」
“つまらない毎日”からの脱却への一歩。それは「憧れ」もありそして、挑戦することで腐った自分を変えられるんじゃないかと思えたと近藤さん言っていました。

■常識の、外へ

「彼の話を聞いていて、目標なくただ敷かれたレールに沿って歩いている自分に気づきました。無理かもしれない……でもやってみたい、そんな思いが起こるようになりました。
常識を変えてくれる出会いが日本のどこかにあるかもしれない。ハッとするような人に出会えると思ったんです。でも思い立ったのは良かったけど、周囲から猛反対されてしまって。それでも1年前から行くと決めたので、この決心は揺らぐことなく反対を押し切って旅に出ました。」
“常識を変える出会い”を求めて旅に出た近藤さん。旅は電車とヒッチハイクで行われたようです。それまでに沢山の方々と出会えたと懐かしそうに語っていました。

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「旅は鹿児島の本土最南端と言われる佐多岬に向かってました。それまでに色んなところを回って色んな人に出会いました。中でも三重県伊勢市は特別です。そこにはとても魅力的な人たちとの出会いが待っていました。ユーラシア大陸を自転車で縦断した男性、人力車で日本を一周した男性、など本当に運命的なタイミングで、彼らとひとつの場所で会うことができました。
彼らと別れた後、一人電車に揺らされながらボーっと今までのことを振り返っていたら、突然涙が溢れてきたんです。ひと目も気にせずボロッボロに泣いてしまいました。なぜ泣いたかは今でもよくわからないんです。ただ、言葉が天から降ってきたような感覚がしたんです。今まで自分が追い求めていたことがわかって一気に肩の力が抜けたように感じました。そして、佐多岬に無事到着することができました。」


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■違う世界で見えた日本の姿。


「初海外で他の国とは一味違うと聞いていたインドに渡航。
話に聞いてた通り、いや、それ以上にカオスな世界。
しかし、それは日本の価値観だから。そこではそれが常識。常識が壊れた瞬間でした。常識が壊れた瞬間を何度味わってもわくわくが止まりません。

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海外に出て、見てるこっちが恥ずかしくなるくらい屈託なく笑う人たちにたくさん出会いました。知らない人同士でも仲良く談笑してる姿もたくさん目にしました。この光景は日本にはあまりない光景だと思います。人が精神的にも近くにいる安心感。今の日本に必要なことじゃないのかなぁと思いました。

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当然ですがそういった『光』の部分もあれば、もちろん『影』の部分もあります。物乞いと呼ばれる人たちや今にも死にそうな人たちにもたくさんたくさん会いました。
その度に様々なことを考えました。
しかし物乞いと呼ばれる彼らの目は絶望の目ではなく、生きるために必死という力強さを感じました。物が無くても必死に生きる人たち。物が溢れてても自ら死を選ぶ人たち。
自分も含めてもっともっと考えなければならないですね。」

日本とは全く違う環境で見えた、日本の現実。いわゆる発展途上だと言われている国に身を置くことでその国での現状を見ることができました。物はなくても、表情から溢れる充足感。彼らの現実を通じ、今自分が住んでいる国の現状がわかってきたと近藤さんは言いっていました


■“頑張る”んじゃくて“楽しむ”んだ

「日常生活の中で落ち込んだり失敗したりしたときに励まそうとして言われる“頑張れ”に疑問を持った。
親や友人は良かれと思って言っているのだろうけど、それが言われた本人には相当なプレッシャーやストレスになる。
誰に相談しても『頑張れ頑張れ』
使い方次第ですが、自分は“頑張れ”という言葉はあまり好きじゃないです。
頑張ってる自分は無理をしている自分だと思います。
でも楽しんでる自分は等身大の自分なんじゃないのかなって…
という意味で“頑張れ”と言うんだったら“楽しむ”って言葉を言いたい。

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東北の学生は消極的だけど、何か新しいこと始めるにあたって、頑張らなくていいんです。楽しむことさえできれば、もっと自分の世界感を広げられるはずです。僕がこうして自分を変えたように、東北の学生にはもっといろんな世界を見て沢山の経験を積んで欲しいなぁって思います。
そういう僕もまだまだ世界を見るつもりですけどね。」
最後にはにかみながらも、こう語ってくれました。



“頑張る”から“楽しむ”。そう気持ちを変えることが今の日本に必要じゃないのでしょうか。
そしてそれは必ず自分を救い、そして成長させる。

今色々なことに追われている人も、そうでない人も一度歩みを止めて、自分に聞いてみてください。
「今、楽しい?」って。

そしてまた歩き始めてみてください。その足取りは、きっと今までと違っているはずです。

今を、楽しもう。


Writer:くぼたつ
Photo:ちーやん