夫から長年に渡り精神的、性的虐待を受けていたんだ。と気づくまでに時間がかかった。
まさか、そんな筈はない。
されていたとしても、軽傷で大したことないレベルに違いない。
虐待なるものを調べれば調べるほど、自分のケースと合っていて、
あれもこれも虐待と呼ばれるものだったんだ!と驚き、同時に判明したことに安堵し、
また無視し続けてきた自分の感情が、ようやく認められた。と抑え付けていた悲しみ怒りが
溢れてきた。
徐々に目が覚めると同時に、きっとこれは私の捉え方の問題で、彼はそんなつもりじゃなかったんだ。と、目が覚めたかと思うとまた自分の感情を誤魔化し、彼の気持ちを分かろうとしたり、その間を行ったり来たりしていた。
忘れかけていた色々な記憶が蘇り、フラッシュバックが1日に何度もおきては、
悲しくてなったり怒りが沸いたりした。
朝起きると怒りで目が覚めたかと思えば、不意に彼の気持ちに寄り添いそうになったり。
まさに長年洗脳されていた人が、完全に目覚めて自分を取り戻す過程のように、
色々な感情を行ったり来たりしていた。
虐待されていたことを認めたくないのと同時に、どこかで自分は被害者なんだ!
と認めて欲しく法で認定される方法を探したりもした。
怒りが湧き上がってくるのに、被害者だと認定されなければ
その怒りを正当化してはいけない気がした。
彼に対する怒りを出したら、逆に私が責められる。
だから、長いこと私は彼に対する怒りは押し殺すか、正当できるだけのものを用意してからではないと、彼に対して怒りは吐き出せなかった。
だから、自分を被害者にしたかった。
じゃないと彼に対する怒りを出したらまた責められる。
でも、ある時から自分をもう被害者として扱うのはやめようと思える時がきた。
女性支援団体や無料の弁護士やニューヨーク市に相談できる窓口を叩くのをやめた。
被害者でいなくても、彼に対して、もう罪悪感も恐れもなく怒りを表現し、
突き放せる自分になったんだと思う。
そして、どこかで自分の人生を自分で生きる覚悟をし、また本来自分が持っていた強さを再び自覚出来たのだと思う。*注
長いこと親族や近い人に虐待、洗脳されていた人が目覚めるのには時間がかかる。
始めてそれに気づいた時はとても混乱するし、まさか自分が!?と動揺する。
虐待や洗脳されていた期間は、同時にとても愛されているし優しく接してくれもする。
だからこそ、気が付かない。
気がついても、そんなことを思い疑う自分を一旦は責めてしまう。
そして、自分がされたことは虐待や洗脳なんかじゃなくて、ただ彼の悪い癖が出ただけなんだ。とか、イライラさせた私も悪かったんだ。とか、きちんと起きたことを受け入れるのに
相当な時間がかかる。
私は、長年彼からされたことに気づいてしまった時、気が付かずにいた方が
どんなに楽だったろう?と、感じた。
気が付いてしまい、更に自分が傷ついた。
そこから関係性を変えようと直接話したり自分の態度を変えてみたものの
夫の態度が変わらないことを理解した時に、離婚という選択肢を選んだ。
ここでも、またしても私が気がつかなければ、子供達に離婚という辛い思いをさせずに
すんだのではないか?と自分を責めてしまう。
被害者が自分を責めてしまうと言う話はよく聞くけど、本当責めるよね。
子供達に関しては、いまだに子供達がせめて高校を卒業するまでは、我慢できなかったのか?と自問することがよくある。
もしかしたら、私はまだ完全には目覚めていないのかもしれない。
まだ夫と一緒に暮らしているので、物理的にも距離が取れた時に、また今の時のことを
色々思うのかもしれない。
虐待はされている時も辛いが、その後もされた側の苦悩は続く。
でも、やっぱり気がついて良かったと思う。
気が付かずに、自分を生けれないのなら苦悩が続いたとしても
やっぱり私は、私を生きたい。
*注(ここで難しいのは、パートナーや家族など親しい人から長年虐待をされていた人は、
自分が被害者だと気が付かないこと。なので、自分は被害者なんだと、と認識することはとても大切だと思うし、実際被害者なのだから、助けを求めるべきだと思う。私が、ここで書いているのは、あくまでも私の感情の変化を書いただけです)