遠い昔、フィギアスケートを見ていたとき、華麗にジャンプした選手が着氷した後、歌舞伎でいうところの<見得>を切るようなリアクションを笑顔で決めることが出来たら、それはすなわち選手自身が満足のいく演技が出来たことで、会場の観衆を魅了し、審査員からの高得点も期待できるのだと思って見ていた。

 そしてさらに言うなら、世界の舞台で<顔>を売ってからでないと、いくらいい滑りやジャンプが出来たとしても、審査員の採点は上昇しないものなのだと"大人”たちに教えられた。

 

 そんなフィギアスケートの採点方法が大きく変革を遂げたことについて、ニュースで聞いてはいたが実際にどこがどう変わったのか具体的なことはなにも知らなかった。

 

 芸術点(arttistic impression)と技術点(technical point)を各国の審査員が採点し、集計されたものが選手の得点になるのが以前の採点方法だった。

 現在は各国ではなく選ばれた審査員がそれぞれが担当する技術面(ステップ・スピン・ジャンプ他)を難易度で評価し、加減算されたものが得点となる。

 従来のような<顔>や<貫禄>といったものは一切通用しない。しかも華麗さや優美さというものもポイント面に大きな影響を及ぼしにくくなっているらしい。

 

 このフィギアスケートの採点方法の変更について初めて具体的に紹介してくれていたのが15日に放送されたNHKスペシャル「女子フィギア”レベル4への挑戦」だった。

 

 再放送はNHK総合TV18日(水)午前0時40分から(火曜日の深夜)ですので関心のある方は是非ご覧になられたらよろしいかと。

 かつての女王、荒川静香選手や安藤美姫さんが新採点方法に対応していくめ、演技の中身を変更し練習する日々を追ったもので見応えがありました。

 

 

               

 

 これまで抽象的であった採点の部分を全て技術的に難易度に細分化し採点することで大きな変貌をとげていくであろう世界のフィギア界。

 技術面過剰重視に陥る危険という部分もあるが、抽象的であった部分が排除・変革されていくという部分を評価したいと思う。

 

  

 なんとなくだが、プロゴルフトーナメントの最終日に似ている気がした。

 SP(ショート・プログラム)がゴルフトーナメントでいう予選で、そこで出遅れた選手は思い切った大技に挑戦し上位進出を狙う。

 大技のジャンプに失敗すると大幅に減点されるが大技を決めなければ上位に進出することは出来ない。

 一方SPで上位に位置した選手は下位にいた選手の中から大技を決め高得点を挙げた選手が出てきた場合無難にまとめるか、それともリスク覚悟で優勝を決定出来るような難易度の高い技を出すのか。

 

 これはゴルフでいうところのパープレーで一日回ってくれば優勝出来るというようなセーフティーリードのアドバンデージを持っていない限り、最後まで攻めの姿勢がなければ優勝出来ないパターンと非常によく似ている気がしたのは、私だけだろうか。