忘れたいような悪夢。


駆け上がった先は暗闇で、にせものだらけで
それでもその手の中にある絵筆で
どんな世界も塗り替えていける。

ここはそういう世界なんだよ。

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君の中にある悪夢や
最悪な夜から
逃げ出さずに優しくなれたら。




「PAINT NIGHTMARE」
その世界が紡ぐ旋律で


さあ、悪夢を何色で塗り替えよう?


誰かを救う夜になるのさ。


今日も、
プラチナステラの色彩がはじまる。






「Rainy princess」

息を呑むほどの美しいお姫様。

いつだってパーフェクトフェイス、
その美しさをいつも疎ましそうにしていた。

みんなはどうしてわからないのか
孤独な彼女が欲しいものは
みんなが用意するものの中にいつだってないのさ。

彼女が抜け出した夜
まるでシンデレラみたいに汚れた靴が残されていた。

そのあとを誰も追わなかったことが
彼女が言いたかったことだってのに

宮殿のみんなってほんとうに不思議だね。


そういえば灰色のアイツは、
今日あたり遊びに来るかな。








「コスモ・スターファクトリー.Inc」

なんだって今さらアストロガールの昔の話なんか始めたのか!

もぅいいよォまた騒ぎたててうるさくなるから。

彼女が最新型のジェットをつくる前なんて、
それはそれは本当にヒドいものだったよ。

ほら、これがその頃にもらった相変わらずに汚い手紙さ。


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そう思えば今は、だいぶまともになったのかもしれないなぁ。





「虹筆くんのうた」

ある日突然Hinkさんがぼくのとこにやってきて、

ねえ!あのいつも歌ってる歌おしえて!!


って強引に音色を持って行ったんだよなぁ。


なんだかとっても恥ずかしかったけど、
喜ぶ人がもしいたらちょっぴり嬉しいかもって、思っているよ。



まごころをつむごう。
ただそれだけで、ぼくはじゅうぶんなんだよ。






「〜Platinum stella〜」

この前また神出鬼没のサーカス団が来た時、
楽団と一緒に夜な夜な音楽を奏でていて

それはそれは不思議な音色がひと晩中鳴り響いていたナァ。


その時チラっと耳にしたんだけれども、
この楽団にも昔、
六本指のピアニストがいたんだって。



案外多いんだな。








「Seiren's Dinner」

ひと目でわかったの。
彼は特別なんだって!!

あぁわたしなら騙したりなんかしない。

お姉さま達は、
「心変わりする愚かさ」ってやつが世間にバレる前に食べてあげてるの♡
っておっしゃっていたけど、
本当にそうなのかしら?

彼はそんな人じゃないわ、そう思うでしょ? 
とろけそうな笑顔。
甘くてヤミーなシュガーダーリン。
きっとわたしを、永遠に愛してくれるはず。

それでもやっぱり、
ヤミーなダーリン。
誰かに取られるくらいなら、せめて残さず食べてあげるわ。

人間に恋をしてはいけない。
人魚の掟をどうか許してね。



***


ふわぁ〜。
僕もう眠いんだけど、うっかり迷い込んだ入り江で、
すっかり人魚につかまっちゃったよ。

この話、もしかして朝まで聞いてあげなくちゃいけないのかな…。

人魚っていっつもわがままでメンドくさいんだよなー!!






「Paint-Nightmare」

あの子がドレスをボロボロにして駆け上がっていったその先、

王子様を飛び越えたその先にあったもの。


それが輝かしく美しい本物の世界だなんて、
誰が約束してくれた?



彼女はそんなこととっくに知っていて、
持ち前の絵筆で暗闇を星空に塗り替えていっていたんだ。


いつも強くて眩しいあの子が泣いていた夜、
僕が声をかけなかったのは

1人でいる美しさ。

に、見とれてしまっていたんだ。
もうずっと前から。





虹筆@nijifudekun

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