Color日和・竹原朋美です

 

 

本から受け取ったインスピレーションで

800字で書き綴る「リブリオエッセイ」。

 

6月から参加中のふみサロの今月の課題図書は

「失敗の科学」です。

数々の失敗の中から一つ書いてみました。

 

 

「嫁ぎ先での甘すぎた失敗」

 

 九州の空の下。鍋を前に右手におたま、左手に味見用の

小皿を持ち、台所で固まる北海道から来た嫁一人。

家族となった方達に初めて手料理をふるまうのだ。

失敗はしたくない!と心に誓ったものの出来上がった

「煮物」が想像の上をいく甘さ。

 

出汁、お酒、みりん、醤油、塩と同じ調味料や具材を

使っているのになぜだろう。「?」マークが頭の中を

飛び交いつつも、醤油を少し継ぎ足し再び味をみると、

さらに甘くなった。そう、甘さの原因は醤油!

 

九州の醤油には「甘口醤油」なるものが存在することを

その時、初めて知ったのだ。たかが醤油、されど醤油。

「思えば遠くへきたもんだ」という言葉がサァーっと

頭上をかすめていった。コレは何なの?!

 

北海道と九州では気候も違えば育つ植物も違う。

学校で針葉樹と広葉樹の住み分けぐらいは習っていたし、

実際、食習慣もいろいろ違うはずだとは思ってはいたものの、

まさかこんな調味料の一つである醤油に出鼻をくじかれるとは

想像もしていなかった。

 

…とはいえ、お口に合うものを作らねばと煮汁を全部捨て、

水を入れ、味の調整を最初からやり直して失敗を冷静に

リカバリーした当時の自分を自分で褒めてあげたい。

子供の頃から「勉強はしなくていいから家のことをしろ」と

母に言われ家事を手伝っていたことが事態を救った。

 

 本当は義母から「九州の母の味」を伝授してもらうつもり

だったが、残念ながら結婚した翌年に義母は亡くなって

しまったので、手探りで主人の好みの味を探すことになった。

 

ただ「豚汁」に入れるイモが「じゃがいも」VS「里芋」の

ように根本的に同じ料理でも使う食材が違うこともままある。

自分の当たり前は、相手の当たり前じゃなく、失敗は違いに

気づくチャンスと受け入れ生活を重ね、もう20年に。

 

 今では「甘い醤油」が我が家にもあるけれど、それを眺め

冷や汗をかいた当時の自分は必死だったなと、懐かしくも

甘すぎた失敗をちょっぴり笑える自分がいる。

 

ここまで

 

 

7月の課題図書 

マシュー・サイド著「失敗の科学」より

 

 

 

 

失敗から学習する組織、学習できない組織の

違いとは。

 

そこにあるのは失敗を認め改善の向けて

前に進むか、あるいは一方で失敗を認めず、

失敗の非難を恐れてさらなるミスが重なる

ケースに陥る原因になる様々な事例をもとに

検証されている一冊。

 

デビッド・ベッカムのような成功者のマインド

失敗は「してもいい」ではなく「欠かせない」

 

失敗から学びながら前進を続けることの大事さ

なども語られている。

 

 

<追記>

深刻な失敗の事例が多い内容の本だったので

あえて軽めに失敗を書いたのが功を奏したのか

ふみサロの講評会で「後藤特別賞」をいただきました。

ありがとうございます。

 

 

個人的には思い込みが激しすぎるからか

失敗が多すぎるんで(笑)凹んだり落ち込んだり

…はするけども年齢を重ねた分、そんな自分を

半分あきらめるというか失敗の経験も含めて

それが自分だなと言えますね。

 

なんせサビアン占星術では「不発弾」

思いついたら実行する人らしいから。

 

kin169 赤い宇宙の月

この「ふみサロ」をはじめ手を付けた数々なこと

「ノリ」で始めたことが多すぎるのよね。

一度始めたらけっこう長くなるけれど…。

 

 

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次回は8月15日の予定