The story of your hands.~働く人の手を大調査!~ Vol.6 | COLORweb学生編集部

The story of your hands.~働く人の手を大調査!~ Vol.6


あなたはどんな手をしていますか?

やわらかい手、ごつごつした手、すらっとした手、傷だらけの手、力強い手。
人の手、そこには、その人の生き方が現れてくる。

手から、その人の暮らしやこだわり、内面までも探る連載企画「The story of your hands」。
第6回の「手」は、彫金師の千田 茂(ちだ しげる)さんです。
くぼたつのレポートでお楽しみください。





■筋骨(きんこつ)隆々(りゅうりゅう)とした“男”らしい手

<千田さんは、『pixie dust (ピクシー ダスト)』というご自分のお店で、真鍮(しんちゅう)やシルバーといった金属を使い、アクセサリーの製造・販売を行っています。
扱うものが金属ということもあり、鍛え抜かれたその手を見て、深く感銘を受けました。


カラー調査部


堅固な骨が、引き締まった筋肉に覆われ、その上を血管が脈々と張り巡っています。
そして更に大きな掌。まさに“男”の手です。

一見力強い印象を受けるものの、どこか繊細な印象も。なんとも不思議な雰囲気が漂っています。金属は固いものでもあり、デリケートなものでもあります。加工する上では、力加減が重要になってくるそうです。その絶妙な力の強弱から、この力強さと繊細さの両方を兼ね備えた手が生まれたのかもしれませんね。


■静かに存在感を発する、作品たち

千田さんの作品がこちら。

この作品たちを見ると、まるでここで会うのが当然だったかのような、どこかで会ったことがあるかのような不思議な感覚に襲われました。

「懐かしい」―――そんな言葉が頭に浮かびました。


カラー調査部


メッセージの刻まれたメタルプレート、何かを形どったモチーフペンダントが首周にしっくりと馴染みます。真鍮の落ち着いた色合い、どんな服装にも相性よく、軽いので疲れることがないのが魅力です。
メッセージプレートの言葉は、著名人たちの名言から、漫画のセリフまであり、バリエーションが豊かです。


カラー調査部


また、バングルやリングも作成していらっしゃいます。無骨にも見えるデザインの中にひと工夫が施されており、指や手首に心地よくフィットします。


カラー調査部

金属だけでなく、ビーズをあしらった色鮮やかなものも。
力強いものが多く見受けられましたが、このように細やかで美しい作品もありました。

作品は受注制作がメインです。色んなオーダーがあっても同じものはないところが楽しいとお話していました。時にはエンゲージリングのような一生大事に身につけるものをオーダーされる時も。世界に一つのエンゲージリングは更に想い出深いものになりそうです。



■ただただ、「前を見ていく」


しばらく店内の眺めていると、あちらこちらに“あるもの”を見かけました。
それは……


カラー調査部



そう、「トンボ」です。

改めて店内を見渡すとあちらこちらを飛び回っていました。



カラー調査部


床のようなこんな低いところにも。



カラー調査部


千田さんの指で羽休め。

 




店内を自由気ままに飛び回る「トンボ」の謎がとても気になります。

この「トンボ」にはどんな思いが込められているのか、そしてなぜ「トンボ」なのか聞いてみました。




カラー調査部


「実は僕、東京事変のファンでして。あのバンドみたいにアニマルシンボルを持つことに憧れていたんです。そこで、自分のイメージに合って、他人と被らないものって考えた末、 トンボにしました。知ってますか?トンボって“勝ち虫”って呼ばれてるんです。常に前を向いて後ろを退かないところが武士たちに大変喜ばれたとか。そういう前向きなところが僕にぴったりだと思ったんですよ。あと負けず嫌いなところとかが。過去を省みない、常に前へ進む自分でいたいですね。」


前向きで、負けず嫌いという共通点を「トンボ」から見出した、千田さん。
その理由を聴く中で悠々と空を飛ぶ「トンボ」のように、自由にお話をする姿が確かにとてもぴったりだと思いました。





■若者よ、夢を持って。


聞いて驚いたのですが、千田さんのアクセサリー作りに関しての知識や技術は殆ど独学で培ったものだそう。もともとは学生時代に作ったアクセサリーをご友人に渡した時にとても喜んでもらった経験が今の生きる道の原点だとおっしゃっていました
学生時代に、就職活動をすることが普通だということに疑問を持ち、そこから自分ができることを考えた結果、今の道をを歩むことになったそうです。「僕の作るもので、すごいって言ってもらったり、喜んでもらうのが何よりも幸せなんですよ」と笑顔で話す千田さん。



カラー調査部



「僕は今の若い人たちには夢を持って生きていって欲しい。何をやるにも夢を持って取り組むと必ずいいことがあるんですよ。確かに就職することは大事です。でも自分のやりたいことに向かって突き進むことも悪くないですよ。就職するにせよ、自分の道を突き進むにせよ、僕は「夢」を持って人生を過ごして欲しいです。若いからこそできることもあるってことを知っていてもらえればいいな」


―――「夢」を持つ。その感覚は年を重ねるごとに薄れてゆく気がします。それは、私たちが「現実」に近づくにつれて、無意識のうちに諦めているのからなのかもしれません。
「夢」を持つことの大切さを教えていただきました。
「夢」に向かって前を向き、歩みを進める意思を持つことが今の私たちには必要なのかもしれませんね。




気が引き締まるお話から、お腹を抱えて笑ってしまうお話まで、話題が尽きることなく、とても楽しくお話することができました。
千田さんから、一人の人間としてそして大人として、大切なメッセージをいただきました。このメッセージを胸に、これからの人生を力強く生きていこう、そう思えたひとときでした。





皆さん、お楽しみ頂けたでしょうか。
記事を読んでのご感想、お待ちしています!



次回の「The story of your hands」もお楽しみに!



カラー調査部



『pixie dust (ピクシー ダスト)』

PLACE:〒980-0803 宮城県仙台市青葉区国分町1丁目3-13 遠藤ビル301
TEL:022-265-9439
MAIL:oniyanma828@gmail.com
facebook:http://www.facebook.com/oniyanma0828