おしゃれや綺麗なものが大好きなあなたへ
今日は先日に引き続き
江戸の町を造営した
天海が仕掛けたことについて
おってみたいと思います。
天海僧正は四神相応や陰陽五行説などによる徹底した呪術的都市計画
江戸を開発するにあたって、家康、2代目秀忠、3代目家光は
京の都をモデルに江戸設営をします。
そして最初に手掛けたのが
御霊信仰による、平将門公を神様として祀ることでした。
そして、さらに鬼門や裏鬼門に対する対策を徹底的に行います。
①平安京に倣った鬼門封じ
江戸の根幹部分が定まると、
天海はさらに周辺の要所に発展の礎を築いていきます。
その要所は江戸城の北東(鬼門)と南西(裏鬼門)です。
この陰陽道では「鬼門」は邪気が入ってくる方向で、
またその正反対の南西は邪気の通り道の「裏鬼門」として要所とみなされます。
そのため平安京では、
北東にある比叡山に「鬼門封じ」として延暦寺を建て王城鎮護を委ね、
一方、南西の裏鬼門には大原野神社や壬生寺があり、
こちらも平安京の護りとなっています。
*比叡山延暦寺
比叡山で天台密教を極めた天海は、
こうした鬼門に対する考え方を江戸に持ち込みます。
それは、天海が住職を務めた上野の寛永寺です。
寛永寺は寺号を「東叡山」といいますが、
これは東の比叡山の意味で、
平安京に倣い江戸の鬼門鎮護を担いました。
さらに近江の琵琶湖に見立てた不忍池を設け、
琵琶湖の竹生島と同じく、
中之島に弁財天を祀るというように
延暦寺に模した造りにしています。
*寛永寺
また、ほかにも天海が行った鬼門封じとしては、
現在の千代田区大手町にあった神田神社(神田明神)を
現在の湯島に移すことで、将門公を祀り、
やはり将門公に江戸を守ってもらうようにしました。
そして浅草寺を幕府の祈願所として家康を東照大権現として祀り
亡き家康公も神様として祀り江戸を守ってもらいます。
(ただし東照社は1642年に焼失します。)
さらに、裏鬼門も寺社で守り固めます。
2代目将軍秀忠を増上寺に葬って徳川家の菩提寺とし、
さらに日吉大社から分祀して日枝神社を移し、
赤坂に氷川神社を配します。
*増上寺
そして興味深いことに、徳川家の菩提寺となった寛永寺と増上寺、
そして神田神社を結ぶ直線と、
浅草寺と日枝神社を結ぶ直線が交わる点に
江戸城が位置しています。
天海僧正はこれほどまでに徹底して
鬼門・裏鬼門封じ、邪気が入り込めないように仕組みました。
*風水でも鬼門と裏鬼門、大切ですよね…。
自分の家でも邪気が入らないように参考になるかも…ですね
② 祭りによる民衆の地鎮信仰
日本人は古くから、
非業の死を遂げた人の霊は祟り神になるということが信じられていました。
こうした御霊を慰めるために、
読経や雅楽、歌舞が奉じられ、
これらが後に解放されて民衆の祭りになっていきます。
特に、江戸の三大祭りといえば、
神田神社の神田祭と浅草寺の三社祭、
また日枝神社の山王祭ですが、
これらの祭りは、江戸城の鬼門と裏鬼門を祀り清める意味合いが
秘められているといわれています。
③五色不動尊について
寛永年間(1624年~43年)の中頃の
三代将軍家光の時に、
天海大僧正の具申により
江戸府内の名のある不動尊を指定したと伝えられています。
不動明王は、密教ではその中心仏とされる大日如来の化身として、
悪を断じ衆生を教化するため、
外には憤怒の形相、
内には大慈悲心を有する庶民救済の具現者として現れた、
としていて、江戸城鎮護のため、
不動明王像を造立し異界から府内を保護する
役目を果たしていたといえます。
④最初は五行説ではなく四神相応で配置が考えられた。
平直方の「夏山雑談」によると、
江戸城鎮護のために、
王城鎮護の四神にならい、四方に配置したのが、
目黒(現・泰叡山龍泉寺)・目白(現・神霊山金乗寺)
・目赤(現・大聖山南谷寺)・目青(現・竹園山教学院最勝寺)の
四不動とのことでした。
そして後になって徳川将軍家光により、江戸城を中心とした
目黄不動尊(現在の養光山永久寺と、牛宝山明王院最勝寺)を加え、
五行説の色として示すことになります。
実は、五行説で考えると位置と色が違っていて
密教を極め、ここまで徹底した都市計画を行った
天海僧正が間違える??なんてことは考えられず、
謎だったのですが、
そもそもは五行説ではなく四神相応で考えられていて、
あとから家光によって五行説になぞらえられた
ということであれば、
位置と色が違っている…の意味が分かった気がしました。
こうして天海は、四神相応と陰陽五行説、
また民衆が奉じる地鎮信仰による機能的な街づくりにより、
徹底した王城鎮護・邪気封じのための都市計画を行いました。
ここまで考え抜いて策を練って都市計画をした天海僧正、
本当にすごい人ですよね。
そしてこれまでの戦乱の時代は幕を閉じ、
江戸幕府が日本を支配することになります。
明日も素敵な1日をすごしてください
ありがとう、ありがとう、ありがとう!