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ネプちゃんの便利隊

コロンビアネットのブログです。

1   米国ではコロナのパンデミックをパール・ハーバーに例える言動が出てきたーー(時間の問題だと予測していたが)――

 昨日、トランプ大統領は「我々は最悪の攻撃を経験している。真珠湾よりひどく、(2001年の同時テロでハイジャック機が突入した)世界貿易センターよりひどいものだ」と語られた。かねてより同大統領は「私は戦時の大統領である」と述べておられたし、コロナのパンデミック対策は戦争と同様の課題であるとのご認識をお持ちであった。

 

 戦時大統領との発言を受けて、「今、米国が置かれた状況はそのパール・ハーバーの日と同じだ」とテレビのインタビューで発言したのは、米公衆衛生局士官部司令官のジェローム・アダムス公衆衛生局長(Surgeon General)である。(かつての森鴎外のような地位におられる)先月のNEW YOURK TIMESで報道された。
 アダムス氏は45歳。ニュージャージー州の貧しい黒人農家に生まれた。奨学金を得てメリーランド大学に入学、その後インディアナ大学で医学博士号、カリフォルニア大学バークレーで公衆衛生学修士を取得。政党は共和党ではなく、「インディペンダント」(無党派)。新型コロナウイルス感染症の発生直後、「マスクなどしても役に立たない。する必要などない」と断定、その後、前言を取り消すなど物議を醸してきた人である。
 45歳と言えば、エコブーマー世代(両親が第2次大戦後生まれ)。その黒人男性の口から「パール・ハーバー」という表現が出るほど米国人にとっては根深い出来事なのであろう。

 この発言自体、冷静に善意を持って解釈すれば、「米国のすべてが激変した瞬間」とか、「今こそ米国民は一丸となって対処する瞬間」ということを言おうとしたのであろう。だが日本人としてはいい気持ちはしない。 

 新型ウイルスの発生源が中国だということで(日本人も念頭に入れた)アジア系に対する素朴な憤りやネガティブなアジア人観が露呈したのだろう。この発言をテレビで聞いて日系公民権団体、「日系アメリカ人市民連盟」(JACL)は直ちにアダムス博士あてに抗議文を送りつけた。
 「米国にとって非常事態であるとの認識は共有する。だが、パールハーバー攻撃の日は140万人の日系米国人(と在米日本人)にとっては米政府から強制的に収容された日として記憶されている」のである。一方的に日本を悪者にするのはお門違いでもあろう。

 また、昨年発刊されたフーバー元大統領の「裏切られた自由」によれば、戦争したくてたまらなかったルーズベルト大統領がとうとう仕掛けてしまったのが「日本人を怒らせた真珠湾攻撃だった」とくどいくらい丁寧に述べられている。そしてハルの他、大勢のソ連のスパイが政権に潜り込んでいたとも暴露されている。然し、リメンバー・パール・ハーバーという言葉は、米国の一般的市民にはわかり易い。特に頑固な人種差別観念が抜けない人たちにとっては使いたい用語であろう。日本人にとっては、背景の歴史的状況を弁えないで、簡単には使ってほしくないものだが。 

2 欧州では「黄禍論」が出てきた。――(いつまでも根深い話だ)――

 日清戦争前後にはドイツ皇帝ウイルヘルム2世が欧州結束のために黄禍論(イエロー・ペリル)を説いた。それは、アジアに対する警戒心でした。ヨーロッパには蒙古やオスマントルコ帝国などのアジア系民族による進出の歴史がありました。堺屋太一によれば「13世紀、チンギスハンが行く限り、敵対勢力はなかった。ユーラシア唯一のスパー・パワーだった。モンゴルは大虐殺をして進撃した」そうです。

 明治時代の日清戦争以降の日本の戦争勝利が、それらの歴史を思い出させ「黄禍論」
として欧米に一層広がりました。
 日露戦争では英米は日本に味方し、多額の戦費融資をしてくれましたが(昭和38年に完済した)、ロシアの敗北は白人の敗北と受け止められ日英同盟締結中の英国内でも「祖父を失ったような衝撃であった」そうです。


 いまや世界はグローバリゼーションと人権の時代ですが、中国が一帯一路で欧州にネットワークを広げ、南沙諸島に軍事基地を展開しかけているため、黄禍論が再燃してきました。その後、中国発といわれる新型コロナウイルスのパンデミックで、黄禍論が再発しました。

3 中国の報道は、米国がコロナは「武漢ウイルス」であり、武漢の研究所から世界に伝播したという報道を否定し、さらに、中国は世界の模範となるような立派なコロナ対策を実施していると述べている。 

 まさに「現実無視の教条主義的論調」で、あまりにも自国本位な作文である。学生が反論論旨を懸命に列記しているような報道である。典型的な共産主義独裁国家の言論として、記憶しておきたい。

4 さて、結論である。世界の論調は、依然として大航海時代当時のままである。有色人種はそのように(被征服民族として)みられる場合があることを弁え、毅然たる心構えで交際しなければならない。

 外資系で働く友人たちの社内での処遇や配置などを聞けば「有色人種の下では働きたくない」という話もあるという。欧州が小国に分かれて結束しないのは様々な差別のせいであろう。

 私達は、そういう論理(感情)に流されてはいけない。西洋人が開発した「天賦の人権意識、民主主義、言論の自由、平等意識」を根拠に対等に過ごすことである。

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千葉市 山岡 靖義
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