仙台いろはvol.5~「ほ」そやのサンド
仙台は美味しいもの、偉大な人物、素敵な観光地が数多く存在する都市です。
多くの人に宮城・仙台の良さをもっと知ってもらいたい、仙台の基本から応用まで、いろんなあれこれを皆に知ってもらいたい!
そうして立ち上がったのがこの企画、その名も「仙台いろは」。
宮城・仙台の魅力あるモノ・ヒト・コトをいろは順に紹介していきます。
前回の「に」>>西公園 に引き続き、
今回は「ほそやのサンド」です!!!
元祖ハンバーガーショップとして全国的に有名なほそやさん。
仙台にもこんなお店があるなんて驚きですよね。
今回はそんなほそやさんにお邪魔してきました!
■ほそやのハンバーガー
国分町の虎屋横丁のアーチをくぐり抜け、少し進むと周りのお店とは違って喫茶店然とした店があります。
こちらが「ほそやのサンド」です。
お店の前でダンディ君がお出迎えしてくれるのでとてもわかりやすいですよ!
お店に入って早速、ハンバーガーを注文しました。
注文すると、その場でパテを焼き始めました。肉を焼く芳しい香りに包まれ待つこと5分弱。
来ました、元祖ハンバーガー!
無駄のないすっきりとした佇まい。これこそハンバーガーのあるべき姿なんですね。
さて、気になるお味は……。
ケチャップソースとオニオンスライス以外何も足さないシンプルな味でした。
そして、焼き立てで厚めのパテがやさしく口の中に広がります。
素朴ながらしっかりとした味わいでした。
ほそやさんと聞けばハンバーガーですが、実はこだわりの一品はハンバーガーだけではないんです。
もうひとつの柱、それは……コーヒー!
深めのローストながらも、かすかな酸味に穏やかなコク。ボディがしっかりしているのでハンバーガーと合わせても負けることなく、しっかりと味わうことができました。
このコーヒーはグアテマラをベースとした、ほそやオリジナルのブレンドだそうです。その他の豆の配合は……おっと、これは企業秘密ということで。
ほそやさんに来た際はハンバーガーだけでなく、ぜひコーヒーも頼んでみてくださいね!
■ゆっくりと流れる時間、そこに詰まった歴史たち
店内中に飾られたユニークな小物たち。
シンプルなハンバーガーとは打って変わって店内は独特な雰囲気に包まれていました。
まるで、昭和時代で時間がゆっくりと流れているかのような感覚。
ハンバーガーショップというよりはまるで古き良き喫茶店のようだと感じました。
年季の入った小物、数々のハンバーガーの本。
そして、ほそやさんの記事のクリッピング。
ここには、1950年に創業してから「ほそやのサンド」が歩んできた歴史が詰まっていました。
ほそやさんの始まりは今からおよそ60年前の1950年。
創業者の細谷正志氏は山形の東根にある米軍基地で働いていました。
そこの食堂で口にしたハンバーガーこそが創業のきっかけでした。
この出会いこそが日本のハンバーガー史の始まりだったのかもしれません。
バンズにハンバーグや野菜をサンドしただけというシンプルさと、
様々な栄養価を一挙に摂取できる効率の良さ、
そして何よりもこの美味しさに、細谷正志氏はカルチャーショックを受けたそうです。
基地で働いていた日本人シェフにレシピを教わった細谷正志氏は、苦竹の米軍キャンプ地付近に1号店をオープン。当時は駐留していた米兵さんたちで賑わっていたと、2代目オーナーの細谷正弘さんはおっしゃいます。
そして、国分町のこちらにオープンし、仙台民お馴染みのハンバーガー屋さんになりました。
元々は喫茶店をルーツとしているため、その名残で店内は凝ったインテリアに囲まれ、お洒落で落ち着いた空間になっています。
細谷正志氏が無類のゴルフ好きであったため、歴代のクラブが飾られていました。
またループタイのコレクターとしての一面もあり、自慢のコレクションがズラーっと。
店内には、お店の歴史だけでなく、創業者の歴史、そしてハンバーガーの歴史がギュッと詰められていました。
そしてこの中に身を置くことで、その長い年月を肌で感じることができました。
普段何気なく食べていたハンバーガーにもこうして歩んできた歴史があるんですね。
そして、それが形としてここ仙台の地に「ほそやのサンド」として今もまだこの歴史が続いているとうことがとても誇らしいことだと思いました。
みなさんもぜひ、ハンバーガーの歴史を体感してみてはいかが?
「ほそやのサンド」
〒980-0803
宮城県仙台市青葉区国分町2丁目10-7 大内ビル 1F
022-223-9228
[月~土]11:30~22:00
[日・祝]11:30~20:00
Writer:くぼたつ
Photo:あかさか、くぼたつ