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12Dec
- ＜春＞のあるある（４）黄色の見方
  ◆＜春＞のあるある（４）黄色の見方◆投票にご協力を。　一記事ごとに！両方に！クリックをいただけるとブログを続ける推進力となります。　　◆＜春＞のあるある（４）黄色の見方●　続々・黄色黄　＝　緑　＋　赤という光と色の原理について前回、カンタンにお話しました。これについて、補足をしておきます。●　光の原色現実の物体の色を読み取ろうとするときには、必ずしも理論通りにはいきませんが、錐体細胞と原色のごく基本的な部分は、色の読み取り力を高めるうえで、有用です。特に、＜春＞びとは、「光」を、色とからめて味方につけることが重要ですから、以下のイメージは、ステップアップに効くのではないかと思います。さて、「原色」は、ジャンルにより、異なる色目・色調が設定されますが、ここでは単純に、光の三原色としての、赤、緑、青、色料の三原色としての、マゼンダ、シアン、イエロー、を把握します。ヴィジュアルで、イメージを掴んでください。緑と赤のみが重なる部分は、イエローになっています。光は、混ぜることで明るさを増すので、単純に２つの色光を足すと、それまでよりも明度の高い色になります。・赤は、黄み寄りのそれ・緑は、黄緑に近いそれ・青は、やや紫みのそれを、頭に想定しておきましょう。こういう色調なのは、ディスプレイなどのジャンルにおいて、・「混ぜることで白色（の光）が作れる」・「混ぜ方を変えることで他のだいたいの色が作れる」といった特有の条件付けがあるためです。ここではあくまで、赤＋緑＝黄　をイメージするための参考として使います。●　分解して、黄色を読むここで、黄色を見るとき、やってみていただきたいことがあります。そうです。黄色を、分解して見る、ということです。●　赤を見るとっつきやすい、赤からいくといいでしょう。目の前の「黄色」を呈しているものについて、含まれている赤みが、どの程度、印象を左右しているか、に着目。赤みの比率が増すことで、印象は温かみを増します。今、「黄色」に該当する服は、比較的豊富なので、近くにある他の黄色の布地と、比較すると、赤の量的な差と、それによる印象の差が、はっきりします。●　緑を見る次に、黄色の中に、緑色を見いだすことを、してみてください。色あいによって、やりやすいものとそうでないものがあります。一枚目が見づらければ、二枚目、その次、とトライ。できるできないは、気にしなくていいです。意識するだけで、徐々に目に変化が訪れてきます。●　照明の影響照明を変えると、微妙に色合いが変化します。近場にある、複数の照明の下で、色の変化を確認しつつ、複数の黄色を比較することで、おおよその色合いをつかむといいでしょう。●　もちろん、お顔色チェックもお忘れなく守備範囲にある黄色でも、色あいが異なれば、お姿への影響も、当然に、異なります。レモンカラーに似た印象の、カナリアイエローならば、例えば、肌がまんべんなく白くスッキリして、“すっぴんがキレイ”な印象に。オレンジに近づいたイエローならば、例えば、ほんのりとチーク、ルージュまで差し、薄化粧効果が得られたりします。●　色を分解して読み取るパーソナルカラー理論は、ある色調を伴う色目について、身体的な相性を問うものですから、ベースカラーを構成する部分と、色目を構成する部分とに、分解して色を読む、という視点が、自然、要請されることになります。いったん色を分解する視点を持つと、今度は、２ベースカラーや４シーズンといった垣根を超えて、具体的にどの色合いがどう影響するか、判別できるようになります。様々な黄色に、段階をつけて適切な評価ができると、色使いが自在となります。●　彩度明度を駆使する例えば、彩度彩度と繰り返していますが、それは、クローゼットを100％キンキンに鮮やかな色で作り上げろ、という意味では必ずしもありません。時間や費用の問題、社会生活上適切かという問題、それ以外の価値観を優先すべき場合もあるでしょう。本質は、装いにおいて、彩度を駆使する、ということです。①見かけ彩度を上げるテクニック②彩度を落して、場になじみつつ、顔色を損ねないテクニック現実問題として、この２点が、大切になってきます。物の色は、その物の性質以外に、近くにある他の事物との相関関係に影響されます。ですから、同化や対比、コントラストといった色の現象や、ツヤ・光沢といった光の作用を、しっかりと役立てます。ポイントとなる部分に、しっかりと高彩度を配置すれば、他は、その一部の高彩度にうまく引っ張られてくれる色あい、であればよいわけです。そうすると、「うまく引っ張られてくれる色あい」が、どの辺りか、判断することが必要になってきます。こうしたことまで含めて、彩度明度の内容です。パーソナルカラー理論は、配色の方法論であることをお忘れなく。●　波長と黄色波長の長さに、L（赤）、M（緑）、S（青）の３種の錐体細胞の反応を割り当てて、色覚が成り立っています。「黄色」と知覚されるのは、LとMの錐体コラボによります。つまり、赤錐体と緑錐体の興奮が同程度になり、かつ青錐体が大人しい状態ですね。ゆえに、黄色を呈する波長の光を受け取った場合だけでなく、赤光色と緑光色を一緒に受け取ることでも、黄色が知覚されます。もしも、錐体トリオが完全に同一の動きをしたならば、それが黄の単色光によるのか、赤色光＋緑色光の混ぜものによるのか、区別がつかないことになります。実際問題、完全に同一ということは、考えにくいです。わずかな条件の違いで、錐体トリオの活動は異なり、だからこそ、わたしたちは、一言で「黄色」とくくられる色目のなかにも、多種多様な色調を見い出すことができます。●　服の色を分解すれば、工程が見える服飾品の色を判別するとき、主として、染料の性質を眺めようとしていますが、染料以外の色素が残存していることもあり、漂白や表面加工によっても、目に入る光の刺激は異なります。服は、複雑な工程が素材に積み重なることによって、最終的に、その色を呈しています。色をしっかり見るならば、下処理の良し悪しまで見えます。＜春＞に該当する場合と、撃たれるほどに＜春＞に該当する場合の、差はあります。なぜなら、物を見ることは、色（光）を見ることでしかなく、色（光）を見ることは、事物の質を問うために他ならないからです。低品質高彩度より、品質を上げて彩度を下げた方がいい場合もあります。●　＜春＞びとよいざ黄色の旅へ＜春＞ではなく黄色の話やんと思われたかも知れませんが、＜春＞びとが、黄色を５段活用くらいはして先行してくださらないと、ＰＣは、おまけのティッシュと同じような代物となって、滅びるんですよね。黄色が抜け落ちるのがＹＢアルアルだといいましたが、真っ先に黄色に行かれる方もなかにはいらっしゃり、天才だ…、と思います。話がずれるので明記しませんが、黄色にはお宝が眠っています。＜春＞びとは、理屈ではないんですよね、総じて、直感型です。くだくだ理屈を述べましたが、この理屈を、理屈としてではなく、直感的に受け止めて、ピーン！と来て欲しいのです。●　次回本テーマに戻って、あるある話を。画像引用元：By Quark67(Modified color by Monami) - Image:Synthese+.svg, CC 表示-継承 3.0,https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=4798169◆　欄外パーソナルカラーは、方法論です。ハウツーですね。で、方法論に終始していると、「囚われて本末転倒」が大変よく起きます。だから原理の重要性に目覚めていきます。先だつ経験値。経験値をもとに原理から掘り起こして、駆動性の高い運用へ進歩していきます。クリックのご協力をお願いしております　　---------------------------------------------------------------------------　　ご依頼のご検討には、＜カラーバイタル公式ウェブサイト＞もご覧ください。　　お問合せ・お申込みは＜お問合せ用メールフォーム＞からどうぞ。-----------------------------------------------
04Dec
- ＜春＞のあるある（３）黄色の本質
  ◆＜春＞のあるある（３）黄色の本質◆投票にご協力を。　一記事ごとに！両方に！クリックをいただけるとブログを続ける推進力となります。　　◆＜春＞のあるある（３）黄色の本質●　続・黄色黄色の取りこぼし、ワケを尋ねても、「もう大人だし…」とか、なんとなく。それでは、例えば、黄色＝お子様イメージなのは、どうしてなのか。黄色の分からなさを、明瞭に把握して、黄色に取り組んでいただきたいと思います。●　真逆のイメージこの話は、以前にもしていますが、黄色には、真逆のイメージが与えられています。「明るい、楽しい、陽気、活気、稚気」そういうイメージが、真っ先に浮かびます。「黄金、お金、富貴、ロイヤル」なイメージもあります。「太陽の色」として黄色を用いる国々もあります。他方で、「嫌いな色ランキング」の上位連でもありますね。差別・迫害を受ける類の社会グループに、黄色がシンボルとして割り振られることも、歴史的に珍しいことではありません。「成金」的なマイナスイメージもあります。この複雑なイメージ、何に起因するのでしょうか。●　情報量が多すぎることを、目は好まない自然界には、数多の色素が満ち溢れているというのに、人がわざわざ、手をかけて、色を作りだすのは、どうしてでしょう。自然を模倣する意味も、あるでしょうが、より純化された形でのそれを、求めているからだと、いえないでしょうか。求めるものだけがあり、求めていないものは除外されている、という状態を、脳が好むのだと思います。外部から与えられる情報が複雑すぎると、疲れてしまうということもあります。自然は、生を与えてくれますが、同時にそれを奪いもします。究極的には、自然から、＜死＞の要素を除外して、＜生＞のみを抽出する、というのが、人工的に色を作りだす動機となっていると考えられます。●　三原色目は、光の刺激を通して、色を知覚します。人類の大多数は、光の波長を、赤・青・緑の３種類で区分して、その刺激の組み合わせでもってカラフルな世界を生きています。赤錐体と緑錐体がコラボレートしたとき、現れる色が、黄色です。黄＝赤＋緑これが、黄色における基本中の基本。光の三原色において、黄色は、はなっから、混ぜ物だということです。単なる赤、単なる緑、と比較すると、情報処理量が増えます。●　もう一つの三原色構成絵の具を含めた色料においては、黄系色が三原色の一角をなすことが多いので、黄色を、「原色」として把握している人が多いでしょう。つまり、それ以上分解できない色として学習してきたわけです。絵の具が塗布された物を見るときは、光の反射を通して色を認識するので、光の原色と他のジャンルの原色が異なることに矛盾はありません。いずれがより根源的な原理かといえば、光の三原色の方ですね。●　ベースカラー理論伝統的なパーソナルカラー理論は、「イエローベース」「ブルーベース」の対立的な構図を軸にしています。土台の色彩理論が美術研究から発していることと無関係ではないでしょう。赤をニュートラルに扱う限り、個性を黄と青で二分することは、一つの理屈として受け入れることができます。●　黄と青の、決定的な違いところが、自然の感性や社会文化に委ねた場合、黄と青が、五分五分で三角形の足をなす構図に、違和感がないではありません。青に割り振られたイメージのシンプルさと異なり、黄に割り振られたイメージは、落ち着きません。明度の極端な差も、両翼というにはアンバランス。ここで、視覚システムは、直接には、光による刺激しか感知しない、という原理に戻りましょう。青は、他の錐体が反応せず、青錐体のみが反応する状態で、認識することができます。しかし、黄色は、赤錐体と緑錐体のコラボによらなければ、認識できません。脳の中では、黄色は、あくまで混ぜ物です。その分、視覚情報は、複雑になっている、ということができます。●　赤また、赤錐体が興奮する、ということは、黄色を見るとき、脳内では、同時に、赤の刺激を受けていることになります。赤は人の血の色であったり、好ましい食物に含まれる色素であったりと、生命力のシンボルのような色ですが、燃え立つような強い情動を喚起させる意味で、それじたい、「疲れる」色でもあります。●　緑の強力なエナジー太陽光のうち、緑色に区分される波長の光は、エナジーが大きいとされ、光子単位でいえば、明るさも、赤や青とは比較にならないほど強いです。発生的に、これに反応する緑錐体は、後発です。緑錐体が生じた進化によって、先祖（お猿さんの時分ですが）は、三原色によるカラフル世界を獲得しました。とりわけ強く明るい光を受容するわけですから、刺激も大きいといえます。●　緑に対するイメージ・ギャップ鬱蒼と葉の生い茂る森林の中は、暗さを感じることも多く、直射日光を避けるために、木陰に入る習慣もありますから、人々は、緑色を必ずしも「明るい・眩しい」とイメージしていません。緑色光は、極めて強いエナジーを持っていますので、多くの植物は、その光を透過・乱反射させて、いわば均すように吸収します。（透過・反射によって植物が緑色に見えるわけです）その意味で、多くの植物の葉の色は、機能的にみて、光を吸収するための「黒」のバリエーションだと考えることもできます。光刺激としての緑と、観念的な「緑」には、ギャップがあります。緑色それじたいが、脳にとっては、処理に手間を要する色で、青ほど容易には、捉えることができない色だといえます。●　ミックスによってさらに複雑化黄色は、こういう、赤と緑の、ミックスなのです。方向性の定かでないお祭り騒ぎが脳内で起きても、不思議はないです。しかもなお。まったくの黄色を見たとき、人々は通常、「赤」も「緑」も認識しません。お祭り騒ぎの原因の所在が、自覚されにくい、ということです。赤と緑（に区分される波長）の光が混ざったものを受けたとき、赤らしさと緑らしさは、それぞれに相殺し合ってしまい、とにかく明るく温かな、「光そのもの」のイメージとして入ってきます。光を介して色…主として物質の性質を推測しようと努めているのに、黄色、それもとりわけ明るくて鮮やかなそれだと、情報のかなりの部分が、また光に還元されてしまう、といった感じ。「まぶしい、明るい、あったかそう、でもよく分かんね」理性的に物事に向き合おうとするときは、ちょっと微妙だったりします。黄色のこの「分からなさ」は、例えば、信号の黄色とか、子供服（幼稚園帽）などで用いられています。意は、「注目！内実は分からないので、よく見てね」。すごく良いものかも知れない。すごく危険かも知れない。どちらも併せ持っているかも知れない。分からない。確かに、王様も咎人も太陽もお金も子供も、にぎわしくもよく分からない、という存在ですね。●　ライバル青との相対比較で、ダメ押し対する、青。青を純化して取り出すことが技術的に可能になって注目を浴び、農業から工業への移行で、ビジネスのベーシックが茶系からグレーへ。アクセントも黄系から青系がビジネスシーンで無難となって。食うに困らなくなって、青のマイナスイメージは認識されなくなり、暮らしにくい沿岸が大衆リゾート化して海好き増加。今や「好きな色ランキング」の上位連。もともと、純粋な青を知覚するとき、あんまり頭を使わないで済みます。頭使いたくない、疲れたくないというニーズに合致するのかも。先・中進国に限ってでしょうが、近現代は、青の時代、といってもいいくらいです。西欧の貴族は、ブルーブラッドと呼ばれましたが、アジア系住民を「黄色人種」なんて言うのは、差別感情の賜物ですね。パーソナルカラー理論において、「ブルー」「イエロー」が軸のため、イエローベースびとに、微妙な感覚をもたらすことにもなりました。●　光、そのものいかがですか、黄色、やっかいですが、「分からなさ」が分かれば、利用できましょう。黄色は、一言でいえば、「光そのもの」を有彩色で表現するときの色です。海中のようなほの暗さの中にまどろむことは、癒しではあります。そこでの光は心をざわつかせるかも知れません。目覚めの光には、強制力があるので、しんどいと感じることもあります。遠くの富貴のまばゆさは、苦痛を引き起こすかも知れません。スポットライトは誰かに当たれば反感、自分になら恐怖をもたらすかも。でも、幼子のように、朝日にぱっちりと目を覚まし、未知の輝き・まだ見ぬ豊かさを追って、光のもとにあろうとすることが、ヒトにとってはやはり、生きるということの本分、ではないでしょうか。こんな時代だから、なおさらに。＜似合う＞黄色をまとって、あなたが快活に、良い笑顔で過ごしておられたら、その黄色は、「理由は分からないがとにかく良いもの」として決着します。黄色のパワー、ぜひとも味方につけて下さい。●　次回ここまで来ればお分かりですね。黄色を見るとき、何をしていただきたいのかを。◆　引き続き注意喚起お問合せを下さる方は、返信が届くようにメールの受信設定をなさって下さいね。クリックのご協力をお願いしております　　---------------------------------------------------------------------------　　ご依頼のご検討には、＜カラーバイタル公式ウェブサイト＞もご覧ください。　　お問合せ・お申込みは＜お問合せ用メールフォーム＞からどうぞ。-----------------------------------------------
