福島原発の事故、

その後の緊急事態収束に努める活動について、

連日マスメディアで報道されている。



東京に住む私自身も不安が募る中、

知り合いのブログの中で、ある人の講演会が紹介されていたので、

私も視聴してみた。


講演会すべてが放映されているわけではなく、話は途中から始まっている。

時間にして1時間ちょっとの内容である。




ご興味のある方は、

「田中優氏 関東東北大震災 原発について」と検索すると、

「Ustream」のURLが上位にヒットすると思う。


(あくまで、個人の判断で見極めてほしいと思うので、リンクは貼りません・・・)





私はこの講演をしている「田中 優」なる男性が、何者なのかよく知らない。

彼の言っていることがすべて事実なのかどうか、判断する術もない。


また、画面に映し出された資料は不鮮明で、読み取ることはできない。



ただ、とても解かり易い話だったし、

率直に、(こういう意見もあるのだな)、と思った。



原発事故以来、毎日テレビに出てくる

原子力(発電)の専門家や、放射線被爆が専門の医師と言われる人たちとは

まったく意見が異なっている。




(原子力発電に替わる発電手段として、

地熱エネルギーや風力発電、海の波を利用した発電などを挙げていて、

それが現在の電力消費量を本当に賄えるのか等、

具体的な根拠が示されていないので、疑問に感じるところもあった・・・。)




この講演を聴いて「私が感じたこと」を明記しておきたい。



●この事故によって外部に漏れ出した放射性物質の数々が

 今、妊婦のお腹の中にいる胎児、母乳を飲んでいる乳児、

 細胞分裂を繰り返して成長している最中の幼児たちを

 10年あるいは20年後に

 辛く苦しい目に遭わせることのないように祈りたい・・・。




●政府は連日、原乳やほうれん草の放射能数値を発表しているが、

 精製した後の乳製品や、洗い流したときの数値も併せて発表してほしい

 

 ・・・原乳は、精製してから口にするそうだから、

   精製後・加工後の数値を知らせるべきだ。

   

   ほうれん草は洗って食べるのだから、

   例えば「毎分何リットルの流水で何分間洗った物はどのくらいだった」

   というように、洗う前と洗った後の数値を併記すべきだ。




●田中優氏が言うには、

 放射能漏れがなくなってから

 1ヶ月後に、土壌の微生物が吸収した放射能を作物等が吸収して、

 いったん下がった値が再度ガーンと上がるという。


 ・・・地表5センチ・それ以下の地中の放射能量も測って発表すべきだし、

   現在収穫期を迎えている物だけではなく、

   次に出来たあらゆる農作物(地上になる作物と地中になる作物)

   について長期的に計測・発表をすべきである。




地中においても海中においても、微生物を出発点とする

 食物連鎖によって放射性物質が濃縮されるのだから、

 穀物・野菜・肉・魚・乳製品等の計測値を

 長期的に発表すべきである。


 ・・・チェルノブイリ原発事故のとき、現地の政府は

   1ヵ月後に農作物の放射能数値が急激に上がることを知っていたから、

   「事故後3週間で安全宣言を出した」と田中優氏は語っている。


 

 日本の官僚・政府が正確な数値を長期的に発表してくれる、

 「人としての誠意を持ち合せた職業人」であることを、ひたすら願うしかない・・・。




●専門家と呼ばれる人たちは、連日

 「直ちに健康に害を及ぼすものではない」と繰り返すばかりでなく、

 具体的な根拠を、過去の例を挙げて解かり易く解説してほしい。



 ・・・長崎・広島の原爆や核実験による放射能被爆、

   チェルノブイリや東海村の事故等、人体や食物連鎖による影響を

   長年研究している人もいるのではないか。


   研究者たちが長年集めてきたデータを示して、今回の数値と比べ、

   どのくらいの量をどのくらいの期間にわたって

   表皮・体内から摂取すると、

   どんな病気がどのくらいのリスクで高まるのか、

   成人・胎児・乳幼児に分けて、それぞれ示して欲しいと思う。


  



 「直ちに人体に影響を及ぼすものではない」という言葉は

 裏返せば、

 「長期的に見れば、それぞれの人体にどのような影響を及ぼすのか保障できない」

 と言っているとも受け取れるのだ。 




●動いている最中のみならず、停止してからも、再処理施設に送られてからも

 常に放射能漏れ・被爆という危険性がつきまとう「原子力発電」について

 私たちが学び、考え直すべき時である。

 


 また、原発に替わる発電で日本の電力が賄えるのかを教わり、検討して、

 実現でき得る研究者や企業を、官民問わずに支援していくべきだと思う。



●新聞・テレビ・ラジオが同一資本で運営されている国家を

 “危ない”と感じる心を忘れてはならない。

 

 ・・・同一資本や国からの税金に頼るマスメディアが、

   独自の視点を持ちつつ客観的に報道することは、どう考えても困難だ。


   すぐには難しいだろうが、将来の子供たちのために

   マスメディアの解体・再構築がなされるべきと、つくづく感じている・・・。 


   それまでは、「出版」・「インターネット」業界に頑張っていただきたいと思う。






繰り返して申し上げるが、


私は「田中 優」氏がどのような人物で、

専門家や識者の間でどのような評価がされているのか、まったく知らない。



また、この講演で彼が発言したことが正しいのかどうか、判断する力もない。



ただ、マスメディアでは取り上げられない人の中に、

こういう意見や希望を持っている人がいるという事実を、

多くの人に知って欲しいと感じただけだ。