元夫と付き合い出した頃や、子供が生まれるまでは、私は強かった。

納得いかないことは、納得いくまで話し合ったし、違うと思うことを

そのまま飲むことはなかった。

 

納得いかないことはやらなかったし、それらを強制させられそうになっても、

私はそう思うわない。ときっぱり言ってやらなかった。

 

彼がよく分からないところでキレるのは、付き合いたて当初からあったけど、

そんなに頻繁ではなかった。

キレると大声で怒鳴るし、物に当たるのが怖かったけど、年に1、2回ほどだったので

日々顔色を伺うようなことはなかった。

 

喧嘩は、付き合いたて当初からよくしていた。

喧嘩をすると、毎回3〜4時間は議論が続いた。

 

喧嘩をすると決まって、もう何を議論しているのか、喧嘩の原因が

いつも分からなくなっていた。

今思えば、論点を巧みにすり替える彼のペースにはまっていたのだと思う。

 

喧嘩をするたびに、明け方になり、何を喧嘩していたのか、そして3〜4時間も言い合ったのに、何も改善されないどころか3〜4時間も何を話し合ったのかさえ、翌日になると

覚えていなかった。

 

毎回、毎回、同じように喧嘩をし、毎回喧嘩が終わると疲労困憊した。

そのうち喧嘩をする度に、「お前は何も変わっていない。だから、また喧嘩の繰り返しだ。」と喧嘩の原因が私のせいだと言い出した。

 

なぜ、私だけのせいなのか?そう言うあなたは、何か変わったのか?

と、反論をしていた。

 

それからは、「何も変わらないお前が悪い。前回の喧嘩で、何も反省していないのか?」

が、喧嘩の度に付け加えられるようになった。

 

次第に彼は、「僕達が上手くいかない原因は、君にある」と言い出すようになる。

私の何に問題があるのか?二人の問題ならば、あなたにも問題はあるはずだし、

自分の非をお互い認めて改善していくのが、リレーションシップなのではないか?

そう言っても、彼は理解しない。

 

それからは、「何故口答えをするんだ?どうして、何か言われたら黙ってそれを飲まないんだ?」「そうだね。でも(Yes, but...)。。。のでも(but)は、禁止だ!」

 

どうして、そんな制限をするのか?賛成できないことは出来ないし、そんな風に言い方を

禁止にされる筋合いはない!

 

そんなことを言っても、次に議論が始まり「Yes, but...」と私が言うと、「それは、言うなといっただろう!?何故、繰り返す!?君のせいで、僕達の関係は全然いい方にいかない!」とキレ、1週間無視するようになった。

 

そんな感じで年月が経つと次第に、喧嘩の原因や関係が上手くいかないことは、全て私にあり、それらを責められ罪悪感を背をわされた。

喧嘩をする時間はどんどんと伸び、毎回夜中に始まり明け方に終わった。

 

子供が生まれ、睡眠時間がただでさえ取れないと言うのに、喧嘩が始まると

一睡も寝れずに喧嘩をして朝を迎えることが増えた。

 

疲れた。

心身共に、もう疲れた。

 

喧嘩が始まり、お決まりのパターンで話が色んな方向へ行き出すと具合が悪くなった。

あぁ、また何を論じ合っているのか分からない、論点があっちこっちへといく

時間がこの後数時間続くのか、と思うと吐きそうだった。

 

もう、そんな馬鹿げた時間を過ごすくらいなら、どうでもいいことでは

何か言い返すのをやめよう。

 

こうやって次第に、私から喧嘩をすることはしなくなった。

それでも、どうしても納得いかないことや、直して欲しいことなどは

何時間もかけて議論をし、喧嘩をした。

 

喧嘩をする度に、持ち出される10年も前のアレやコレ。

全く関係のない話を持ち出しては、あたかもそれが引き金だ、と無理矢理正論に持っていく。勝ち目がないと思うと、俺に口答えするな!頭が悪いのか?何故理解しない?

お前は、俺を打ちのめし、俺がどれだけ喧嘩後に惨めになるか分かっているのか?

君は、ただ俺に勝ちたいだけなんだ!これじゃ、話にならない!

 

繰り返される、非難や暴言、そして怒鳴りや物を投げたり、罪悪感を植え付けられたりと

ことごとく喧嘩をする度に、私は疲労困憊していった。

 

いつからか、もう喧嘩をするのをやめた。

あんなに嫌な思いをし、そして喧嘩後も10年経っても色々言われるくらいなら

もう受け入れよう。「ごめんね。あなたの言っていることが合っている。」

 

いつからか、私は戦う気を失って、そう言うようになっていた。

彼は、とても嬉しそうだった。

棒読みで「あなたが合っている」と言っているのに、とても満足そうだった。

それなら、いくらでも言おうと思った。

 

絶対に自分が正しい。世界中で、一番正しいと思う彼は、

十何年かけても昔のことをほじくり返し、自分を正当化する。

そして、自分が正しいのを証明するために、私がどれだけ間違っているかを

常日頃、小さな場面でも私に教えてくる。

それが、たかがバターナイフの使い方であっても、子供が引くくらい怒りを込めて

お前、バカなのか?バターナイフは、こうやって使うんだよ!と言ってくる。

 

これが、長い時間かけて私に行われたガスライティングだ。

 

いつからか、私は2人が上手くいかないのは、私が悪いからだと言う気がしてきた。

私の愛が足りないせいで、上手くいかないんだ。

もっと応えなくちゃいけない。そんな気がしていた。

 

彼が私に文句を言えば、それを改善するよう心がけた。

それでも彼は喜ばなかったし、喧嘩は続いた。

そして喧嘩が始まるたびに、ため息をあからさまにつき、お前が悪い。

お前は何も変わっていない。と始まる。

 

もう、責められのはうんざりだった。

もう、一言も責められたくなかった。

 

喧嘩にならぬよう責めらぬよう顔色を伺うようになった。

怒らせぬよう、つまらない話も楽しそうに聞き、私は当たり障りのない話をした。

彼の機嫌にビビる私に、時々彼は、ふざけて機嫌の悪いフリをして楽しんだ。

 

完全に私は自分のパワーを失った。

 

怒鳴る。無視する。責める。

私がどれだけ間違っているかを日々教えることで

彼は、私をコントロールしていった。

 

私が間違っている、私が悪いんだ。

そう普通に思えるようになってからは、友達に相談しようとも思わなかった。

 

私のことをよく知る古い友人や家族は、いつから彼にモラハラをされていたの?と聞く。

いつからだっけ?自分のパワーを失い、ビクビクして生活するようになったのは?

 

私も覚えていない。

徐々にゆっくり時間をかけて、パワーを奪われていったのだと思う。

徐々に疲労困憊していき、もう戦うのはやめよう。と思ってからは早かった。

彼は、ターゲットの私を見事コントロールしつつあったのだと思う。

 

こうやって徐々に私はガスライティングをかけられ、パワーを失っていったんだ。と

ようやく最近理解した。

 

本当に、抜け出せてよかった。

あのまま気が付かずに、一生一緒に人生歩んでいたかと思うと、寒気がする。

もっと長い時間を過ごせば、もっと逃げられなくなっていただろうし、

完全に彼から逃げる気力も失っていたと思う。

 

離れるまで地獄の日々だったけど、本当に無事に生還できて良かった。えーん

これ、大袈裟でもなく、本当に夜中に首絞められるんじゃないか?と

離婚を決めたのに一緒に暮らしていた2年間、本気で不安だったのですよ。

本当、サイコパスだわ。ゲッソリ