02Dec
- ＜春＞のあるある（２）黄色の見分け
  ◆＜春＞のあるある（２）黄色の見分け◆投票にご協力を。　一記事ごとに！両方に！クリックをいただけるとブログを続ける推進力となります。　　◆＜春＞のあるある（２）黄色の見分け●　テーマ　黄色引き続き、＜春＞のあるある。今日は黄色がテーマ。●　あるある・・・ストライクな黄色を持っていないこれはイエローベースのあるあるかも知れませんが、クローゼットに黄色がない、ということ、割とあります。オレンジあります、ピンクあります、ベージュもあります、でもなぜか、イエローが、まるで盲点のように、抜け落ちていること。ピンクやらブルーやらと合せてご案内したとき、黄色が選考から漏れてしまうこと。お買物同行、通りすがりに、ほんの確認のつもりが、「どストライクの黄色ですねー。綺麗ですねー。さあ行きましょう」「あ、これ買います。黄色は初めてです」なんてことも。この間、「黄色の見方を教えて下さい」という直球が来ました。そこで、見方という観点から、あるあるを絡めてみます。●　とても地味な、今時分の＜春＞イエロー＜春＞というグループは、「派手」だと思われているようです。しかし、少なくともこの時期、お店の中で、＜春＞オンリーの黄色は、地味で、存在感がありません。目立つのは、＜秋＞びとの方がより得意とする、マスタード系のイエロー。インパクトを求めて探すと、もれなくマスタードに行き着きます。●　明度＜春＞オンリーの黄色は、薄いですからね。こっくりとコクのある色合いの方が似つかわしい季節柄、薄い色は、単体としては目にも入らず、印象も薄いのです。タグに、「クリーム／アイボリー」なんて印字されていて、確かに見た限りそうだけれど、「＜春＞びとには黄色」だということがあります。単体で布の色を見た時と、人が身につけた時の、発色の出方は、必ずしも同じではありません。＜春＞びとが身につけた時、薄い色もよく発色して見えることが多いです。（ＰＣ理論においてコアな部分ではないので、例外は勿論ありますが）白系やベージュは探していないときで、薄っぺらい印象の色を軒並みスルーしたとき、＜春＞ストライクの薄黄色が置き捨てられてしまっていることがあります。●　彩度は、相対的なもの彩度バリッパリ、の、キンキンな、色を念頭におくと、見落としがあります。彩度は、相対的なものさしです。いわゆる「純色」のイメージを強く持っていると、十分許容できる、キレイに着られる程度の彩度であっても、「くすんでいる」と即断してしまいます。「彩度が高い方が得意」とは、文字通りの意味でもありますが、「彩度が下がっていくと、ある段階から徐々に苦手度を深めていく」という意味でもあります。あまりにも低彩度な色は避けた方がいいですが、どの辺りでどの程度の効果・印象が得られるかも大事です。色目として「マスタードイエロー」でも、その中で、彩度には違いがあります。綺麗に着られる「マスタードイエロー」を抜き出すのも、明度・彩度テクニックの一つです。また、ベージュよりも黄み寄りの、パステル調イエローもあって、溶き卵のような色合いと比べると、彩度が落ちますが、落ち着いた雰囲気になり、品よく着られます。●　高明度×高彩度組のアンビバレンス高彩度組は、案外、薄い色を好みません。刺激が小さいから。高彩度を「純色」に寄せて捉えているから、薄い色では目の満足が得られず、高明度によって印象緩和された色に、食指が動かない。高彩度が与える刺激は、抗いがたい、一種のエクスタシーです。その刺激を補佐するのが、一定の濃さです。彩度も高く、それなりの濃さをもつ色は、最も派手な印象を与えます。純色への近さとそれを担保する濃さに惹かれるのは、肉体的反応であり、本能的な欲求によるもので、要は派手な方をじぶんで選択しているだけなのですが、「＜春＞（＜冬＞）ってハデだわー、楽できないー」とか言うわけです。いちおう言っておきますが、その刺激が、最も効果的に到達するのは、薄さから開始して、濃さのある色を組み合せた場合なんですよ。●　インパクト＜春＞には十分落ち着いて地味な色も含まれるのに、＜春＞びとは「ハデー！」といいながらそっちスルー、＜秋＞には高彩度色もパステル系の柔らか色もあるのに、＜秋＞びとは「ジミー！」といいながらそっちスルー。無意識に強い印象を刻むのは、表面的でしかないハデ・ジミ軸を超えた、インパクトなのだと分かります。インパクトの中に、抑圧された欲望のヴァーチャルな充足があります。それに対する道徳的反動が、ジミ・ハデといった評価です。そうしたアンビバレント…欲望と社会道徳の兼ね合いも考慮されたうえで、伝統的なパーソナルカラー理論はできています。そういう視点で、これまで目に留まらなかった色に注意を向けてみると、新たな発見が得られます。●　次　黄色のやっかいごとなぜか黄色が抜け落ちてしまう、原因は何でしょうね。引き続き黄色がテーマですが、ＰＣの根幹にもなる内容です(最重要)。◆　引き続き注意喚起お問合せを下さる方は、返信が届くようにメールの受信設定をなさって下さいね。クリックのご協力をお願いしております　　---------------------------------------------------------------------------　　ご依頼のご検討には、＜カラーバイタル公式ウェブサイト＞もご覧ください。　　お問合せ・お申込みは＜お問合せ用メールフォーム＞からどうぞ。-----------------------------------------------
30Nov
- ＜春＞のあるある（１）まずはカラフル
  ◆＜春＞のあるある(1) まずはカラフル◆投票にご協力を。　一記事ごとに！両方に！クリックをいただけるとブログを続ける推進力となります。　　◆＜春＞のあるある（１）まずはカラフル●　＜春びと＞たちの谷底10月の終り頃～11月にかけて、＜春＞の方の、お探し代行やアフターフォローが相次ぎました。ちょうどこの期間、お困りの谷底であるようです。理屈の上では、温かい色調のイエローベース。では、だから秋冬期が楽かといえば、現実にはそうではないわけです。夏季に＜秋＞の方のお買物が目立っていたのとは真逆の様相。幸いにも、豊作といってよい成果があり、一息つけました。（本格的セールの前で、かつ歩き回った結果ではあります）イエロー、オレンジ、ピンク、レッド、グリーン、ブルー、パープルと、＜春＞のカラフルな色目を、ひと通り目にすることができましたし、各色目の中にも、幾つかのバリエーションが見つかるという具合。ベーシックで合わせやすい、ネイビー、ホワイトグレーもありました。●　タイムリーな＜春びと＞あるあるＰＤをまたいで、集中的に＜春＞の方々とやり取りをしたので、情報フィードバックが一気に凝縮されて、「＜春＞びとたちのあるある」話が改めて浮き彫りになりました。大変興味深く、面白くもありましたので、忘備録も兼ねて、記憶がフレッシュなうちに書き留めておこうと思い立ちました。＜春＞のリアルなあるある、お楽しみ下さい。●　最初の反応速度はピカイチな＜春＞びとパーソナルカラー診断の時点で、最も反応の速く（早いというよりもう速い）、かつ、ポジティブな反応を示すのが、＜春＞びとです。「いやあ、わたしはけっこう、スローでしたよ？」そうおっしゃるけれど、他のシーズン（平均値）よりはずっと速い。実践のスタートを切るのも、早く、かつ速い。（診断当日が開始日）●　ポジティブ、ナンバーワン診断結果が、＜夏＞でも＜秋＞でも＜冬＞でも、「好きじゃないな」「＜〇＞の方が良かった」ってことは、ぼちぼちあります。まずブロックしておいて、徐々に吟味に入るのは、まあ日本人気質というべきですが、＜春＞びとは、そういうのがないですね。あっさり自己ＰＣプロファイルを上書きしてしまいます。それは、＜春＞びとたちにとって、＜春＞が当初から最も好ましいグループだったから、というわけでは、ありません。「何かがそこにありそう」ということだけ、まずピンと来て、「とりあえず良さげなものとして」反応するのです。「いや、わたしはポジティブとか苦手ですよ」とおっしゃる＜春＞びとも、他シーズン（の平均値）より、群を抜いてポジティブですから。●　なのに、意外と完成の遅い＜春＞のクローゼット陽気に反応の早かった＜春＞びとが、最初から＜春＞を好いていたとか、分かっていたとか、いうわけでもなかったことは、後々判明いたします。勢いよくアドベンチャーに乗り出して、「うっ…！？」っと呻くのは、後になってから。＜春＞色、一体どこにあるの…？よくよく色見本を眺めたら、疲れそうな色ばっかりじゃ…？Ｗパンチで、ちょっと意気消沈する時期があったりもします。（この間に、立ち上がりの遅かった＜秋＞に抜かれてゆく）しばらくして、＜春＞びとクローゼットを拝見すると、けっこうな割合で、＜春＞らしさが足りていません。華やかな色がない。色数が増えていかない。クローゼットの風景が、“＜秋＞もどき”になっているケースも多いです。●　扉を開けて、別世界にようこそクローゼット作りに積極的に関わってきた方についていえば、ある段階で、扉を開けば、「春爛漫、お花畑」という光景を目にします。見れば一瞬、理屈抜きで、＜春＞に生まれついたことの意味が、分かります。当り前の日常が、塗り替わる体験ですし、同時に、内面も塗り替わってしまいます。色探しは現実には楽ではありませんので、「潜伏期間」が長引くことは、あることです。フィードバックを受けることで、クローゼット作りを進めるコツが分かってきました。●　色集めに、先にフォーカスする＜春＞びとの「その後」の経過を見守ってきて、今いえることは、冒頭の段落でも掲げた、「お花畑な色目を揃えて並べる」ことに、先にフォーカスした方がいい、ということです。綺麗なカラー・ラインナップが備わると備わらないとでは、カラー視力はいうに及ばず、意欲や持続力もアップするなど、「さらに後に繋げる」の影響力がまるで違うからです。●　カラフル・ラインナップの効果こればっかりは実体験しないと分からないことですが、ある種の配色・発色をもった、色の集まりが与える、脳への刺激は、生存本能を直撃するようなものなのです。臨場感を欠く色見本のチャートを眺めていても、この体験はできません。土台、お体と一体的に重ね合せてみることができませんし。美しい色達に日々抱きしめられる心地よさを味わうことで、理屈ではなく、無意識で、「当り前」の基準が底上げされていきます。カラーの初期設定さえ済ませてしまえば、次のステージも近づきます。●　同時並行のワナどのシーズンでもいえることですが…デザインから行こうと、同時並行を試みようと、自由なのが建前ですが、その認識だと、実際の進行が、どうも芳しくありません。どちらもハンパという状態が続きやすい。ハンパが続くと、感動も薄いので、元の＜好み＞に引きずられて、「膠着」状態に陥ります。カラーとデザイン、どちらの方がハードルが高いかといえば、デザインでしょう。カラーの取り込みは、日常生活しやすい服装に当てはめればいいですが、デザインの方は、ライフスタイルと噛みあわせるのに手間取るので、妥協をするケースが多くなります。クローゼットが生まれ変わるには、期間がかかり、根気も要ります。意識改革も欠かせません。宝石箱のようなクローゼットを、まず色で実現することで、意欲を持続できます。それがデザイン受け入れの素地にもなってくれます。＜春＞の場合、「あざやかで明るい」という条件が、意味を理解するにも、実際に見分けるにも、ハードルです。性格的にも「別に他のシーズンでも構わなかった」人が多いので、なおさら、色集めに腰を据えた方がいいです。●　青＜春＞について、目立つトピックスとしては、まずブルー。水色よりも青らしい青の存在に、お気づきの方もおありではないかと。今季の青は、適度な濃さがあるため寒々しくはなく、みずみずしい印象。得意な色目と組み合せても、爽やかですし、白やグレーと合せて、ブルーベース的な装いを作れるのも嬉しいもの。なお、＜春＞の紺が、いわゆる「紺」に見える方は少ないでしょう。パリッとスッキリした、わずかにくすんだダークブルー、くらいの感覚でしょうか。（鮮やかですが、全くの青と比較すると、あたかもくすんでいるように見える、という意味）タイミングを外すと、次いつ手に入るか分かりませんので、見分けられる方は、ぜひ一枚、ご入手を。＜春＞青・紺が出る分だけ、順当に＜秋＞青・紺は減りますな。●　赤＜春＞赤は、冬季には、あるといえばあるのですが、もっと明度が高いといいな、と思うことが多かったです。今年は、そこかしこで、あざやかで、より明るく、美しい赤を見かけました。極めてあざやかですが、明度を上げている分、ウォッシュ感があったりするので、例年（＜冬＞との区別が難しい）と異なり、今季は、＜夏＞赤との区別が、ひょっとしたら個々に課題になるやも知れません。●　その他ホワイトグレーが、ちらほら。茶系やアイボリーばかりが、＜春＞のベーシックではありません。グレーやネイビーを取り入れると、涼やかなコーディネイトができて、装いの自由と楽しみが広がります。それが本来のパーソナルカラーの意義だともいえます。次回はいちおう、「黄色」のお話を予定しています。◆　引き続き注意喚起お問合せを下さる方は、返信が届くようにメールの受信設定をなさって下さいね。クリックのご協力をお願いしております　　---------------------------------------------------------------------------　　ご依頼のご検討には、＜カラーバイタル公式ウェブサイト＞もご覧ください。　　お問合せ・お申込みは＜お問合せ用メールフォーム＞からどうぞ。-----------------------------------------------
23Nov
- 仲間外れはどれ？衣類チェックの金科玉条セオリー
  ◆仲間外れはどれ？衣類チェックの金科玉条セオリー◆投票にご協力を。　一記事ごとに！両方に！クリックをいただけるとブログを続ける推進力となります。　　◆衣類チェックの金科玉条●　仲間外れはどれ？ハンガーにかかっている、いずれも明るい色の、４枚の衣類。どれを仲間外れにしたくなります？どれを外したくなるでしょう。クローゼットを構成する基準はケースバイケースで、適用するルール次第で、答えは異なりますが…。イメコン方程式に、当てはめてみましょう。誰かお一人の肌の上に乗っかるものであることを前提に、一枚だけ明らかな不正解にするとすれば…？蓋然性の問題と捉えて、最も基本的なことから、先に考えて。●　解答例具体的なことは考えず、基本的なことを優先すれば、　こうなります。色調…パーソナルカラーのグループが異なるからですね。●　第二問それでは、ここから２枚と１枚に、グループ分けをするとしたら？イメコン方程式。こうなりました？理由は、色ではなく…そう、パーソナルデザインからの判断。この２枚が素直にハマる方ならば、もう一方では、質の異なる印象が出てくると推測されます。●　金科玉条まず、カラーについて処理する。次に、デザインについて処理する。分析はいうに及ばず、ショッピング、装いの組み合わせから、クローゼット構築、模様替えまで。この順序で、目を使います。・いっぺんに両方を扱わない。・逆の順序ではない。最もシンプルで、最も効果的。イメージコンサルティングの金科玉条です。クリックのご協力をお願いしております　　---------------------------------------------------------------------------　　ご依頼のご検討には、＜カラーバイタル公式ウェブサイト＞もご覧ください。　　お問合せ・お申込みは＜お問合せ用メールフォーム＞からどうぞ。-----------------------------------------------
22Nov
- ノンホールピアスを痛くないように装着する方法
