The story of your hands.~働く人の手を大調査!~

あなたはどんな手をしていますか?
傷だらけの手、ごつごつした手、すらっとした手、やわらかい手、力強い手。
人の手は、そこに、その人の生き方が現れてくる。
人の手から、その人の暮らしやこだわり、内面までも探る連載企画「The story of your hands.」
記念すべき1回目の「手」は宮城県白石市を拠点にイスやテーブルなど生活用品を作るワタナベケイタさん。
モノづくりを営むワタナベさんの手は、はたしてどんな手なのでしょうか。
たんちゃんのレポートでお楽しみください!
■思った以上に、きれいな手

白石市を拠点にモノづくりを行うワタナベケイタさん。
24歳のころからモノづくりを始めたワタナベさんは、平日は不動産の仕事をしながら、週末や夜の時間を使って、イスやテーブルなど木工を中心にモノづくりを行っています。
木を素材に制作を行う方なので、手も傷だらけなんじゃないかな、なんて思っていましたが、実際にお会いして手を見せていただくと、意外にもきれいなすらっとした手。
もっと傷だらけの手かと思っていました、と伺うと「特に気にしているわけではないんですが、あまり怪我はしませんね」とワタナベさん。
「丁寧なモノづくりは心掛けているので、あまり怪我などもしないのかもしれません。お客様からの注文品であったり、使う人のことを考えると、制作途中に怪我なんかしていられませんよね」
■人が興味を持たないものに、興味を持つ
「小さい頃から、古木や石、捨てられた小瓶など、人が興味を持たないものに興味を持つ子供でした」モノづくりの原点を語ってくれたワタナベさん。取材で伺った自宅には今でも拾った小瓶や流木を磨いたものなどが置かれていました。
「子供の頃から変わらず、今でもそういったものが好きなんですよね。先日も庭を掃除していたら古い薬瓶が落ちていて」と、つい最近拾った瓶を見せてくれました。
ワタナベさんのこだわりは“道具としてシンプルな形にして、作りたいものを作る”こと。
人に必要とされるもの、欲しいと思われるものを作っているそう。
小さい頃からの、独特の視点が制作にも活かされているように感じました。

■モノを作る人、というこだわり
ワタナベさんは木工職人さんなんですか?と伺いました。
「今は木工をメインにしていますが、木工職人ではないですね。木工に囚われず自分が欲しいと思う“モノ”を作っています。自分が良いと感じるものは、木工職人の世界で良いとされるものとは限らない。木工という言葉に囚われずものを作りたいという気持ちと、木工職人に対する敬意の気持ちがあるので、自分のことは木工職人だとは思っていません」
ワタナベさんは、木工職人への敬意をはらい、自身のこだわりをしっかりと考えて、モノを作る人であることにこだわっていらっしゃいました。

■築100年の民家を自らリフォーム
ワタナベさんは今、自らリフォームを手がけた、築100年を超えた民家に暮らしています。
築100年とは言っても、いわゆる古民家ではなく、あくまでも普通の平屋住宅。
「古民家をリフォームしている方達はたくさんいらっしゃいますが、僕が手がけたいのは古い普通の住宅をリフォームして、暮らせるようにすることなんです」
そんなワタナベさんの家は、自分で内装のデザインなどを行い、本職の大工や友人達の力を借りながらも、2年をかけてリフォーム。キッチンの引き出しや戸棚は、ワタナベさんが手作りしたものなんです。


ワタナベさんの家は6月にオープンハウスとして一般開放するそうです。
詳しくはhttp://tripinterior.blog73.fc2.com/をご覧ください。
リフォームの様子なども見ることができます。
モノづくりをする人の手には、沢山のストーリーが詰まっていましたね。
手には1人1人の生き方が表れているのだと、改めて実感しました。
これからも働く人の手を調査していきますので、乞うご期待!