カラフルのクラリネットエピソードシリーズ
愛♬Clarinet→13話目です
コンクールの日にちが近づくにつれ、部内に焦りが増していきました。
土日も学校で練習、朝練、放課後練習。
私の学校は、夜に定時制の学校があったので完全下校が午後の17時
平日は短い時間の中でどれだけ練習できるか・・・私たちの勝負なのです。
部活とは関係ないけど17時以降は学校を出されてしまうので毎日桜木町や横浜へ行って遊びほうけていました
同じクラスで部活も一緒の愛希(あき)ちゃんという大親友が出来て毎日毎日ひたすら遊んでいたのです
身長も体重も笑いのツボも一緒、私の名前が愛で、私の妹の名前が希で、愛希とは運命を感じていました
大好きすぎる友達です
吹奏楽コンクールはテストが終わって夏休みの初めのほうにあります。
同じだけくたくたになるまで部活をやって同じだけ遊んでいたのに、テストの点が愛希はトップクラスのとても良い成績で
ビックリしました
どうしてなのか聞いてみたんです。
愛希の夢を教えてもらいました。
子供の頃、入院のたびに優しくしてもらった看護師さんに憧れて看護師さんになりたい。
看護学校でなく、商業科に入ったのは色々なことに対応できるように資格をたくさん取って卒業したら絶対に看護学校に入って看護師になるんだ。って。
だから勉強も手を抜かずしっかり頑張っていたのです!!
話を聞いた時感動して涙が出そうになりました。
心の底から応援したい、本当にすごいなって思った。
素晴らしい目標をもって頑張っているキラキラした姿にすごく憧れて尊敬する気持ちと、
”私の目標って何?”
”私は何になりたいの?”
”将来の夢は?”
という気持ちが生まれて心の中がザワザワと焦りだしました。
その時のテストでは商業の勉強も特に頑張っていなかったし、私は本当に事務のお仕事がやりたいの?
自分にいくら質問をしても答えが返ってこないんです。
毎日そんな気持ちのまま、吹奏楽コンクールが近づいてきました。
合奏に本指揮者の先生ではなく、その日は怖いA先生が指揮でした。
なんだか心ここにあらずという感じで、おまけに吹きながら眠くなってしまってうつろな感じで合奏に参加。。。
すかさずA先生に目をつけられました。
『やる気ないんだったらこの部屋からとっとと出ていけ!!!』
怒鳴られてハッとしました
やる気ある人たちの中にやる気のない人が混じることは迷惑以外の何物でもありません。。。
たくさん謝って退室を逃れました。
”私の好きなものは何?”
これだけはすぐに答えが出ました。
”クラリネット”
気持ちを入れ直して、高校一年生の夏、初めてのA編成の吹奏楽コンクールに挑みました。
つづく
Megumickey