  ◆ノンホールピアスを痛くないように装着する方法◆投票にご協力を。　一記事ごとに！両方に！クリックをいただけるとブログを続ける推進力となります。　　◆ノンホールピアスを痛くないように装着する方法●　ノンホールピアスとはノンホールピアスは、ピアスホールがなくても付けられる、ピアス風の耳飾り。通常のイヤリングと比べ、留め具が目立たないのが主眼です。磁石タイプがかつてこう呼ばれていたと記憶していますが、現在は、サイドから見てアルファベットのＣの形をした樹脂や金属の、伸縮性によって、耳たぶを圧して留めるタイプが主流です。特に、無色透明のポリプロピレン樹脂製は、安価なものが多いのが嬉しく、極めて軽量でもあります。ピアスホールを開けるのにちゅうちょしていて、重さで落ちやすい、ちょっとお高いイヤリングは日常出しにくい…そんな方が日常気楽に耳飾りを楽しみ始めるのに、頃合いです。●　痛い、割れやすいこの樹脂製の耳飾り、圧力調節するネジ等はありません。Ｃの開きは小さいので、耳たぶがひどく圧迫されて痛む場合があります。また、樹脂の部分が、割れやすいのも泣きドコロ。●　調整しましょう樹脂製の場合は、下処理によって、痛くなくなり、割れリスクも減らせます。下準備として、まずは初期状態の確認。開き具合や、耳たぶの痛み具合を、みておきます。次に、道具の準備。断面が円形で、先細り状の、細身のスティック。ここで使ったのは、太さの異なる眉筆と眉ペンシルですが、お箸などでもいいかも。●　ステップ１…細い軸をくぐらせて留める開きを、少し広げるのが、ステップ１です。細い（断面の円が小さい）軸を、Cの中に、お必ず、軸の細い方から！くぐらせます。ゆーっくりずらして、少し伸び感があるくらいのところで留めます。いきなり大きく広げると、ゆるみ過ぎたり、割れてしまったりするので、無理なく収まる箇所で、数時間～一晩。その後、装着してみて、樹脂をグッと押し広げないと挟めなかったり、まだ痛すぎたりするときは、ステップ２へ。●　ステップ２…一回り円周の大きな軸へ移し替えひとまわり円周の大きな軸に移し替えて、数時間～一晩。上側がステップ１。下側が、ステップ１を終えてステップ２に移行した状態。開きを大きくするだけなら角状でもよさそうですが、耐久性を考えると、円形軸の方が伸縮圧力を散らせてベターと判断。●　ステップ３…応用編。左右の耳の違いに合せる左右の耳で、適した開き（圧迫）が違う場合、こんなふうに、少しずらして配置します。この点でも、先細り形状の軸が便利。ここでは、単純化して２ステップにまとめましたが、軸の細い方から、少しづつ少しづつ、円周を増していくのが、広げすぎの失敗を避けるコツです。いったん、ほどよい開き加減が分かれば、次のセットからは２ステップで完了させられます。●　完了上側が、赤軸で一晩おいた後。下側が、さらに黒軸で広げたもの。個人的に痛がりで下側の開きがいいです。人によってはステップ１で十分かも。ご自身に合せて加減して下さい。上手く出来なくても責任は負いかねまする。いい具合に広げておくと、滑るように耳たぶを挟めるので、装着のたびに口をググッと開いて閉じて、を繰り返さなくてよくなります。結果的に耐久性もアップ。●　耳たぶの痛くない点も見つけましょう人差し指と親指の、爪の先で、ちょっとづつ場所をずらしながら、耳たぶを表裏から挟んで刺していって、最も痛みを感じないで済む部分を、ピンポイントで探し当てましょう。その部分にイヤリングのネジを当てると、だいぶ痛みが軽減されます。神経って、過敏な部分と鈍い部分とがあるので、同じ刺激を加えても、感覚はずいぶんと違うものです。■　欄外　イヤリングを片方落として泣いた経験が、こうしたコスト削減にトライさせるのですが、そんな面倒なことするなら穴開けてしまおか、と思ったりもする今日この頃、さりとて開けると毎日装着しなければならなくなり、ピアス紛失事件が相次ぐことでしょう。クリックのご協力をお願いしております　　---------------------------------------------------------------------------　　ご依頼のご検討には、＜カラーバイタル公式ウェブサイト＞もご覧ください。　　お問合せ・お申込みは＜お問合せ用メールフォーム＞からどうぞ。-----------------------------------------------
17Nov
- アユカ様のコメントに寄せて(後編)…お化粧する人が知っておいてもいいこと。
  ◆アユカ様のコメントに寄せて(後編)…お化粧する人が知っておいてもいいこと。◆投票にご協力を。　一記事ごとに！両方に！クリックをいただけるとブログを続ける推進力となります。　　◆アユカ様のコメントに寄せて(後編)…　　お化粧する人が知っておいてもいいこと。後編です。コメントをいただいたのは約３年前のこちらの記事。https://ameblo.jp/colorvital/entry-11896749259.htmlスルーで全然問題ないですが、読まれる際はできたら前編と一緒に。●　前編に対してコメント届いていますクライアント様がメールの中でこんなコメントを下さいました。アユカ様、童話のお姫様のようにかわいいですね。（＜春＞ロマンス・ファッショナブル　ＲＳ様）ＲＳ様、さすがの鑑賞眼。そうね、アユカ様はきっと、登場されると場の空気が変わるような華やぎをお持ちなのでしょう。全国各地のクライアント様から、読者様から、メッセージをいただくと、遠方からの、縁の不思議なパワーを授かっているようで、ブログとか出張とか、工夫を凝らしてがんばろうと思えてきます。●　お化粧についての干渉さて、お化粧に関する“常識”は、多様化しています。多様化によって、完全に自由になったか、といえば、そうともいえず。お化粧をしていることで、逆に嫌味を言われたことも意外なほど、あれやこれやの声が飛んできますね。お化粧って。会社の服務規程とかで決まっていれば話は容易なのですが、自由なはずの場で、干渉を受けることも、よくあります。なかには、ネガティブな反応もありえます。その目的や本音が分かりづらいので、対処のしようにも困ります。ネガティブな干渉は無視する。というのが、一つの健全な対処ですが、やっぱり、心中で割り切れない思いが残ったりもします。化粧が浮いてしまったのは、服のカラーやデザインとのトータルバランスが悪かったためかもしれません。「何かがまずかったのだろうか…」そう思ってしまうことがあるのも仕方のないことですが、ちょっと待って。即断は禁物です。ちょっとスッキリするための判断材料をさしあげましょう。●　表現媒体としての化粧お化粧は、装いの一要素を構成するものとして、その方の社会的・個人的属性を表示する機能があります。今時は、専らご自分（と特定の誰か）のために化粧をする方も多いのですが、見かける側からすると、鑑賞者視点になってしまいやすくて、「自分達に向けて化粧している」という思い込みが生じやすかったりします。「いやいやいや、あなたのためじゃないから」この手の齟齬が生じてしまうのは、なぜでしょう。それは、化粧が、コミュニケーションないし自己表現の媒体として、強力な作用を持っていて、その作用が、不特定多数の人に、感知されやすいからです。（古来、化粧が神事祭事に用いられてきたのは、ひとつには、この作用によるのだと考えることができます）特に若い女性は、老若男女から否応なく「観賞対象」扱いされるため、化粧の情報伝達機能は、幅広く作用します。（「若い」の定義はこの場面では相対的です）街頭の電光掲示板に例えると、分かりやすいでしょう。あれで目立つ広告が打たれると、ターゲットではない層も、何らかの感想を抱くものです。ポジティブにしろ、ネガティブにしろ、「自分に対して見せようとしているんだ」という思い込みのもとに。特定の層に向けられるほど、化粧は念入りにされるものですが、念入りにされることで華美になるため、する者の意図に反して、“広告”性を上げてしまいます。●　解釈の多様性もちろん、正しくメッセージが解釈されるとは限りません。若しくは、中には僻みと気付かず、妬まれていたこともあるかもしれません。化粧のような表現は、言語ほど厳密な情報伝達媒体ではないので、見る者それぞれの脳内にふさわしく、勝手に変換されて、伝わるのです。見る者が内心で気にしているところを直撃して。名刺でも伝わらないポリシーが伝わって見えたり、ステイタスを誇示するものに思えたり、ホテルのドアプレートみたいに「話しかけるな」って読めたり、目立ちたがりに見えたり、誘惑されているように感じたり…もう色々ですよ。しかも、化粧は、服よりもずっと、お顔との一体性が強い。冷静に検討すれば、化粧の仕方による効果に過ぎない場合でも、人物そのものを表示するように、判断される可能性も高くなります。注意すべきは、人は怖れにせよ希望にせよ、自身の予期するものを網膜に映すので、「なぜ当人がその化粧をせざるをえないか」は、全く考慮されない、ということです。●　自己防衛垢抜けない服装や、薄化粧のままでいた方が、余計な卑下をしてしまったり、堂々としていないように見えるのか、性的に操作しやすいように見られてしまうこともあったように思います。アユカさんのような方が、無防備でいらしたら、世のオオカミさんたち、垂涎ですね。危ない危ない。現代の化粧に、ぶしつけな目線からの「自己防衛」が目的に含まれないものはないと思えます。これは、する人にとっては当り前すぎること。でも、この点が、しない人には、周知されておりませんで、専ら「鑑賞者」でしかない人には、全く分かりません。したがって、化粧をしていること、していないことで、意外な反応があった場合も、まずは心を落ち着けて、相手の解釈が的外れであることはよくあることなのだということを、思い起こして下さいね。どんなにお化粧を工夫しようが、あるいは目立たないようにと控えても、通りすがりの全員にまで、同じ解釈をさせることは不可能なのですから。●　文化としての化粧化粧をすることに堂々としていていいのだと、もちろんです。だって、化粧をすると、心からウキウキすることがたくさんあります。メイクは仮初めだとか、演技だとか、そういうことではなくて。自分を知り、活かしていくことは、命を活かすことですよね。ええ。そのウキウキが、とても重要です。仮初め、演技…も、実は、人類社会には重要なこと。（演劇や舞踊という偉大な文化には、化粧による仮初め、演技が欠かせません）そして自分を知り、生かす、命を活かす…おっしゃることを、堅苦しく言い換えるならば、古代より人は、化粧を介して、神の声を聞き、人や文物の価値を高め、自らの潜在能力を引き出し、ときに権力を獲得し、ときに色恋に花を添え、絢爛たる文化の一角を築き、死者に施すことで命の尊厳を顕かにしてきました。人間は、無媒介に他者や自然や社会と接することは、できません。人間は、無媒介に自己に向き合うことも、できません。化粧という媒介によって、素顔では決して叶わぬ形で、世界との接触を果たすことが可能なのです。長い長い歴史において、化粧が果たした役割は小さくありません。化粧を利用することに、気後れを感じる必要は全くありません♪●　化粧しないという選択肢化粧を利用する方が、知っておいた方がよいかなと思われる点について、最後に触れておこうと思います。「化粧をしない」と決めている女性たちのことです。化粧をしないことで、干渉を受ける女性も、ストレスにさらされています。「なんで化粧しないの」「女性なら化粧すべき」その裏には、「女のくせに」「せいぜい媚びるべきじゃないの」女性を低くみる発想が、隠れていることがあります。ジェンダー問題が絡んでくるということです。また、化学物質の健康害を憂慮して、ＮＯを告げる人もいますし、動物実験への反対として、特定（大半か…）メーカーを拒否する人、エコやロハスの思想から、化粧をやめた人も。個人の尊厳、環境問題。“人類全員で一切化粧をやめる”以外に解決法はあるはず。問題を認識しておくことは、解決に向けて進む一助になるでしょう。ひとまず、化粧する人としては、化粧したくない人の自由を認めることは、する／しないで一刀両断すぎる圧力を、減らしていくことにつながる気がします。●　アユカさんへアユカさんの熱い言葉に触発されたおかげで、化粧に関してもやもやしていた部分の一端を、整理することができました。ありがとうございました。ご縁がつながっていきますように☆■　欄外　人の活動領域が、本格的に電子空間になっていくと、メイクはデジタル処理とかかしら。ただ医療措置的なアンチエイジングがトレンドだから、そっちで動物実験が続くでしょう。電脳社会が進むと電気を食うから、環境破壊が完全に止むわけでもない。問題を縮小方向に持っていけるという点で、大規模な人口減少が抜本的な解決策かあ。クリックのご協力をお願いしております　　---------------------------------------------------------------------------　　ご依頼のご検討には、＜カラーバイタル公式ウェブサイト＞もご覧ください。　　お問合せ・お申込みは＜お問合せ用メールフォーム＞からどうぞ。-----------------------------------------------
08Nov
- きょうふのうめちか…12月大阪出張のお知らせ
  ◆12月大阪出張◆投票にご協力を。　一記事ごとに！両方に！クリックをいただけるとブログを続ける推進力となります。　　◆大阪出張のお知らせ＆きょうふのうめちか●　12月初週、大阪出張です今回は、お知らせ記事です。12月初週、大阪に出張します。ご依頼やご用がおありでしたら、（今月11月20日頃までに）お知らせ下さい。で終わるのもナンなので…出張トピを少々。●　きょうふのうめちか迷宮というより、もはや＜樹海＞な、梅田の地下街。道が分からなくなったら、とりあえず戻れ、これセオリーですね。音に聞こえたうめちかも、慎重に行けば大丈夫デショ、と最初は思いました。うめちかでは、セオリーが通用ません。迷いそうだ、無理せず来た道を戻ればいいや、なんて小賢しさをあざわらうかのように、背後をふりかえると、鍾乳洞っぽく見分けのつかない道が５又６又に分岐しており、人の流れは四方八方へと動いており、じぶんが来た道がどれなのかさっぱり分からない…あの、ストレンジャーを心底ぞっとさせる瞬間。壁の地図で確認した通りに来ているはずなのに、全然違う所に出てしまうのは、どうしてなのか。方向感覚を狂わせる、それはまさに＜樹海＞。畏敬の念を込め、きょうふのうめちか（敬称）と呼んでおります。新宿の地下のややこしさも言われることがありますが、うめちかでの恐怖体験とは、比較になりません。またも新しく工事をしたので、来訪者にとってはさらにややこしくなったと、地元クライアントが教えて下さいました（涙）。地下道からどこにでもつながっているので、攻略できれば、たいへん便利なのだと思いますが、某アパレルブランドのお姉様によると、２年間毎日通勤に使って、ようやく攻略できたのだということでした。大阪では、通りすがりの方に、頼まないうちからご親切を受けることが多々あります。うろうろしていると、道の誤りを教えに来て下さったり、高い所のロッカーにスーツケースを押し込んで下さったり、それがおっかなそうなパッキンのお兄さんでらしたり、観光客ないし留学生と思しき外国の方でらしたり、散歩途中か道端でおくつろぎ中の老夫婦でらしたり。その温かさ、人物バリエーションの豊かさ、ゆかいさは、やっぱり＜樹海＞で、独特のものです。最近は、道行きでご面倒をおかけすることもなくなりました。いまだ攻略の域には至らないものの、目的地にはなんとなく感覚的に、辿り着けるようになってきました。でもたぶんそれは、来訪者がとても多くなって（迷い人だか苦情だかが相当なものだったに違いない）、パウチの案内板が増えたせいではないかと思います。※　前回の続き（本題）は、この次の回に書きますアユカ様のコメントに寄せて…お化粧についてのお話。きちんとお化粧しようというだけのことが、なぜ障害にぶち当たるのか。化粧したい派、化粧したくない派、させたい派、させたくない派、単に揶揄する対象を探し求めているだけ派…その暗闘。ちょっぴり社会学チックな切り口でお届けしようかなと思います。■　欄外　出張ではストレンジャーあるある体験が幾つもあります。またお知らせついでにでも。ご用事は、お茶やご飯食べでもOKです☆クリックのご協力をお願いしております　　---------------------------------------------------------------------------　　ご依頼のご検討には、＜カラーバイタル公式ウェブサイト＞もご覧ください。　　お問合せ・お申込みは＜お問合せ用メールフォーム＞からどうぞ。-----------------------------------------------
06Nov
- アユカ様のコメントに寄せて(前編)…ロマンス記事の釈明
