今日も読んでいただきありがとうございます。
こちら前回の続きです。
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「例えばレベル10の仕事をこなす能力をこなす力がある人は、軽々鼻歌交じりでその仕事ができ、上司にとっては仕事ができる人、都合のいい人になるわけで、逆にそのレベルの仕事をいくらかんばっても出来ない人にとっては、そのままの差で定年までいってしまう。
それではかわいそうだ
低いレベルとされる仕事しかできない人も、家ではがんばってと期待されるが、がんばっても仕事ができる人との差が縮まらない。
10の力があり10の能力のある人には、もっと上に行け。
5の力がある人が1上がったら、よかった~と共有し、給料もあがる。」
家で、給料が上がった、社長に褒められたと行って来い!と社長は声をかけるそうです。
「10の仕事をする人には、10に行け。もっと足踏みせず行け!といいます。
5の仕事をしている人が6に行ったら泣くし、感動を共有しているのです。
人は、放っておくと伸びない。
だから伸びるように応援してあげなくてはいけないのです。」
若い経済学者たちの中で、今まで製造業は莫大な設備投資をし、省力化、合理化、固定費を抑え、そのようなビジネスモデルが最先端と言われててきたが、それがデフレや景気停滞を生んできたのではないかと言われているそうです。
これからは従業員がモチベーションを上げて働ける、小回りが利くような製造業のモデルに転換していかなくてはいけない。
社長は言います。
「日本の物作りの力は弱っている。
バネというのは、図面の寸法に対してプラスマイナス交差が10%と言われているが、東海バネの職人はプラスマイナス0で作ります。
これは図面に合わせて作っていては出来ないわけで、職人の体、心に入っている暗黙値を使って作らないとピタッとしたバネにはならない。
何もかも標準化、規格化、マニュアル化が主流になっているが、それはどこでも出来る化、誰でも出来る化です。
これなら他の国でもできてしまう。
その形で再び経済をあげていくことなんでできない。
職人の技はなかなか真似できない。
海外に行かないの?と聞かれるが、日本でやっている物作りは、作り手、考え方を全てもっていくなら出来るが、道具だけ持っていって日本でやっているようにやってみましょうと言っても現地では簡単には真似できない。」
渡辺社長に対して、村上龍さんはこう質問しました。
「他の製造業でも渡辺社長が考えるように、多様種、微量生産、受注生産で社員のモチベーションをあげるようなことはしていけるでしょうか」
社長はこういいます。
「老舗の料亭などでは、客が歳をとっていって、来る回数も減る。
これからどうやってやっていくかと考えたとき、では敷居を下げ、いろいろなお客さんに来てもらえるようにする。
ところがコストはなかなか下がらないし、素材、しつらえ、調理方法を落とす。
すると、一生に一度行ってみたかった老舗の店と思っていたところで食事をしてみても、何ら他の所と変わらなかったと思わせてしまう。」
渡辺社長はどのような人が来ても同じような対応をします。
1位のお客様は毎月必ず頼んでくれる。
900位のお客様は3年前に頼んだ以来だった。
しかし900位のお客様にも1位のお客様とも同じ扱いをし、東海バネにまた頼みたいと思ってもらえるように対応するといいます。
「東海バネに頼んでくる人は高いと知って頼んできてくれる。
だから、1位も900位も同じ対応をしよう、提供しようという思いで維持している。
ありとあらゆる経営資源を並べ、寝ずに考えたら何かでてくる。
強み、弱みを把握した上で、考える。
強みを把握し、これで生きていこうと企業の将来像を明確にし迷わず、やり続ける。」
渡辺社長はみんなの前でいうといいます。
「町工場の工員で終わるな。
しっかりお金を稼ぎ、お客さんから付加価値をもらえる職人になれ。
全員いい職人になってくれ。
誰でもいい。
東海バネに来た人はぴかぴかに磨く。」
以上です。
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最後まで読んでいただきありがとうございました。