色彩検定1級 2次試験対策 ② | 色彩検定虎の巻

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期間限定で色彩検定合格のためにいろいろ書いてみます。
よろしければ活用してください☆

引き続き、必要なものについて書きたいと思います。

 

色彩検定1級2次対策① でお伝えしたように、条件を満たす色を選ぶことが試験ではとても重要になります。ではその条件とは何か。主なものを以下にあげてみます。

①指定色としての(色を絞り込む)条件

☑️ PCCSの色相名
☑️ 心理四原色
☑️ 色光の三原色
☑️ 色料の三原色
☑️ 暖色・寒色・中性色
☑️ 純色・明清色・暗清色・中間色
☑️ PCCSのトーンのイメージ
☑️ 慣用色名
☑ トレンドカラー

②配色としての条件

☑️ 色相差
☑️ トーン差

☑️ 配色技法

☑️ 配色イメージ

 

①と②の両方で使われるものもありますが、

試験問題は、これらの条件を複合してつくられています。

 

たとえば、こんな感じです。

 

【例題】※イラスト、選択肢などは省略

 

右に示したイラストのジャケット、インナー、スカートをPCCSを使ってコーディネートする。次の設問について、最も適切なカラーカードを選び、選んだカラーカードを指定の枠内に貼り、使用したカラーカードの裏面にある色記号を(  )内に記入しなさい。ただし、PI、BR、offN、FLの色は使用しないこと。

 

設問 

①のジャケットには、JISの慣用色名から英語の「ever green」と同じ意味をもつ色を選んだ。②のインナーには、①のジャケットとナチュラルハーモニーとなる高彩度の明清色を選んだ。③のスカートには、「落ち着いた」イメージのトーンから、②のインナーと類似色相となる暖色を選んだ。

 

いかがでしょう?すべての条件を見つけられたでしょうか。

条件の部分を赤字にするとこんな感じ。

            👇

①のジャケットには、JISの慣用色名から英語の「ever green」と同じ意味をもつ色を選んだ。②のインナーには、①のジャケットとナチュラルハーモニーとなる高彩度の明清色を選んだ。③のスカートには、「落ち着いた」イメージのトーンから、②のインナーと類似色相となる暖色を選んだ。

 

【解答】

① dp12

② b10

③ ltg8

 

【解説】

①の条件には慣用色名が使われています。慣用色名は、この問題のように名前の由来を使う場合もあれば、色名の場合もあります。近年は選択肢として複数の色記号が記載され、そこから選ぶ形式がほとんどです。この問題では、名前の由来から「常磐色(ときわいろ)」と判断し、選択肢から常磐色に最も近い色を選びます(過去問ではdp12を正解としています)。

 

慣用色名を覚える(色に置き換える)ときにイヤなのは、テキストに印刷されている色がカラーカードのどの色とも一致しないことでしょうか。どちらかといえば、ピッタリの色があるほうが少ないと思います。

 

過去問題集の解説には「JIS系統色名では“こい緑”なのでdp12が正解となる」のように書かれていたりするんですけど、JISの系統色名もまた、実際に印刷されている色と合っているわけではありません。 

 

JIS系統色名での基本色名の領域や、明度・彩度に関する修飾語の用い方は、すべてマンセル値で規定されています。ところが、AFTのテキストに掲載されている色が、必ずしもそのマンセル値に合わせてはいないんです(だいぶマシにはなりました)。さらに試験はPCCSの色を使うという…矛盾してないほうが不思議といえる状況なわけです。見た目はブライトトーンのような色なのに、JIS系統色名では「つよい」になっていて「???」になることがしばしばあると思います。

 

講座では、慣用色名の暗記は、まず色名から色のイメージが頭に浮かぶようにする由来のポイントを押さえる、の順で進めます。わりとユルっとしてますね。前述したように、いまは選択肢があるので、そこから選べれば十分だからです。JIS系統色名の暗記は必須とはしていません。ただ、覚えれば役立つので、各自に任せています。いまどきはさまざまなアプリがあるので(色はズレますが)それらも活用したりします。

 

一応、色名とカラーカードの対応表 etc…も使いますが、文字情報からではなく、必ず自分でテキストを見て、カラーカードと比較するように伝えています。ここでも切り貼りは必須にはしていません。やりたい人は穴あけパンチ使ってね〜といっています。←時間がもったいないので。最終的には練習問題で鍛えていきます。

 

②の条件は配色技法のナチュラルハーモニー高彩度の明清色です。ナチュラルハーモニーについて詳しくはこちらにありますが、色相差は書かれていなくても必ず隣接または類似色相です。そこが抜けてしまう人が多いので注意しましょう。

 

ここでは、①で選んだdp12と隣接または類似色相である、9、10、11、13、14、15が候補となりますが、もう一つの条件からトーンは高彩度の明清色、すなわちbトーンとなるため、奇数番号の色相は候補から外します。そうすると残るのは10と14です。あとは「色相環上で黄(8:Y)に近いほうの色相の明度を高くする」というナチュラルハーモニーの定義に合わせればよいだけです。

 

①で選んだdp12のトーンはdp、条件として与えられたのはb。dpトーンとbトーンでは、bトーンの方が明度が高いので、bトーンと色相環上で黄(8:Y)に近いほうの色相とを組み合わせれば、「色相環上で黄(8:Y)に近いほうの色相の明度を高くする」というナチュラルハーモニーができます。

 

dp12に対する類似色相から奇数番号の色相を除いた10と14のうち、12(緑)よりも黄に近い色相は10(黄緑)ですね。したがってb10が正解となります。

 

③ではトーンのイメージ色相差、温度感(暖色・寒色・中性色)条件です。PCCSのトーンのイメージはよく出題されるので、覚えておくことが必要です。「落ち着いたイメージ」のトーンはltgですが、gトーンやdトーンと間違える人が多いです。PCCSのトーンのイメージと、自分がそのトーンの色から受けるイメージに違いがある場合は要注意です。

 

色相差の詳細はこちらで確認いただくとして、類似色相は色相差2〜3です。②で選んだb10と類似色相のうち、奇数番号の色相を除く8と12が候補となります。トーンはltgですね。

あとはもう一つの暖色という条件によって、ltg8という答えが導けます。

 

長〜くなりましたが、参考になれば幸いです。

次も書けたら…また。

 

 

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