  ◆アユカ様のコメントに寄せて(前編)ロマンス記事の釈明◆投票にご協力を。　一記事ごとに！両方に！クリックをいただけるとブログを続ける推進力となります。　　◆アユカ様のコメントに寄せて(前編)…ロマンス記事の釈明つい先日、あるメッセージをいただきまして、本編の方で応答させていただこうと思います。コメントをいただいたのは、こちらの記事。https://ameblo.jp/colorvital/entry-11896749259.htmlおよそ３年前の記事ですね…書き手も肩肘張っていましたな…。●　アユカ様よりコメント…冒頭あなたの深く知恵と精神性も含めた分析に、幼少からの悩みが、心底から癒されました！！！涙他のバイタルさんとは違います！現代の表面的な診断ではなく、生き方やその人のエッセンスを加味してここまで分析される方は多くないのではないかと思います！-- 姿勢を褒めて下さり、非常に嬉しいです。-- 熱のこもったメッセージを、ありがとうございます。-- が。応答について、内容的に迷いが生じまして、-- 長くなる気配がしたので、こちらで書かせていただくことにしました。-- 前フリと後編とでお届けします。今日は前フリの方を。●　「ロマンスタイプ」の記事に関する釈明私は、ロマンスタイプだと自身で分析しております。-- この点は、メッセージの本題ではないように思われますが、-- この記事については、ある懸念がありますので、-- 念のため、まずはそこを書かせて下さい。-- 自己診断も、それがどのタイプなのかも、それ自体は問題ではないです。-- 懸念は、どんな記事が元になっているかと、それへの反応です。-- というのも、ロマンスタイプに関する記事については、-- 意識して、同タイプを「くさした」内容にしてきた、ということがあるので。-- あれがロマンス、と思われると、困るという面があるのです。-- このタイプは「ただ褒めるんじゃだめ」、-- 「けなしてやったとき、動きが出る」…、ひと時の判断がありまして。-- いちかばちか的な戦術的な記事でやってきました。-- 何しろ、長いこと反応と動きが鈍かったので（時代ですね）。-- (現場に限って言えば、功を奏したのは確かです)-- 「くさしてもらって喜ぶ」のは、-- ロマンス女性には心当たりがあるでしょうが、-- 心当たりがあればロマンス、というわけでもなく。-- 実は…-- 一連の「こきおろし」記事の後からこれまで、--読まれた方から、メッセージが届くようになり。-- 全件、「自己診断ロマンス。よくぞ書いてくれた」という内容でしたから。-- 表現中、明らかなカタルシスがみられ、そこで自己完結していなさる。-- （確かにロマンスっぽい反応ではあるが…）-- 自分の記事を読み返す習慣がないので、首をかしげていました。-- 全く同じケースが相次ぐに至って、懸念が大きくなりました。-- 何しろ自己完結してらっしゃるので、フォローのしようもありません。-- 改めて、別の視点から読み返してみると、例えば、-- 幼少時から我知らずある種の“女臭さ”を発していたために、-- いじめや性的嫌がらせにつながったというケース。-- そもそもロマンスタイプだけに起きることではないですが、-- ロマンスタイプに起こりうることとして書かれたものが、-- ことが起きたからロマンスタイプになる、と読まれる、逆転現象がありうると。-- （この逆転は、論理的にいって真ではないです）-- 思えば、ある種トラウマを「刺しちゃう」内容だったのですね…-- お化粧にまつわるハードルもしかり。-- 課題として、化粧問題もあったから、-- 両者一体であるかのような記事にしてしまったことも、-- 今となってはあまり上手な記事ではなかったな、と思います。-- 懸念というのは、-- 大小を問わず、過去にまつわる心の傷があると、-- オブラートに包まれたマイルドな表現よりも、-- 「刺される」ことの方に、心地よさを覚えることがあるからです。-- ふと世の中を見渡してみたら、-- 「刺され」て悦ぶ女子、異常発生してる……（汗；；）-- しかも、社会の＜寛容度＞は、マイナス値更新を驀進中。-- なんて、女性が生きにくい社会になっていること！-- （もともとそうだったのを解決せず金銭でごまかしてきたツケが…）-- それでもなお、「刺され」て悦びを覚える段階は、正常とは言い難い。-- 一種の自傷による回復ですから、そこには歪みがあります。-- 「刺され」ることのカタルシスによって、-- 何かを猛烈に思い込んでしまう心理状態が、-- 未来を拘束してしまうことがないよう、留意して下さい。-- 自己診断も、歪みを取る方向でもって、どうか用いて下さい。-- 目指すところロマンスと思い決めたのであれば、-- 同じところには、留まらないで欲しい……。-- 「いじめられっ子ロマンスの防御壁」の中に、安住してしまうのではなく、-- あなただけの「傷一つないロマンス」像を見い出して、-- ご自身の人物像を、作り上げていって欲しいと思います。単なる杞憂かも知れません。もしも、冷や水のように感じられたら、ごめんなさい。ただケース的に、件数が重なっても、直接フォローをさしあげられない分、戦術的意図で書かれた記事が元で間違った方向にお進みにならないよう、念のための注意点でした。さて、次回の後編が、本題です。●　ちなみに「まっとうに穏健に生きられるロマンスはいないんですか～（泣）」なんてロマンスタイプの方から言われたりしますが、いるに決まってるじゃないですか。「ここまで来ればもう、＜無敵ロマンス＞のヴィジョンを繰り出して、それをやってもらうだけだな」と、早く思わせて下さい。●　なお来年、分析のみを行うコースを修正復活させる予定です。（若年層受診者がいなくなって、まずいと思い直しました）スケジュール上、実施日数に限定を設けることになりますが、受診資格は特に設けない予定。分析だけでよいという方はご検討を。■　欄外　サブはロマンスですが、すっかりロマンス服が「入」らなくなりました。サブ擬態にもう頼れない。身長体格など「まさにフェミニン」地点からのズレもあるので、微調整は必要です。でも自分が年々煮詰まっていくのを見て、カスタムしていくのは、面白くもあります。クリックのご協力をお願いしております　　---------------------------------------------------------------------------　　ご依頼のご検討には、＜カラーバイタル公式ウェブサイト＞もご覧ください。　　お問合せ・お申込みは＜お問合せ用メールフォーム＞からどうぞ。-----------------------------------------------
30Oct
- ＜夏／キュート＞さんのご結婚リポート
  ◆今回のテーマ…ビバご結婚☆コメントご紹介◆投票にご協力を。　一記事ごとに！両方に！クリックをいただけるとブログを続ける推進力となります。　　◆＜夏／キュート＞さんのご結婚リポートクライアント＜夏／キュートタイプ＞のＢＫ様から、「白の婚礼衣装の意味」の記事に関してコメントをちょうだいし、同時に嬉しいご報告をもちょうだいしておりましたので、ご紹介します。●　ＢＫ様よりいつも楽しくブログも読ませていただいております。今回の婚礼衣装についての文章も非常に面白く、また色々と考えさせられました。-- こんな書き出しで始まる、ＢＫ様のメッセージ。-- お選びガイド的な内容ではなかったにもかかわらず、-- 色々とお考え下さった、そのわけは……？　●　ご結婚、おめでとうございますというのも、実はこのたび結婚することになったため、個人的にとてもタイムリーな内容だったからです。(相手は同じく2015年に診断していただいた彼氏です)-- これはまた、タイミング！-- ＢＫ様、ＴＳ様とのご結婚、まことにおめでとうございます。-- そうでしたね……初々しい恋人同士でらした。-- 感無量。急展開でして、来年のうちには結婚式を挙げることになりそうなので、今は引越しの準備などをしながら個人的に色々と会場やドレス、着物などを見ているところです。-- 楽しくも、大変な時期に入られていますね。-- カップル受診というケースは経験上、-- ご結婚なさっているか、将来が固まっている間柄であるとか、-- 世間的にも強力な“糊”がお二人の間にある場合であるものです。-- お二人はとても若くてらして、フレッシュなカップルで。-- 非常に魅力的な男女でもあり、たくさんの可能性を持ってらしたから、-- こんなに早く、将来の決断をされるとは、予見できませんでした。-- （卒業です、就職です、ってついこの間のことみたい）-- でも、思えば、強い強い赤い糸で結ばれていたから、、-- 二人揃っておいでになる、ということが実現していたのでしょう。●　現実に、結婚式を考える互いに無宗教ということもあり、人前式を考えているのですが、正にまつもと先生がブログで書かれていたように、単なるお遊戯会や発表会のようになってしまいそうで、儀式としての線引きが大変そうだ…と思っていたところでした。-- 胸に温めてきた、桃色の夢と憧れをただ再現するのであれば、-- それはたぶん、お遊戯会や発表会に近い形になるでしょうね。-- お遊戯会としての結婚式をプロデュースできるのは、-- 人類の長い歴史の中で、この現代だけの、-- ごく一部だけに許された、驚くべき自由の賜物だと思うので、-- それもまた、かけがえのない幸運の形です。-- ただ、ＢＫ様は、それでいいのかと、すでにお考えになってらした。でも、ブログを読んで、装いや空間について、自分たちの金銭範囲のレベルの中で、表現したいものイメージし形にする作業は、パーソナルカラーとデザインを知っている身としては、日頃の延長線でもあるのかなと思いました。-- まさしく。とは、ＢＫ様もわたしも、なにも、イメージコンサルティング…-- カラーとデザインの分類で片付く、という意味で言うのではなく。-- 様式と歴史をもった信仰から離れたところで、-- 結婚観（世界観や死生観を含めて）を一から紡いでいく、といったことは、-- 素晴らしい自由でもあるけれど、-- 何かをとりこぼしているような不安から、逃れにくいことでもある。-- どう選んでもいいといわれれば、途方にくれる。-- （実際、「選ぶのがしんどいマリッジブルー」ってのも相当なものです）-- 拠り所となりがちなのが、“常識”や“形式”…とりわけ、“あやかり”。-- ただ、“あやかり”（ “憧れ”）って。つまるところ、他人の祭りの幻影だから。-- 選ぶとき、ドレスでもお着物でも、テーブルコーディネイトでも、-- ご自身の与えられた“形”に、焦点を当てていただけると、-- そこに起源…オリジンが生れます。-- 他人の祭りの幻影を離れて、自身を見つけることは、-- 無媒介にはできないことなので、-- 媒介の一つとして、お伝えしていることが、役に立つとは思っています。-- 結婚式という節目にあっては、できれば、ご自身を見出して、-- その上でプロデュースをしていって欲しいですし、-- その媒介の一つとしてのパーソナルカラー、パーソナルデザインって、-- ＢＫ様のように道具として従えることができれば、それは強力です。その意味では、何も知らないよりも道筋を立てやすい気がします。自分で自分の印象をコントロールすることができるということは、改めて大きな強みであると思いました。-- ＢＫ様は、コンサルタント側からすると、一つの理想形なんですね。-- お伝えしたことを、「習得」されて、実際に戦略として打てる方。-- そうして、ご自身の歩まれる世界と環境を、操作できる。-- 障害が起きても、「翻弄されるばかり」ということがない。-- 生まれついての恵まれた資質に、甘えかかることもなく（利用はする）、-- 運命やなりゆきに、身をゆだねてしまうことも、-- 相手の反応や周囲の動きに、一喜一憂したり、オドオドしたり、-- 猜疑心にかられることもなく、心の葛藤に打ち勝って、-- 判断を行い、パンと「手が打てる」。-- それが愛のことであれば、＜愛＞を、「狙った方向に放てる」。-- こういうひとの手にかかると、パーソナルカラーもパーソナルデザインも、-- あるいはそれ以外の形でのイメージコンサルティングであっても、-- 愛を得るために御することができます。-- なのでＢＫ様には、特にここでの助言とかはなくて、-- （メールで些細なことは申しましたが）-- 思うがままに生きて下さればＯＫ、というだけです。-- 一方、「印象をコントロール」が、リアルに思えない方もおありでしょう。-- そこで、「選ばれたい」「受け入れられたい」と感じているときには、-- 「自分を捨てる」選択をしていることが、多いと思います。-- それが、一つの有効な手段であることは、否定しません。-- でも、あるケースにおいては、-- 「選ばれる」は「選ばせる」とイコールで結ばれている、ということに、-- 誰しも行き当たったことは、あるはずです。-- 形式としては、「選ばれる」であっても、-- 実体としては、「選ばせる」。-- それが「自分にもできるかも知れない」と、-- ひとまず、可能性を認識に取り込むことから、入ってみて下さい。-- 後半に、ちょっとしたヒントが、見つかるかも知れません。もう少し会場や衣装の種類が決まりましたら、また改めてまつもと先生のお力をお借りしたいと考えております。またその時にはよろしくお願いいたします。-- 喜んで。-- お嫁ちゃんとのやりとりというのもまた面白くて、-- 候補を出しなさる。こちらは物申す。という、丁々発止が。-- ＢＫ様はどういう方向なのか、楽しみにしております。●　セルフチョイス編…一つ目-- 後半。引き続きＢＫ様から、まず日常のオシャレについて。-- 話題が変わりますが、前半や後ろの方と、強く関連している、-- と思うので、一つの記事に入れてしまいます。髪の毛を切ってボブくらいの髪型になったので、休日はイヤリングをつけています。どちらも適度なボリュームもあり、評判もいいので気に入っています。こちらは個人作家のこばやしみなさんという方のものです。色はシルバーとゴールドがあるのですが迷わずシルバーにしました。-- ル・コルビジュエの建築物や、ルーブル・ピラミッドを想起しました。-- 事物の構造に深い造詣をお持ちの作家さんのように思えます。-- 足元まで写るお写真でも、ハッキリとシルエットが分かるくらい、-- 輪郭には、ボリュームがあるイヤリング。主張があります。-- 女の子は「主張のありそうな女は嫌がられるに違いない」と決めてかかって-- あってもなくてもサッパリ分からないようなプチだけひっそり身につけるのですが、-- （「鉄」「メッキ」っぽさが強く出ているときは、ベースカラーが違う可能性ありです）-- 選ばれるために“常識”（またの名を先入観）に従っている女の子と、-- そんな落とし穴さくっとまたいで、イキイキして選ばせる女性との、-- 深ーい断層が、イヤリング一つとっても見えます…　●　二個目…ウニこちらは、美術館で買ったものです。こちらも色の種類はたくさんあるのですが、きちんと感があるこの色にしました。ウニっぽいデザインは個人的にあまりハズレはないかなと思っています。-- 「ウニ」っておっしゃるユーモアがまた…(笑)-- 何かを上手に身につけるって、ひょっとすると、-- それに対する言葉を持てるかどうかが、カギなのかも知れませんね。-- それから、そうですね、生き物系はだいたい得意でらっしゃいますね。-- ぐにぐに、うにうに、したグロテスクなものでも、シャレて見えるうえに、-- 話題をさらえます。●　サムシング・ブルーそして、こちらはアパレルで働いている中学からの友人が、結婚のお祝いに私をイメージしてオーダーしてくれた花束です。色味もさることながら、可愛いけれど甘々ではなく、細かいフリルが集まったような全体像がアバンギャルドっぽいかなと思っています。●　友情「イメージ的にピンクとか黄色よりも、白とグリーン。でも百合じゃなくて小振りなお花がいっぱい集まってる感じ。あと結婚のお祝いだからブルーの花も入れて欲しい」とオーダーしてくれたそうです。-- 花束と、それに対する言葉を介した、お二人の通じ合い。-- 仮にここで、白百合があたかも王道な扱われ方をされているとして、-- 「白百合で安全に持ち上げておこう」、「そうされて無邪気に安心・喜べる」、-- という間柄だったら、こういうオーダーにはならないですものね。-- なんとなく、「選ばせる」女性のヒント、匂ってきませんでしたか。-- 言葉にしようとするのはヤボだけれど、-- ＢＫ様に関していえば、いつでもどこでも誰に対しても、全方位に、-- 一貫して、「自分自身でいられる」ところ（これは信頼性のモトですね）、-- なおかつ、全方位でもって、心遣いを忘れない、-- というところに、ポイントがある気がします。-- 改めて、ＢＫ様、ＴＳ様、おめでとうございます。-- （いつもお気遣いをありがとうございます；；）-- 末永くお幸せに。■　欄外　ハロウィン・ネタがあったのに、時期がずれ込んでしまった…どうしよう。うーん。今夜中にまた更新するか…明日明後日でご容赦願うか…悩み中です。クリックのご協力をお願いしております　　---------------------------------------------------------------------------　　ご依頼のご検討には、＜カラーバイタル公式ウェブサイト＞もご覧ください。　　お問合せ・お申込みは＜お問合せ用メールフォーム＞からどうぞ。-----------------------------------------------
18Oct
- 2017年これまでをふり返って
  ◆今回のテーマ…2017年これまでをふり返って◆投票にご協力を。　一記事ごとに！両方に！クリックをいただけるとブログを続ける推進力となります。　　◆2017年これまでをふり返って間が空いてしまいました。記事テーマについての下準備も続けていますが、目の前にやることが多くて、目下、手一杯の状態です。今回は、具体的なご依頼からのフィードバックとして、幾つかトピックスを挙げてみます。●　2017春夏の総括…イエローベース部門すっかり秋も深まった、この時期からふり返って、今年の春夏を総括してみようと思います。暖期のイエローベースについては、寒色使いが常なるテーマ。青、紺、紫、グレーといった色目を重点的にお探しできたのが収穫です。個人差をふまえて、具体的にどこまで涼しいコーデに踏み込めるか、いかに、具体的に美しい発色のものを探せるか、が、腕の見せどころ。イエローベースの方々にとって、どストライクなカラーと比較すると、涼しげな色目は、鏡越しにしっくり来ない、という実感が、ネックになりやすいですね。黄系色と、比較するのではなくて、組み合せる、という発想をお持ちになることが、出発点として必要です。●　ブルーベース部門ピンク、ラベンダー、ブルー、レモン、グリーン…冬＞のアイシーな色目が、かなり充実していて、良かったです。春先から晩夏まで一貫してこの傾向は続き、大収穫だった、といってよいでしょう。＜冬＞の方は、濃い色の締まり具合が心地よいこともあって、「明るい色が全て＜夏＞に見えてしま」いやすいのですが。やはりコツは、「まず１アイテム入手する」ことに尽きます。独特の刺激に目を慣らすことで、目が養われます。＜夏＞については、赤アイテムの充実ぶりが、プロとしては嬉しいトピックスでした。●　相次ぐ銘柄の閉鎖成果は、個々のケースでは、幾つもありますが、全般的な傾向として、優良な銘柄から潰れていっている、しょっぱい現実もあり。優良、というのは、ここでは、製造流通のコスト面から見たときに、品質と価格の実質的なバランスが取れていることを言っています。物余りと、消費に回せる資本の不足、という、物と金との異様なアンバランスが、実質的バランスを見失わせています。箔をつけるための高額ブランドと、品質を限界を超えて削り取った商品群、どちらか、という両極端な未来が、日増しに現実味を深めていくようです。従来のやり方でご依頼をお受けすることが、どんどん難しくなっていき、同時に、そのことは、避けようのない時代の潮流でもある、と感じます。潮流に適応して、分析・お探しの形態も、変化すべきかも知れません。●　時間不足足りないのは、資金だけでなく、時間もそうなのです。誰しも、多忙を極めているのが当り前の状況ですから。足と時間を多く投入できるなら、お金の不足を補って、＜似合う＞ものを探すことが可能ですが、足と時間（目と脳も）という身体的な資本も、今という時代には足りません。“悪品が良品を駆逐していく”市場動向にあっては、金銭と時間、両方の不足により、今後ますます求められていくものに、効率化、があると思われます。突破口となるキーワードは、巷間よく言われるように、ネット通販、中古市場、レンタル市場、それらの新形態であるシェアリングエコノミー、といったところでしょうか。（まだ動産“シェアリング”の実態は、中古レンタルに尽きていますが、近い将来、文字通りの「共有」（所有）の一形態となることも考えられます）加えて要請されてくるのが、大量の情報を、短時間でさらうための、情報処理の方法。今わたしがしているような、ひたすら足と目を使う方法は、（経験により、いかに職人的な手早さを獲得しようとも）時代遅れとなりつつある、といった認識も、あります。実物を予め確認する過程が、オンラインの取引で省かれるように、＜似合う＞のベーシックデータである、容貌に対する分析も、オンラインで完結できる限度で行う、という選択肢を提供することも、視野に入れていくべきではないかと思うようになっています。●　効率化策最近、立て続けに、古着屋でお買物同行を行ったのですが、思いの外、収穫がありました。①いわゆるブランド物を含め、良くできた商品が、②極めて安価で、入手できること。に加えて、③ご一緒に、実物を確認しながら行えること。も古着屋の大きなメリットです。試着チェックも直にしてさしあげられますし、「目を養う」鍛錬もしていただけますからね。これらの点は、ネット通販でのガイドや遠隔でのお探し代行にはないメリットです。これまでも、ついでの古着屋めぐりはしていたのですが、当りハズレの大きさから、メインに据えることには疑問がありました。しかし、腰を据えて取り組んでみれば、様々な発見があります。古着は、下見が不要（意味がない）ことからすると、古着屋のはしごに労力注ぎ込むことで、一定の収穫を得やすくできますし、ネット情報のガイドと組み合せれば、コーディネイトのご支援もしやすい。日常に密着した、現実的なご提案が（価格面のプレッシャなしに）できるのも、安心材料です。●　ビバ福岡ところで、一週間ほど、九州に出張していました。福岡は初めてでしたが、こんなにお探ししやすいとは…！沈んだ色が大半になるこの時期ですが、色数もありますし、銘柄や価格帯、どれをとっても品揃え豊富。とりわけ、手頃な値段のアクセサリー…ネックレスやイヤリング、指輪、髪留めなど…のカラー・バリエーションが豊富だったのがありがたかったです。福岡を本拠地にして営業リニューアルしたくなるほど。■　欄外　前回までの「白の婚礼衣装」記事について、お客様から嬉しいメールをちょうだいしたので、次回はそれをご紹介する予定です。九州から戻ったばかりで、メール対応に少々遅れが出ています。本日中に応答を進めますから、お問合せ中の方はちょっとだけお待ちになって下さいね♪クリックのご協力をお願いしております　　---------------------------------------------------------------------------　　ご依頼のご検討には、＜カラーバイタル公式ウェブサイト＞もご覧ください。　　お問合せ・お申込みは＜お問合せ用メールフォーム＞からどうぞ。-----------------------------------------------
26Sep
- 白の婚礼衣装の意味（エピローグ）…死生観と十二単
  ◆今回のテーマ：…白の婚礼衣装の意味（エピローグ）◆投票にご協力を。　一記事ごとに！両方に！クリックをいただけるとブログを続ける推進力となります。　　◆白の婚礼衣装の意味（エピローグ）…死生観と十二単●　マナーセレモニーの衣装関連のマナーを整理して、安心材料にできたら…と思って始めた記事でしたが、流布されている"マナー"は、概ね一時の便宜としてあるもので、刻一刻と移り変わっていく"空気"に、支配されるものでしかないようです。特に大戦前後で、本邦の歴史はバッサリと分断されており、だからこそ、わたしたちは多くの自由と楽しみを享受しているのですが、いざ、改まった儀式で決まり事を持ち出そうにも、多くはにわか仕立てで、ありがたみの薄さは否めません。その都度、できる限りの気配りをしたならば、ネガティブな心配は捨てて、ひたすら共に祝う心でいっぱいになる、そういうことでよいのではないかと思いました。●　儀式の性質今回、マナー方面の調べ事が下敷きになっているので、パーソナルカラーごと、パーソナルデザインごとの、「〇〇タイプは～～なドレスがお勧めで…」といった一般論は、内容に含んでいません。＜似合う＞という選択基準を提唱する本ブログではありますが、いざ実際の衣装となると、一般論通りにいかないのも事実。儀式は、似合いさえすればいいという場面ではないので、考慮すべきことが、似合う以前の段階で、色々とあります。もちろん、諸事情勘案の末、クライアントが絞り込んだ候補を、カタログででも挙げて下されば、候補それぞれについて解説をさし上げますし、それでさくっと決まります。●　ヤボは御免仕るまあ、衣装をお選びしたり、ご相談にのったり、話題にのぼれば、「やっぱりドレスが着たい」「わたしはお着物が…」お嬢さん方からは、自然で素直なコメントが上がってきます。当の嫁御にとっては、イメージは固まっていることが多いですよね。ちょっと前までは、お姑さんが婚家のしきたりから「物申す」ことも見られましたけれど、今やお姑さんもごくドライ、「お嫁さんの好きにしたらいいんでないの」ってなもの。攻防らしきものがあるとすれば、母と娘の間のそれでしょうか。今はレンタルが普及していて、品数だけはごまんとあるので、予算が障害になることもそうありません。お好みに関して指図がましいことはしたくありませんので、ご選択に関して、あえて言うことがあるとすれば…２点ほど。●　死生観一つは、「死生観」。何らかの死生観・世界観に基づかない儀式はありません。主役が、ある死生観に基づき、覚悟の上で臨めば、お式は、神聖さを帯びて、超常的な力を発揮し、衣装は、その表現として清浄と鮮烈のオーラを放ち、式場は、新たな世界設定をなす結界となります。そうでなければ、お式も披露宴も、純然たるお楽しみ会となり、衣装は、どこまでも楽しきコスチューム・プレイであり、場面は、お仕着せのシチュエーション・プレイとなります。思い切りよく、お楽しみ会とコスチューム・プレイを遊戯するも、借りものではない死生観によって儀式を神聖なものとするも、この自由な時代、どちらも素敵です。どちらも毅然と選び切れない精神の中途半端さが、"マナー"や"常識"に翻弄される原因だと思いますし、半端さかげんは美しくないと思います。※ここでいう死生観は、特定宗教に結びつくものに限定されません。●　十二単二つ目は…ハイパースペックなご参考例をば。白ではないこともあり、こちらは取り上げないつもりでしたが、思い直しました。後の貞明皇后。皇太子妃となられた結婚の儀（1900年）。「神前式」の第一号は、実は、いわゆる十二単でした。夫君の大正天皇は、天皇として初めて一夫一婦を貫かれ、新しい時代の夫婦像を体現されました。「神前式」は、国家神道で国民を染め上げる意図も手伝ってブレイクするのですが、衣装の方は、宮中スタイルが恐れ多くてはばかられたためか、一般向けには武家スタイルで定着した模様。皇后となられた1912年における洋装。お次は香淳皇后。皇太子妃となられた結婚の儀。絶世こちらは洋装。1928年、即位の礼。お二方とも、十二単では、神そのもので、生身の人間とは思えません。洋装になると一変、一人の女性の個性や気質が露わに。（洋装でもちゃんとカスタマイズされているからですが）ここから、あるメカニズムを読み取ります。●　ホンモノの衣装は、呪術がかけられていること服って、ただの防寒具、ただハダカを隠すもの、ではないんです。ひとつの、呪（しゅ）なんです。着る物は、肉体の表面から目を介して深層心理に入り込み、その人格形成や運命を、拘束し、制御しています。衣服と着る者との、相性によって、開運につながることもあれば、運気を下げることもあります。とりわけ、歴史に残るような、ある社会的グループに属する人々をアイデンティファイする様式は、呪術レベルが極めて高いものに出来上がっています。よそさんの栄光にあやかろうと、下手に手出しすると、逆にその様式に「呪われ」る羽目になります。●　呪術としての衣服衣服の様式の創生は、一種の革命です。これは、流行による微々たる変化とは違って、単なる世代交代や人員入れ替えで起こるものではありません。衣服の様式が、流行を超えて、ハッキリと時代を区切るとき、その社会を支配する、経済が、体制が、思想が、そして、その社会を代表する人的集団の遺伝子が、入れ替わりを果たしています。世は上がり階段と下り階段（と踊り場と奈落）から出来ており、出世と没落による優位者の交代劇は、常に起きていますが、通常、出世しようとする者は、時の支配階層に同化することで野心を果たそうとするので、文化面…衣服の点でもコピーあるのみです。でも、ある集団が、じぶんたちの特殊性に目覚め、旧来の支配者と異なるアイデンティティをもって、新たな支配者と成り代る、フェイタルな変化のときは、必ず、装いの様式にも、目立った革新があります。装いという面では、女性は主だった働きをします。大いなる運気の宿ったその女性たちは、自分達に固有の肉体的傾向を、最も美しく気高く見せる新たな様式を求めるし、それを得られた暁には、容易に手放せるはずもありません。それは同時に、支配の手法でもあります。他の肉体的傾向を持つ人々が、袖を通したときは、単に期待される輝きをもたらしてくれないだけではなくて、衣服はその者達を滑稽な猿真似の猿の地位に引きずり落とし、コンプレックスとあやかりの虜にしてしまいます。コンプレックスとあやかりの度合いが、あまりに酷くて針が振り切れてしまうと、もはや意図に反して服従させられたいきさつすら忘却の彼方に。支配者様式の簡易版を「常識として無意識に」まとう日々に慣らされていきます。（支配者様式が完全に独占されて、別に奴隷服が作られる場合もあり）衣服は、簡易な作りであるほど、呪うも祝うも呪縛のパワーが薄くなるので、大抵の場面では、こうしたメカニズムが、意識されることはありません。●　歴史武家は、その力が強まっていくほど、衣装もかなり上手くカスタムしたし、独自のスタイルを築いたといっていいでしょう。公家の家来か土豪、でなければ武装農民でしかないという劣等感を解消して、独立したアイデンティティを築くことに、成功した印でもあります。（この側面では、武家筋公家筋への同化合流を手段とし、維新後は欧州模倣に終始した財閥筋は、目立った働きはしていません。ゆえに大衆の内心に突っ込めるほどの支配力は持ちませんでした）ただ、武家様式も、母体である公家様式から、完全には脱却したともいえず、着る「主体」を保護する効果は、後者ほど持続しませんでした。衣服の様式は、独占してしまうと、支配の道具としては弱くなります。だから、もしも皇家の支配を徹底する気があったなら、衣服面でも真似はさせるべきでした。せめて「神前式」の結婚式くらいは。でも、20世紀、それは成立しませんでした。支配者側の衣類呪術という側面だけでいえば、一つには、様式の独占が権威を保つという時代遅れな認識。一つには、公家様式は呪術レベルが高すぎて、普及が技術的に難しい。一つには、皇家じたい、よそ（英国王家）へのあやかりモードに入ってしまったこと。大英帝国は、装いについては全くのコピー＆カスタマイズでしたが、世界標準の中枢に位置取りして模倣を歓迎した点で、一枚も二枚も上手でした。衣服の呪術的支配力は、血統のみでは活かしきれず、知略を要するということです。逆に知略があれば、ときに、血統のハードルを越えることも可能なのです。●　個人の時代もちろん、支配者層・被支配者層、なんて区分は、古いものです。現代は、個人が、人生を自ら支配しようとする時代に入っていますし、将来はその傾向が、ますます顕著になっていくでしょうから。（そうでない国や地域は確実に没落し、あるいは上昇できません）他者へのあやかりや服従に基づく衣類選択が古臭くなっていますが、日本は今あれこれ停滞中で、服飾面も悲惨というほかないので、そちら方面での進展は期待できません。当面は、ひそやかで小さな模索の状態が続くのでしょう。停滞している間に、肉体そのもののあり様が改変されるようになったり、繊維の服を着ることがなくなったりしてしまうかも知れませんが…じぶんというものを、何らかの形でもって存続させようとする限り、形ある装飾は残り、それが呪となる理も、生き続けます。呪の側面は、馬鹿にしない方がいいです。●　ドレスかキモノか俯瞰すれば、ヴィクトリアの白が、武家様式の白という亡霊を呼び戻し、「ドレスかキモノか」という既定路線になっているので、どちらにしたといって、選択に優劣が出ることはありません。十二単は呪いが強力な"現役"なので全くお勧めできませんが、スタンダードを先導する洋風と、いわば過去の支配者の霊魂とは、いずれも強力にアイデンティファイしてくれることもない代わり、いずれに寄り添うても、呪の面では概ね安全パイといえます。ただ、コスチューム・プレイも、呪術要素が皆無ではないので（というか呪術要素が自明だからこそコスチューム・プレイが成り立つ）、肉体的個性にどの程度則マッチしているかどうかは、やはり吟味なされた方がよいでしょう。日本人が伝統だ格式だと信じ込んでいるものの大半は、歴史的にはごく短期間しか持続していないので、そこをありがたがるより、肉体条件とのマッチングの方が重要だと考えます。いうまでもなく、衣服の呪は、＜似合う／似合わない＞が出発点ですから。その意味では、上の比較画像は、極めて有意義な参考材料です。決め手を欠くことと、自由に選べる、ということは、表裏一体で、迷いもリスクもありはしますが、迷うことができる幸福を手放したくはないものですね。願わくは、他の多くの選択肢が現れんことを。■　欄外　貞明、香淳、両皇后（当時は皇太子妃）のときは、完全無欠。まさに神がかりな十二単。これは、合せや着付けのハイレベルっぷりも大いに関与しています。なにしろ、民間出身の三妃の十二単が…あがが。着付け技術の伝承によほど難があったのか、それとも、露骨な差別か…ともかく、美女なら何をどう着ても同じ、なわけではないことはよく分かります。クリックのご協力をお願いしております　　---------------------------------------------------------------------------　　ご依頼のご検討には、＜カラーバイタル公式ウェブサイト＞もご覧ください。　　お問合せ・お申込みは＜お問合せ用メールフォーム＞からどうぞ。-----------------------------------------------
19Sep
- 白の婚礼衣装の意味（3）ヴィクトリア女王②[修正版]
  ◆今回のテーマ：…白の婚礼衣装の意味（2）ヴィクトリア女王②◆投票にご協力を。　一記事ごとに！両方に！クリックをいただけるとブログを続ける推進力となります。　　◆白の婚礼衣装の意味（3）ヴィクトリア女王②（復元版）※前に誤って削除してしまったものの修正復元版です。●　清純の白清純・貞淑コンプレックスに、グレートブリテンの全女性が飲み込まれた時代。＜白の手管＞が、社交界で常套手段となった後、一般公開されたのが、ヴィクトリア女王の結婚式。赤だとかに比べれば、心理的に手が伸びやすい色。紳士の皆様はもちろん、おじさまおばさまウケも良いに相違なく、八方丸く収めて嫌味なく、ヒロイン気分を味わえる…自我を抑圧されていた娘達にとって、これ以上ない自己演出。●　白のハードルさらに重要なことには、英国都市部は情報化社会へと突入していました。新聞、雑誌などの出版物から、セレブリティの暮らしやスタイルを、多くの人が知ることができるようになっていたのです。少女マンガさながらの、若き女王と貴公子の恋物語が、実話として、白のドレスに付着して喧伝されたわけですよね。イメージ戦略の走りですね。低迷していた王室人気が、これで急上昇したのですから、大当たり。（今に至るまでロイヤルウェディングSHOWは英国王室の家業であります）間接的に知らされたからこそ、イマジネーションは燃え上がり、膨らんでいきます。素敵な男性との出会いが恋に発展して結婚に結実して白き花嫁のフィナーレへ。白の婚礼衣装が記号となって展開されたイメージ。自由に乏しい、乙女達の心臓を射抜いたそれが、憧れから希望に変わるとき、大いなる煩悶が彼女達を襲います。●　白の経済今なお白は、汚れが目立ちやすいという理由で、しばしば回避されます。（逆に安価な消耗品では、染色が手間なので白が選ばれやすい）天然繊維は、紫外線で変色し、洗えば伸び縮みが起きます。薄い色は、しっかり染色した場合よりも、虫に食われやすいですし。布地となると、長持ちはさせにくいんですよね。当時、婚礼衣装は、結婚後も、改まった場所で流用されました。（ヴィクトリア女王も、婚礼衣装をたびたび使い回しています）使い回すという目的からは、白という選択は機能的ではなかったわけです。また、ヴィクトリア朝の始めは、衣装もまだ手縫いの時代です。当の花嫁スタイルには、レースのベールが必須アイテムだったのですが、そのレースからして、全て手縫い！グレードを下げても、大変な費用です。このように、白いドレスは不経済です。ムダともいえます。実際は、節約を採って、白いドレスを諦めた女性も多かったのでした。●　パンドラの箱しかし、ムダな贅沢だからこそ、高い価値がつくのも事実。不経済ゆえに、晴れ舞台に白の衣装で臨むことの価値が大きくなり、全く不可能ともいえないからこそ、憧れはやまないのです。この時代、市民が貴顕の真似をしても、公には咎められません。親に理解と相応の金銭があれば、手が届かないではなかったのです。ヴィクトリア朝63年の間に、英国は空前絶後の高度成長を遂げ、国民の暮らし向きは全体としては飛躍的に向上し、その意識も拡大します。この高度成長の開始は、人々にパンドラの箱を開けてみせました。社会の大部分を覆っていたのは、まだ、陰鬱で不条理な、貧苦の闇。垣間見える、華々しい成功譚の数々。漏れ伝わる幸福な逸話。あたかも、手に届くところにあるような、夢と希望。それまでといえば、庶民は死後の天国だけを空想していればよかったのが、この時代には、現世に希望というものは、ないではなかった。希望がないではない、と思う人口を、あたら増やしたこの時代。依然として、希望が叶う見込みは、極めて小さかったのですが、人々は現世の希望を追いました（だから高度成長したわけですが）。手に届きそうで届かない夢ほど、まばゆい夢はないものです。現実には、大勢の女性が諦めたからこそ、生涯一度の白の晴れ舞台は、輝かしい夢として、やがては国境を越えて、多くの女性達を巻き込んでいきました。（時間差はあれど、日本もこの夢に飲まれたエリアですね）人類。集団の夢と化したものについては、実現するものです。ヴィクトリア朝の間に、機械織りが普及し、中古品市場が成立し、安価で立派に見える衣装を作って売る店も出てきて、白の婚礼衣装も、狂おしい憧れから、定番へと移り変わっていきます。●　しるしさて前回の続き。服装がカブりまくりな結婚式。差がどこでついているかというと、まず布の分量。これを端的に示すのが、厚くて長いトレーン（引き裾）。そしてグレードの違い。衣装の表地は、厚手のサテン。厚みと光沢が違います。それと、ダイヤの首飾り、耳飾り。サファイアのブローチ…。しかし、NHK放映のドラマを観て、「サファイアちっせー」とひとりごちました。送り主が、爵位ナシ部屋住み、締まり屋の三男坊であったことからすると、ドラマの方が正確かも。絵画より実物が質素なのはありうることです。コスチュームそれだけを取ってみれば、差はありはするが、誰が見ても分かるほど大きな差ではない、というところでしょうか。そもそも、白の花嫁衣装は、夫（男性）が主（あるじ）であることを前提に、妻（女性）が一歩下がって儚げに寄り添う、そういう理想の表現。重鎮たちの中で、ちんまりと、目立たない、だけにかえって、新婦の可憐さが、王のステイタスが、さりげなく、なにげなく、浮き彫りにされているといえます。身分による歴然たる隔絶、頻繁に豪華なドレスを着るライフスタイル。ならば、嫁として立つ日は、いっそ目立たないくらいが、好印象。彼女の乙女チックな性格と、流行が叶えた様式とはいえど、「政治的に正しい選択」ともなっているのが、さすがといえましょうか。つまりここでは、差のなさが、差です。◆　お知らせなど■　欄外　うっかり削除してしまったヴィクトリア②の記事、修正を加えつつ上記のように復元しました。記事の日付は、内容に変更があるため、復元した日時とさせていただきます。クリックのご協力をお願いしております　　---------------------------------------------------------------------------　　ご依頼のご検討には、＜カラーバイタル公式ウェブサイト＞もご覧ください。　　お問合せ・お申込みは＜お問合せ用メールフォーム＞からどうぞ。-----------------------------------------------
30Aug
- 白の婚礼衣装の意味（6）日本式③＆もろもろ
  ◆今回のテーマ：…白の婚礼衣装の意味（6）日本式③◆投票にご協力を。　一記事ごとに！両方に！クリックをいただけるとブログを続ける推進力となります。　　◆白の婚礼衣装の意味（6）日本式③●　「婚家の色に染まる」？白無垢は、「婚家の色に『染まる』」という意味が今に伝わっています。武門の嫁御は、送り出す勢力の出先機関でもあれば、人質でもあり、実家を取るか婚家を取るかは、政治的判断を要するところ。「そちら様の色に染まります」って、当り前にいえる雰囲気があったのか、武門の姫君がそこまでお安かったものかと、いぶかしさを覚えます。白無垢は、切腹時の装いでもあります。世界最強にして史上最凶の剣技を生んだ、日本のもののふ。どうせなぞらえるなら端的に、「この白の染まる時は、鮮血に染まる時よ」、くらい言って欲しいものです。このフレーズは、ある時期以降は白無垢が武家に専属しなくなったが故に流布されえたものなのではないかと思えます。●　「あなた色に染まる」フレーズに見える超リアリズム「どうとでもそちら様の色に染まります」…このフレーズから漂うのは、下手に出つつ、実質的な立場の強化を重視する、実際家のニオイ。厳密にいえば、染まりやすいのは白というより（色料の白は強い）、布地であることからしても、このフレーズには物質主義的な感性があります。●　江戸ぴりおど…降りる階段、上がる階段最後の武家政権であった江戸時代は、町人文化が花開き、武士が滅びの道を辿った時代でもありました。戦国が終り、天下泰平の到来、始まったは高度経済成長。農業を筆頭に国内生産力が向上、全国隅々までを繋ぐ流通網が整備され、商品経済・貨幣経済が浸透します。奢侈品を含めた消費も大幅アップ！武士が特権階級になれたのは、それまでが戦乱期だったからですが、行政管理や上役のお世話などをして米の俸禄で生活するようになり、貨幣に対する米価の相対的下落で、武士の多くが困窮を深めていきます。反面、生産・流通を担う平民のサクセスストーリーが相次ぎます。豪農・豪商といわれる彼らは、商品とサービスを供し、金を貸し、公共事業を引き受け、武家と癒着してその利権を吸い上げながら、富を築き、贅を凝らした暮らしぶりで社会的優位性を高め、武家政治を、骨抜きにしていきます。危機感を持った幕府は、百姓町人を生産母体としての枠組みに押し留め、武家を質実剛健の本分に立ち返らせて、体制を維持しようとします。美味い物食うな、良いもの着るなと、質素倹約・奢侈禁止運動へGO。しかし平時に経済力以上の力はなく、反動的な統制は行き届きません。そして平時が次の戦時に向かうとき、旧来の支配体制は崩れ去る運命です。●　融合、普及江戸時代のとりわけ中・後期にかけて、強大な実力を持つに至った豪商の中には、呉服商から興った家々が代表格として入っています。新興ブルジョワが、元は武家らしく簡素であったであろう白無垢を、華麗で豪奢な様式に高めて商品化し、武家に納品するのみならず、自ら用い、富裕平民にも売っていったわけですね。公家や武家（王侯貴族）といった階層が社会の上に乗っかっていたのと異なり、新興富裕層は、生産流通の内部に居場所を築きます。前者にとって、折々の衣装を含めた作法やしきたりは、祖先からオリジンを引き継ぐことに意味があって、それ故にオリジナリティのあるスタイルを築き上げます。そのスタイルについて、易々とコピーを許さないことで支配力を維持しますし、そのスタイルを自ら放棄する時は、アイデンティティの喪失につながります。後者は、売れるときに売れるものを売り、売れなくなったら即放棄が身上。市場価値を維持できる限り、自ら用い、また買える相手であれば誰にでも売ります。武士の時代が終わりを告げたとき、白無垢についての身分タブーは、完全に消えたといえます。流れとしては、武家のしきたりとして由緒が付され、そこにブランド価値を見い出したブルジョワによるカスタマイズを受けて、富裕層に採用されていき、紆余曲折（マイナー化した時期もあり）を経て、洋装ウェディングと対比される形で再び脚光を浴び（ブライダル産業勃興）、新生・白無垢は、和装ウェディングの定番の一つに…という感じでしょうか。●　挫折（だいぶはしょって）流れを見たはいいですが、困りました。「死装束ほどの神聖かつ高潔な意味を帯びる以上、当人以外が身につけるのは凶兆でしかない」といった感じで、硬派っぽく、こじつけられるかと思っていたのですが。現世利益主義でゴージャスな商家スタイルに、死装束ロマンがそぐわない、という点は、本家本元を範にすればよいとしても。前半から、後半が、導けないことが判明。というのも、武家の白無垢でも、お付きの女性たちが白装束で花嫁に付き従った、という記録があったから。そういうわけで結果的に、武門の白無垢でも、ヴィクトリア女王のケース同様、「白ＮＧ」マナーを引き出すことができませんでした。●　花嫁付添人の白欧米についていえば、現代でも、白が要請されるケースはあり。白の衣装が、全員の一体感をもたらしていますね。素朴で和気あいあい。付添い人たちの白は、現代的には、「お付きの者」ではなくて、近しい人々と祝い事を分かち合う意味が強いことからすると、「白を避ける」というマナーに、普遍的な理を求めるのは、無理なよう。●　自由と儀式の空白を埋めるもの何が困るかというと、「空気」によって定まったルールは、適用範囲が定かでないこと。日本では、大戦によって歴史が真っ向断絶しているので、特定の死生観の上に代々積み上げられてきた文化風俗というものを、現代人の多くは背負っていません。歴史の痕跡を辿り、＜白＞のロマンを深めることはできますが、現代的で地域限定的なマナーの根拠を引き出すことまでは無理でした。＜白ＮＧ＞は、現在のトレンドに沿って設定されている、とみるよりなく、別の方面からアプローチした方がいいようです。●　他人同士が集まる儀式両家の郷里が異なる、親族が各地に散らばっている、仕事先・取引先の関係者まで呼ばれ、おエライさん方が引っ張られてくる…いつの間にか、大変オフィシャル度の高い集まりとなった現代日本の結婚式。共同体における伝統の承継であれば、参列者が全てを承知できますが、多様な背景を持つ他人の集まりでは、流儀による采配は難しいです。●　白の真骨頂視覚上の指標として、最も分かりやすいのは、明度差です。明るいか暗いかの識別が、視覚機能の最も根本的な部分だからです。（錐体より桿体の方が、圧倒的に数が多く、またよく作用します）最も明度の高いのが、白色です。主役以外に「白い人」がいなければ、もっと分かりいい。（カブるというより、もっと根本的な話ですね）この意味で「マナー」なのだとすると、ゲスト側で避けた方が無難な白について、明るさ・眩しさを中心にして考えることになりますね。●　白の意味、裏側婚礼衣装といえば、やはり絹。製錬しただけでも美しい輝き。一方、染めればそれだけ生産コストが上がります。姫君も、生殖の道具となってナンボであったわけで、夭折率も高かった時代、お役目を果たす前の衣装に、どの程度までの出損をする意図がお家にあったでしょうか。少なくとも白無垢は、社会的に最上級の衣装だったわけではないです。平安貴族社会⇒武家社会（戦国⇒太平期）⇒明治この流れで、女性の地位と自由度が下っていっていることにも注意。明度は高く分かりよく、コストやや抑えめ。白には合理性もあったといえましょう。始まりの色、そして終末に相応しき色、ではあれど、最盛期を司る色ではないでしょうね。最上の色とみるのではなくて、未知の最上の色を招き寄せる色だと、想定しておくのがよいかも知れません。（人生最良の日が結婚式の日になるのはベストではないですからね）国の経済力が落ち続けて、お色直しを控える風潮が強くなったりすると、普段着同様、衣装の質を下げる形で応じるのが自然の流れでしょうが、そうすると次世代以降が憧憬の目を向けなくなるので、色モノや複数配色の衣装に戻っていく方向性が、ありそうな気もします。（了）十二単も取り上げようかと思ったけれど、もうすでにまとまりがつかないでいるので、やめておきます。ヴィクトリア②は幸いメモが残っていたので近日再アップします。◆　お知らせなど■　欄外　欄外的に、嫁様の白、で最後に思い出したのがタージ・マハル。死後も続く誓いには、確かに白が相応しい。美しい。婿殿の黒い霊廟が向かいに建つ予定だったとか。実現していれば永遠に続く婚礼か…王妃ムムターズ・マハルは武門の嫁を地でいく生き様死に様といえますが、それだけでなく、夫に死後のプレゼントを要求した点でも、歴史的廟という内容でも、叶えられたという点でも、他でもなくこの形で結実したという点でも、うるとらスーパーに不世出な嫁御だな…。By Paul Williams from United Kingdom - Wedding Lineup, CC 表示 2.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=17455052By Kuebi = Armin Kübelbeck -, CC 表示-継承 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=3038386By Taj_Mahal,_Agra,_India_edit2.jpg: Yann; edited by King of Heartsderivative work: Jbarta (talk) - Taj_Mahal,_Agra,_India_edit2.jpg, CC 表示-継承 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=17075129クリックのご協力をお願いしております　　---------------------------------------------------------------------------　　ご依頼のご検討には、＜カラーバイタル公式ウェブサイト＞もご覧ください。　　お問合せ・お申込みは＜お問合せ用メールフォーム＞からどうぞ。-----------------------------------------------
20Aug
- 白の婚礼衣装の意味（5）日本式②
  ◆今回のテーマ：…白の婚礼衣装の意味（5）日本式②◆投票にご協力を。　一記事ごとに！両方に！クリックをいただけるとブログを続ける推進力となります。　　◆白の婚礼衣装の意味（5）日本式②●　ぞっとする美しさ白無垢は、背筋が冷えるような、ぞっとするような、美しさを感じさせます。寒気のする、ぞっとする、美しさを、白無垢には見たい…と感じさせます。清楚なんて他愛ない可愛げを飛び越えた、この世のものならざるような、ひどく霊的な…怖いようなオーラ。白無垢を含めた和装だけが実現可能な、独特の雰囲気だと思います。もしも、これから花嫁さんになられる方が白無垢をご選択なさって、「めいっぱい幸せそう、キレイよ〇〇ちゃん」ではなくて、「今日の〇〇ちゃん、キレイすぎて怖かった、鳥肌立った」と言われる方に関心をお持ちなら、衣装をお召しになるときに、心の中に、死生観を伴うイメージを作る、という手法を採用なさるのも手です。イメージは表情を変え、身動きを変え、姿かたちを変えますから。衣装に抱く、ロマンティシズムを高めておく、といえばよいでしょうか。●　死と再生婚姻は、とりわけ女性にとっては、いちど死ぬことだ、婚礼は、とりわけ女性にとっては、死と再生の儀式である、と言ったら、大げさに過ぎるでしょうか。大げさですね。今となっては。現代の結婚式は、ひたすら陽性、プラスイメージで作り上げるのですが、白無垢には、これがそぐわないんですね。今あるより大きな幸福を実感して、もっと美しい花嫁として君臨するために、ここは一つ逆転の発想で、陰性のイメージを持つのも、いいものだと思います。ロマンティシズムが幸福感を高めるには、大げさなのが有効ですし、死の想念を伴う以上の、ロマンティシズムって、ないんですよ。●　武家に嫁ぐ…昔のお嫁さんは大変でした白無垢は、上級武家における婚礼衣装でした。武家の婚礼というと、家同士の縁組であり、恋の成就ではありません。夫や婚家との相性は不明です。夫に愛されないこともよくあります。婚家の親に気に入られずとも、一心に敬いお仕えしなければなりません。嫁は、実家と婚家を、政治的・経済的に結び付ける役割を担います。実家の利益を代表する出先機関でもあり、舵取りのバランスは難儀です。家の都合による離縁もありうるし、正室も地位安泰とは限りません。家の存続のため、子（とりわけ男児）をなすことが至上命題ですが、お産で命を落とすこともあれば、死産となることもまれとはいえず、乳幼児の死亡率も高い時代です。子ができないこともあり。女主として、何があろうと対外的には超然と振舞わなければいけません。（内々にはしおらしいところも見せないといけないでしょうが）家出したくなるときがあっても、里帰りも容易に叶いません。他の女性が夫の愛を受けても、感情を荒立てたりしてはなりません。我が子に先立たれても、泣き通しだったりしてはいけません。別の女性の子が跡取りとなることなど幾らでもあるし、なさぬ子の母として役割を務めなければならないこともあります。お家騒動が起これば、当然渦中に叩き込まれます。武門であれば、家を守るため、あるいは自らの貞操を守るため、いざとなれば敵に刃を向けて抗い、これまでとなれば自刃すべき定め。嫁に求められるのは、滅私ですね。●　聖なる死に装束白の意味合いには、時代により場所により、様々のものがあったでしょう。宮中のしきたり、仏教や神道など宗教的な発想…とはいえ、武門の誉れはイクサにあり。滅びの美学が付帯してこそ、ロマンティシズムも高まるというもの…懐刀を伴う白無垢の、その意味の深淵なるところは、死に装束そのものであった、と読み取るのはどうでしょうか。あやうい死と滅びの凶兆さえも同時に宿すからこそ、その覚悟を帯びたかんばせは麗しく、白装束が霊的な神聖さを湛えます。黄昏から夜間にかけて深まる闇の中、ろうそくの明かりの中に、浮かび上がる白装束は、この世のものならざる霊的な美をかもし出したことでしょう。それは再生へのプレリュードでもあります。●　赤、黒と続く、オンナの一生ストーリーとはいえ、死んでおしまい、では困ります。無垢にして清らかとは、庇護を要する脆弱さと同義ですから、やっぱりそのままでは困ります。家の繁栄、影でカギを握るのは女主なのですから。成熟した力をつけていってもらわなくてはなりません。当時の結婚式は何日も続いたので、ずっと真っ白けでいられたら、場が冷え込んでしまうでしょうし…白の花嫁は、いわば霊界とのはざまにある状態。そこからぐいと現世に踏み出して、生き生きとした、現世的な華やか、にぎやかさ…生命力を、場にもたらしてくれなくては。ということで、再生と生命の息吹を表すお色直しが必須です。王道は、赤を基調とした衣装。大輪の花。熱き血潮。赤々と灯る炎。世を照らす太陽。産声を上げる赤子。…で、ことによると、その後さらに、黒地へのお召し替えが待っています。もともと白・赤・黒ないしこの取り合わせを特別視することが宮中等でされていたようですが…江戸後期から、三襲というのが出てきて、打掛（掻取）を、白⇒赤⇒黒の順で、着替えるなり、重ねて着るなりされていたようです。この黒は、光という光を吸い込んでは、ふっくらとしてくるような、そんな黒。布を真っ黒に染めるのは、手間も技術も染料もめいっぱい要って、優れたものは、黒染めだけを扱う専門店への依頼になります。とんでもなく高価だったわけで、それだけに、花嫁向けの黒地が出てくるのも、年代は遅めだったようです。白⇒赤⇒黒こういう順番で並べると、命や宇宙の循環を見るようです。そして、端的に、刺激的でダイナミック。花嫁を眺めるだけでも、一大スペクタクルを味わえたでしょうね。もしも白無垢を選択して、お色直しをしないのであれば、赤などの差し色がされているものを選ぶと、よいかも知れませんね。●　白無垢の奪取死に装束なんて言ったら、嫌がられてしまいますかしら。でもご安心。武士の美学を、現代人が背負う必要性はありません。というのも、白無垢が一般に普及するようになったのは、武家から直に、ではないと思われるからです。間のワンクッションになってくれた人たちがいます。●　支配階級の衣装を奪取する白無垢を着るというのは、かつての支配層が特権的に着ていた衣装、それゆえに支配力と権勢の印であったものを、いうなれば奪取した、ということでもあります。特権的な衣装や生活様式の奪取ないし模倣というのは、支配体制が組み換わるときに、目立って起こる現象です。どんなふうに、一般化にこぎつけたのでしょうか。階級の異なる者の服装をむやみに真似ることは、通常、タブーです。実際、江戸幕府は、庶民の服装が贅沢になることを嫌って、たびたび取り締まりを行っていました。（続く）◆　お知らせなど■　欄外　うっかりヴィクトリア編②を消してしまいました。がーん。内容を覚えてもいないのですが、何とか書き直そうと思います。ヴィクトリア女王のウェディングドレスは、NHKでぜひチェックしましょう。クリックのご協力をお願いしております　　---------------------------------------------------------------------------　　ご依頼のご検討には、＜カラーバイタル公式ウェブサイト＞もご覧ください。　　お問合せ・お申込みは＜お問合せ用メールフォーム＞からどうぞ。-----------------------------------------------
15Aug
- 白の婚礼衣装の意味（4）日本式①
  ◆今回のテーマ：…白の婚礼衣装の意味（4）日本式①◆投票にご協力を。　一記事ごとに！両方に！クリックをいただけるとブログを続ける推進力となります。　　◆白の婚礼衣装の意味（4）日本式①●　日本式、婚礼の伝統とは…後半では、日本版をまとめようと努力したのですが…結論からいうと、無理ですね。婚姻をはじめとする、文化習俗のスタイルは、家（血統）、村、藩といった単位でも異なれば、士農工商といった社会階層による差も激しく、ごく短期間で、様式が、めまぐるしく変容しています。「ニッポンの心」なるものをアイデンティファイする、伝統なるものは、すべからくでっち上げですね…。この国の習俗は、あられもないほどに、変化にオープンであり、外来のものが多数混じりまくって、めちゃくちゃのぐちょんぐちょん。いっそ清々しいほどの、いーかげんさには、国への愛着を新たにするほどです。●　正解なしの「伝統」結婚式にしても、その衣装にしても、伝統というからには、その様式のアイデンティティが長いこと連続していなければなりませんが、（家や村など小さい単位では別として）そんな事実はうかがえません。例えば、神前式の結婚式の、人気が再燃していますが、それとても、文化レベルで列強に追いつきたいばかりに、キリスト教を真似て明治に作られた、にわか仕立て。いわゆる白無垢にしても、室町時代が発祥といわれるものの、守り抜かれた伝統としてのアイデンティティは欠いているわけなので、ずばりこんな意味がある！といった、正解がありません。色としても、白だけがスタンダードだったわけでもなく、色打掛や黒地の引き振袖が正式なものとして存在しています。●　白のスタンダード確立とはいえ、白無垢に白の綿帽子もしくは角隠し、といったスタイルは、今や最も人口に膾炙した、“伝統的”スタンダードではある、といえましょう。（TV時代劇やドラマでは、たいていコレですしね）なぜ、白だけが、現在これほどまでに、別格の扱いなのか？というテーマは、依然として有効です。●　白の意味とイメージ…プロローグ公式見解が存在しないわけなので、ここは一つ、自由な発想でもって、白の婚礼衣装の意味を、考えてみようと思います。２回か３回で、表の意味、裏の意味を考えますが、今回は導入部ということで…。●　パンツといったら白パンの、白パンといえばヨメさまの清純コンプレックスが女性を支配する時代と、白＝清純　の公式とは、かなりの連動性をもっている気がします。ところで、白＝清純　といって、わたしが思い起こすのは、パンツです。その昔、園児だったわたしは、おしりの部分にレースフリルのぎょーさんついた白パンを持っていたのですが（むろん母親のチョイス）、それが登場するたびに、さらに幼いきょうだいが、「オヨメサンのぱんつだ！！」と叫んで囃し立てていたのを思い出します。やがて、学園ドラマの世界では、本命ヒロインのパンツは何がどうでも白でなければならない、というテーゼに触れました。そこでは、黒と紫は、悪役か、浮気相手のパンツの色で、インランさのシンボルです。おおむね年上の女という設定。薄ピンクは準正統だが、白パンには叶わないのでした。基本は無地。ワンポイント的なリボンやフリルはグッジョブですが過剰になるとNGで（我がおヨメぱんつは失格です）、あくまで無地が王道。許される柄は、小さな水玉くらい。青少年諸君には、少女たちの意に反して、花柄は好まれていませんでした（これは今も同様でしょう）。幼稚な幼稚なパンツ十二階制度は、TVやマンガの中だけではなく、現実世界をも支配していることを、やがて知ることに。服の自由も関心もなかった（こづかいも少なかった）ため、母の購入になる様々の柄パンを修学旅行などでお披露目すると、清純パンツ派の級友らから白い目で見られたのも思い出です。本人がそこに何の意味も見い出していないとしても、他人は、その衣類の色や柄で、着ている人の人品骨柄を判断します。着衣の色柄が、強力な条件反射を呼び起こす、という現象を、当時はただ不可思議な思いで眺めていました。●　白と洗濯パンツといえば、洗濯です。白パンとなれば、なおさらです。日本人は洗うということに、異様なまでの熱心さをもつので、（衛生面を越えて、心理的なものが多く働いているのだと思います）洗剤類の広告も、物凄いクオリティを持った映像作品となっています。洗濯洗剤のＣＭには、たいてい、白の衣類やタオルなどが登場しますし、台所洗剤のそれでも、ふちどりもない、白のお皿が定番です。泥や油にまみれた、白の衣類やお皿が、真っ白に蘇る様に、わたしたちは、清潔の極地を見る気がします。ということは、白の白さを十分に知覚するには、白は予め汚れていないといけないでしょうね。●　逆説的な意味白のイメージを検索すると、現代日本人に関する限り、「清浄、清潔、清純」と、ほぼ＜清い＞イメージ一辺倒で、社会的コンセンサスがあるのがうかがえます。「無垢、無罪」というのも、同列のイメージです。ところが、ひねくれ者は、＜清い＞こと、だけを象徴する、何がしかがある、という説明に、納得がいきません。何もこむずかしい思想を検めなくても、白パンを穿いた経験があれば、感覚的に分かることですが、清浄は、不浄と、表裏一体であるものです。白が、「神聖」な色だという説明も、同じことです。「清純無垢にして神聖さMAX100％」の色なのだとすれば、それは同時に、「汚わいにして凶兆MAX100％」を表していないと、おかしいのです。花嫁以外の女性が、お式や宴で白を着たりしない方がいいと思うのは、表の意味としては、このあたりからの着想です。（続く）◆　お知らせなど■　欄外　近世から正装が白黒赤金の配色になっているのって、日本も英国も同様ですね。製造流通もあるでしょうが、心理的な背景を探るのは面白そうです。洗うといえば、日本とは縁もゆかりもなかったアライグマが『ラスカル』以来人気となり、国内で飼われるように。今や野生化しちゃって大変みたい。洗いすぎは環境破壊です。■　10月中旬、九州出張　12～14福岡。その後は大分へ。クリックのご協力をお願いしております　　---------------------------------------------------------------------------　　ご依頼のご検討には、＜カラーバイタル公式ウェブサイト＞もご覧ください。　　お問合せ・お申込みは＜お問合せ用メールフォーム＞からどうぞ。-----------------------------------------------
07Aug
- 白の婚礼衣装の意味（2）ヴィクトリア女王①
  ◆今回のテーマ：…白の婚礼衣装の意味（2）ヴィクトリア女王①◆投票にご協力を。　一記事ごとに！両方に！クリックをいただけるとブログを続ける推進力となります。　　◆白の婚礼衣装の意味（2）ヴィクトリア女王①●　結婚式のお約束この記事は、去年、結婚式がらみの仕事で、衣装のマナー方面での迷い事にぶち当たることが多かったため、そのモヤモヤを整理したくて（ほんの中継ぎとして）書き出しました。が、白禁忌の、直接の契機（の一つ）がヴィクトリア女王にあるので、軽い気持ちで当たってみると、出るわ出るわ、「なるほど、これでは乙女の白信仰やむなし」というくらい、歴史的な、経済的な、政治的な、もろもろが出て参ります。記事の終わりがどこに辿り着くのか分かりませんが、ここはひとつ流れに任せてみようと思います。よろしくお付き合い下さいませ。●　ヴィクトリア女王さて、「女の子なら誰でも憧れる白のウェディングドレス」、その原因を作ったとされる英国女王ヴィクトリアのウェディングドレス。婚礼の記録絵画。構図と光の当て方は主役を示しており、お顔を見ればこの方、というのも判別できはする、ものの…さりげなさすぎて、分かりにくい。手を取る新郎の赤い上着がなければ、花嫁の存在を見落としてしまいそう。その原因の一つが、今の私達の“常識”に反した光景…。クローズアップ。花嫁を取り囲む女性達、総“白衣”状態。背後のブライズメイド達なんて、衣装の型から花飾りから、被りまくり。「花嫁以外は白を避ける」という不文律は、“オリジナル版”に存在していなかったことは明らかです。●　普段着からして、白のウェディングドレス的なヴィクトリア女王のTVドラマが始まったばかり。ご覧になられている方はご存じだと思いますが、普段着からして、白いドレスのオンパレード。正装で描かれたと思しき、少女期の肖像画でも…描かれるときは衣装のグレードが上がっているとはいえ、やはり白。●　19世紀、白のトレンド⇒スタンダードへ19世紀初頭までの正装は色物メインでしたが、やがて一部の女性が、白で抜け駆けを始め、ウケたのでしょう、その属するハイクラスの世界において、徐々に広がっていきます。そう時をおかずして、宮廷のご婦人の礼装は、白がスタンダードに。ヴィクトリアの戴冠式でも、全体的に“白衣”が目立ちます。この時期の公の場面での衣装配色は、白・黒・赤・金ですが、男性のおエライさん方は、黒メインがスタンダードになっていますし、赤の上着は、軍服を表示するものとなっていますし、黄金がメインだというのは、戴冠式での王のような例外ですから、白メインの衣装がご婦人方の受け持ちになったのは、自然ななりゆきかもしれません。ヴィクトリアのティーン時代は、白が、上流階級での流行から、上流階級でのスタンダードに成り上がったタイミングだといえます。●　白と黒白、黒がうむをいわせぬ力を発揮するタイミング。それは、生きていくためには戦いが不可避となった世相を背景に、カラフル状態へのアンチテーゼとして現れるのが相場です。絶対王政までの王侯は、赤、青、黄…あからさまに華やかな色で、到底敵わない存在であることを被支配者に見せつけました。18世紀の終り、王侯は、戦争をするが犠牲は他人任せでよかった時代から、放逐されます。最大のトピックスはいうまでもなく、フランス革命ですね。市民階級が成長し、王侯の力は減退。王といえども、市民の人気取りをしなくては、やっていけなくなっていました。国政に影響力を及ぼせる者も、各階級に分散したわけですが、争いつつ同じ議場で国のかじ取りをしていく人々を、一つの秩序にまとめあげるユニフォームとしては、黒が選ばれました。王侯であっても、１人の、戦わなくてはならない男の一人として、そのユニフォームに組み込まれたわけです。●　黒黒という色もまた、グレードの違いが如実に表れる色です。一定程度以上、暗い色を、人間は総じて黒と呼びますが、布地を真っ黒に染めることは、低コストでは絶対に叶わないことゆえに、美しく品位のある黒には、そうそうお目にかかれません。黒がある種のユニフォーム化すると、位や力の違いを歴然とではなく、外に向かってはむしろ曖昧にぼかしながら、なお、その違いが存在することはさりげなく、内々に示すものになるのです。●　白絶えず不安にさらされた状態の男性群が理想として求める女性像とは、ずばり、＜清純・貞淑＞を絵に描いたような女性だということになります。より遠くへ行き、より長く家を空けるわけで、逐一相手をしてやらなくても不貞を働かず家を守ってくれないと困るのです。身分を問わず、男性は絶えず不安にさらされる状態に落とされたわけですので、財産と家柄次第ではかなりの自由を謳歌できていた上流の女性達も、＜清純・貞淑コンプレックス＞に強く支配されるようになっていきます。この状況に対応するために、白が選ばれたのは、必然なのでしょうね。白は、全女性が＜清純・貞淑コンプレックス＞に陥る中では、なるべく実際上の不利益を被らずにすむ鎧として、最適です。ヴィクトリア戴冠の時点では、一般女性にとって、白はまだ肌着や死装束、あるいは、どちらかといえば貧しさを表示する色であったはず。清純・貞淑を、シンボリックに表示しながら、力とセンスの違いをさりげなく誇示する手管は、ただの白ではなく、ハイグレードの白を着用することができる身の上でなければ用いることができなかったでしょうから。この手管が、閉鎖的な宮廷や上流の社交界においてスタンダードと化した後、一般女性に広く公開されたのが、ヴィクトリア女王の結婚式でした。●　乙女の白借金だらけの実家で、ステージママに育てられた乙女は、転がり込んできた王位を積極的に受け取る意欲はあったものの、才気煥発、ファッションリーダーといったタチではなく、同じ年頃の令嬢たちと同じ流行にのることを好み、淡い恋心を抱いた夫には、１人の女性として服従を誓いたいと望みました。さらに、議会内の評価も、国民の人気も、不安定であったヴィクトリアは孤独で、絶対的な支持をくれる仲間を必要としていました。差は、縮めて見せなければなりません。ヴィクトリアは、ゲストに花を持たせてもらう立場ではなく、ヴィクトリアが、ゲストに花を持たせる立場。可能な限り一体的に、栄えある舞台を分かち合うことが祝福。大英帝国女王、意中の美男貴公子と結婚。差をつけてもらう必要なしですけど…。同時に、差は、表示もされねばなりません。いとさりげなく。最も端的なシルシは……？（続く）◆　お知らせなど■　欄外　■　10月中旬、九州出張　12～14福岡。ご依頼お待ちしております。クリックのご協力をお願いしております　　---------------------------------------------------------------------------　　ご依頼のご検討には、＜カラーバイタル公式ウェブサイト＞もご覧ください。　　お問合せ・お申込みは＜お問合せ用メールフォーム＞からどうぞ。-----------------------------------------------
03Aug
- 白の婚礼衣装の意味（1）メアリー・スチュワート
  ◆今回のテーマ：…白の婚礼衣装の意味（1）メアリー・スチュワート◆投票にご協力を。　一記事ごとに！両方に！クリックをいただけるとブログを続ける推進力となります。　　◆白の婚礼衣装の意味（1）メアリー・スチュワート●　結婚式のお約束結婚式の衣装では、様々なお約束事が、あるようでいて…あやふやです。何が「粗相」として非難の対象になるのか、日本人はそこに神経を尖らせます。わたしもクライアントに万が一にも恥をかかせたくないので、つい神経質に。場を盛り上げつつ、後ろ指されることなく、本人も気分よくお召しになれる装い。けっこうな難題です。「それってどうよ」の声を集めれば集めるほど、ドツボにはまり、調査を重ねるごとに、決め手のなさに溜息をつくのです。●　その１…「白」の意味＜白＞い衣装が、花嫁に専属する記号とみなされることが、定着しているようです。別に、異論はありません。ただやっかいなことはあります。パーソナルカラー的には、「どんな白」という話が出てきますね。また、ゲスト側のマナーの筆頭として挙げられるのも、「白を避ける」。意味を広く捉えると、「白っぽい」衣装やコーデを避けることになります。「っぽい」って何…人によって、回答は異なります。そして、自分が把握している“常識”を絶対視する人も多いようで…そもそも白い婚礼衣装の本質・由来は、どこにあるのでしょう。●　白いウェディングドレスのトピックス（西欧版）…メアリー・スチュワート白い花嫁衣装の歴史的由来といえば、16世紀のスコットランド女王、メアリー・スチュワートがまず浮かびます。フランス王太子との婚礼に、白の衣装で現れたことは、ファッションリーダーであった彼女の代表的な逸話です。当時の西洋はルネッサンスに沸き、文化と奢侈を渇望して、中世のくびきから逃れようとしているところでした。ロイヤルウェディングなら、真紅や黄色といった華やかな色の豪奢な衣装が予期されるところです。白は、お葬式の色といったイメージもあり、また質素で地味な印象になりかねないところがあります。この周囲の意表を突く選択は、しかし大当たり。スラリとした長身から放たれる白の輝きはまばゆいもので、王太子妃の強力な美少女っぷりが絶賛されました。当の婚礼の絵がないので結婚２年前の肖像画を。なんとなくイメージできそうな。この頃の肖像画はクセが強いので絵から直には判断しにくいですが、もろもろ照合してファッショナブルタイプ、が有力かな…モノトーンや装飾を抑えたシックな服装を好んだことでも有名です。華美な衣装や宝飾品がもてはやされる風潮の中で、その方が、自らの外貌とセンスの良さが際立つことを、自覚していたのですね。ちなみに以後のイギリス王は全員、メアリーの直系子孫で、その血統は、いわば英国王室の母体をなしています。ロイヤルウェディングに性愛スキャンダル、ファッションリーダーと、そっち方面の話題に事欠かず、世界を沸かす英王室。もはやファミリービジネスというべきですが、血のなせるワザでしょうか…●　白結婚式は教会行事だったわけなので、メアリーの前でも後でも、白基調の衣装がとりたてて珍しいものだったとは考えられません。ただ白は、素材等のグレードがもろに印象を決定づける色であり、宗教上は望ましくても、たいがい質素に見えたことと思われます。メアリー・スチュワートは、当時の王が完全に別次元の存在だったという意味でも、他人が真似できないからする、というタチの人だったという意味でも、結果的に凶兆を招いたようにみえるという意味でも、その白い婚礼衣装が、「乙女の定番」となるには程遠いものだったでしょう。300年後、子孫の一人がこれを実現します。●　スタンダードを築いたヴィクトリア女王「女の子なら誰でも憧れる白のウェディングドレス」、その直接の契機になったのは、英国女王ヴィクトリアです。きゃわゆ～い…こちらはばっちしキュートタイプですな。婚礼の様子。きちっとまとまって格調高い雰囲気が大英帝国らしい。そして、私達の“常識”からすると、あれ…妙な光景が。続きます。◆　お知らせなど■　欄外　メアリーさんのゴシップに比べたら、現代セレブのそれは、なんとほほえましいのでしょう。華麗なる二人の女王の闘い (朝日文庫) Amazon ■　10月中旬、九州出張　12～14福岡。ご依頼お待ちしております。クリックのご協力をお願いしております　　---------------------------------------------------------------------------　　ご依頼のご検討には、＜カラーバイタル公式ウェブサイト＞もご覧ください。　　お問合せ・お申込みは＜お問合せ用メールフォーム＞からどうぞ。-----------------------------------------------
30Jul
- これからセールに出かける方へお買物指南
  ◆今回のテーマ：…これからセールに出かける方へお買物指南◆投票にご協力を。　一記事ごとに！両方に！クリックをいただけるとブログを続ける推進力となります。　　◆これからセールに出かける方へお買物指南●　引き続き、お買物の話題前回、「通販の弱み」と題して、色を見る力を養う過程のお話をしました。はじめに実物に触れる、次に、その色を評価する、この過程が大事だということですね。今日お出かけされる方のために、所見を少々。●　予め、買う物などを決めつけない方がベター「似合う素敵な物」、というのが暮らしの大切な要素である場合は、買うアイテムを厳密には定めておかない方が、ベターでしょう。●　時間をかけるセール期には、所狭しと物が溢れかえっています。それだけでも必然的に、セールで良い物を見つけるのは、難しいんですよ。なぜなら、大量に物があると、街の騒音や雑踏が意識されなくなるように、物の存在感や存在意義が、意識において薄れてしまうからです。その意味で、「たくさんある」とは「何もない」にも等しい状態なのです…。意識にコントロールをかけずに、ただ見て歩いても、「それまでにも見えていた」ものしか目に入らず、目を養うことはできません。それまでは見えなかったものが、目に飛び込んでくるようにするのが、わざわざ店に出かけていく、一つの目的です。目ぼしい物を、とりこぼさないよう、時間をかけて、隅からじっくり見ていきましょう。●　帽子・日傘帽子売り場は割と賑わっているのですが、その賑わいに反して、お勧めしたくなる洒落っ気には乏しいです。洗える・たためるといった実用性で、割り切る方がよいかも知れません。衣類の各店の方に、ちらほら、見るべきものがあったりします。日傘は、時期遅れと思わずに、入手なさっても良いのでは。色が合っていて、柄もそこそこであれば、来年も確実に出番があります。朝出て日暮れ後にお帰りという日々であったり、室内⇔室外の日中の出入りが多い方は、折り畳みがやはり便利ですね。（見た目や差しやすさでいうと折り畳みでない方がいいですが）●　靴、サンダル靴売り場、めまいがするほどの物量です。ディスカウントと引き換えに、この靴嵐と対峙せねばなりません。手間と時間がかかることを覚悟しましょう。似合う色やデザインの傾向が分からずに、セール期の靴売り場に対峙するなんて、無謀に過ぎるとつくづく感じます…。体力や根気に自信がない場合は、靴だけを見に行かれるのも、アリ。●　シルエットの緩いものを上手に取り入れて衣類では、ゆるみのある形状のものが多くなっています。太って見えると厭わずに、取り入れてみて下さい。肩や襟ぐりが合っていて、バストトップが綺麗に出ていたら、OK。風通しがよくて、涼しげに見えます。なにしろこれを嫌うと、綺麗な色のトップスなどが手に入りにくいのです。そしてこの時期ウェストシェイプにこだわるのもちょっと古臭い。ボトムスに適度にインしたり、ベルトを使えば、腰周りを絞ることはできますし、タイトなボトムスに合せるなどでも、スタイルの良さは十分出せます。あとサマーニット、一見暑そうですが、着てみたら意外と涼しかったりします。●　ジュエリー汗をかく時期、首周りには、木製や樹脂、ビーズ、シルクなど、金属量が（少）ないアクセサリーだと負担が減りますね。首周りにつけたくない場合は。この時期、手首周りに布がかからないので、手先はスッキリしますから、腕輪や指輪が、ポイントとしてよく効いてくれます。ベルトが加わると、ネックレス不要なところにまでもっていけます。（１本くらいは、メタルも革もベースカラーに沿ったものがあると便利です。デザイン面も加味してチョイスできていればいうことなし）キラキラのビジューがついたチャームやブローチ、オシャレなボタン、あるいはネックレスなんかを、バッグやサンダルにつけるのもいいですね。お手軽アクセだけではなく、ちょっと値の張るジュエリー売場も、ご覧になるとよいですよ。今、見に行きやすいですから。●　お題イエローベースの方は、ブルーないしブルーグリーンを幾つか見つけて、その中で一番良い色がどれか、というのを意識して見てみて下さい。さらに達人を目指す方は、グレー系を探してみるとよいかもです。（グレー、ホワイトにブルーやパープル、なんて組み合わせを是非♪）ブルーベースは、夏季は特に困っていない認識なんだと思いますが、ブルーに、レモン、ブラウンや濃いめグリーンなんかを組み合せられると、アースな感じでいいですねー。◆　お知らせなど■　次回　検討中■　10月中旬、九州出張12～17日九州。15～17日は塞がっています。12、13、14はひとます福岡で調整中。ご依頼をお考えの際はご相談下さい。クリックのご協力をお願いしております　　---------------------------------------------------------------------------　　ご依頼のご検討には、＜カラーバイタル公式ウェブサイト＞もご覧ください。　　お問合せ・お申込みは＜お問合せ用メールフォーム＞からどうぞ。-----------------------------------------------
28Jul
- 通販の弱み
  ◆今回のテーマ：…通販の弱み◆投票にご協力を。　一記事ごとに！両方に！クリックをいただけるとブログを続ける推進力となります。　　◆通販の弱み●　お買物の話題セール真っ盛り、この週末はクライマックスです。店頭には、セール品のみならず、秋まで使える晩夏商品も豊富。というわけで、色に関して、お出かけせずにはいられなくなるレクチャーをお届け。●　色のために、店頭へどうぞ忙しいし暑いし疲れているし、わざわざ出かけたくない、という方もおありでしょう。それでもあえて、店頭にお出かけすることをお勧めします。なぜなら、まず実物に触れて、次いでその色を評価する、という過程なくして、色を見る力をつけることはできないからです。色をきめ細かく識別・分析・評価するためには、色を知覚するときに起きる、脳内での刺激、そのものを自覚・記憶して、蓄積しなければならないからです。●　通販と店頭での色知覚プロセスの違いカタログの画像から見当をつけて購入、やって来た実物を、色見本に照らし合わせる。通販でのお買物プロセスは、こうですね。一方、店頭でも、物の色を、色見本に照らし合わせて、判断します。購入後、記録や記念のために写真に撮ることもあるでしょう。そうすると、この両者、順序が異なるだけで、全く「同じこと」をしている、ようにも思われます。ですが、その順序の違いを、取り上げてみましょう。通販でまず最初に目にするのは、写真画像の色。店頭でまず最初に目にするのは、実物の色。そうです。これが、決定的な違いを招くのです。●　画像と現実の違いある色を呈している物体Ａと、これをよく再現した画像A’では、たとえ両者の色が、区別できないほどそっくりに認識された場合でも、脳内で起きる刺激のあり様が、異なります。しかも、紙媒体やネット、TVの画面で再現できる色あいの範囲は、（私たちの認識に反して）非常に狭いです。色を見るには、頭が下す“結論”ではなく、それ以前の段階の、物体から受ける火花のような刺激を、感じ取ることが大事です。メディアを眺め倒すだけでは、物の色を見る力は低下するばかりです。●　視覚の＜同一性＞判断機能ヒトの目（脳）は、モノと、それを指し示す他のモノとの、＜同一性＞を評価するのに、長けています。同一とは、ここでは、「同じものと取り扱ってよいか」の視覚上の判定です。脳が、できるものなら「同じと判断したがっている」ことに注意が必要です。これは通常、色あいを区別する機能よりも、優先して働きます。TV映像をリアルに感じてしまうのも、パーソナルカラーの読み取りが難しいのも、おおざっぱにいえば、そのせいだといえます。●　通販での同一性判断通販では、頼んだモノと届けられたモノが「同一」のモノであることが最初の、最も肝心な認識プロセスです。やって来たＡが、カタログ画像Ａ’と「同一のモノである」と、脳が認識するとき、無意識に、「同一ではないことを示唆する情報群」は、切り捨てられがちです。ここで、「色あいの違いを無視する」態度が形成されやすくなります。●　是非の判定もともと、画像Ａ’の色あいとして認識されたイメージには、期待と不安がのっかっています。つまり、画像Ａ’に見ている色あいは、当初から、あやふやです。そして、多くのケースで、実物の色あいＡは、発色の美しさにおいて、期待を下回りますが、心配したほど酷くもありません。事の評価が難しいところですが、色見本との明らかな矛盾がなければ、事態は是と判定されるでしょう。しかも、画像と違い、実物は、三次元の確かな物体です。二次元的夢が、三次元的に叶う喜びは、独特の、抗えない快楽をもたらします。Ａ’とＡの同一性が判定され、コトが是と結論されることで、「事態を肯定的に受け止める」バイアスがかかり、画像色Ａ’と実物色Ａは、互いに影響し合って一体的にイメージされます。最初に画像が介在すると、実物への色あいへの認識・評価も、甘くなりやすいのです。●　欠けているプロセスさらに、この場合、すでに買われた１点しか、色判定の対象にされません。その判定も、色見本との照合のみです。色見本に合致する他の似た色あいとは、比較されません。比較対象が乏しければ、その色がどれほどに美しいか、どれだけ希少なのか、美しくて希少な色との出会いの確率や、それが似合うことがどれほど貴重なことか、判断できません。というか、そもそも、実物の色そのものを、まっすぐに見つめる過程が、欠けているのです。これでは、見る目が養われるはずもありません。●　色見本も体系も道具色見本と、文字情報にできるような基礎知識によって、シーズンに合致するか、外しているか、使いこなせる色の範囲に属しているか、は判断できます。それは、不可欠の、最初の一歩ではありますが。（格別色に関心がなければ、そこで終わるのも合理的です）「パーソナルカラー」という枠組みも、道具であって目的ではないです。リアルな現場で、体温がカッと上がるような、感動を得ることなしには、その神髄が腑に落ちることはありません。目を養うことが本当に大切だと思います。色に引き寄せられる、という体験をしていただきたいと思います。それはネット・TVショッピングでは得られません。１個目の感動に行き当たるまで、場合によっては長い道のりになるかも。私にしたって、ほとんどの品はスルーです。良い色って、少ないんです。それだからこそ実物を見て歩くことが、見る力をつけるのには、必要です。◆　お知らせ、近況など■　次回もう少しお買い物のお話をしようかと思います。具体的な話がいいですね。■　10月中旬、九州出張12～17日九州。15～17日は塞がっています。12、13、14はいちおう福岡で調整中。ご依頼をお考えの際はご相談下さい。クリックのご協力をお願いしております　　---------------------------------------------------------------------------　　ご依頼のご検討には、＜カラーバイタル公式ウェブサイト＞もご覧ください。　　お問合せ・お申込みは＜お問合せ用メールフォーム＞からどうぞ。-----------------------------------------------