「サウンド・オブ・サイレンス/"The Sound Of Silence"」という曲がある。
「卒業」の主演女優キャサリン・ロス (キャサリン・ロスで検索してもなかなか彼女の画像にはたどりつけないでござる)
Simon & Garfunkel の最初ヒットソングとして、またマイク・ニコルズ監督の代表作「卒業」のサウンド・トラックにも使われた名曲だ。
この曲を初めて聴いたのは「卒業」のサウンド・トラック盤だった。
当然のことながらそれは当時二人のプロデューサーであったトム・ロビンソンが、ボブ・ディランの「ライク・ア・ローリング・ストーン」製作のために集まっていたミュージシャンたちに依頼してアレンジした、エレクトリック・バージョンと呼ばれるほうの曲。
その後Simon & Garfunkel に傾倒していった自分は、彼らのアルバム「水曜の朝午前3時/"Wednesday Morning,3A.M."」で耳にしたアコースティック盤「サウンド・オブ・サイレンス/"The Sound Of Silence"」にはがっかりした。
「なんであんなに素晴らしいアレンジの名曲をこんなシンプルな演奏で歌ってしまうのか!」
そんな、怒りにも似た心境だったのを覚えている。
それから10年後に改めて両方の曲を聴いたときも感想は変わらなかった。
そこからさらに20年以上経った頃、彼らのアルバムを改めて聴く機会があった。
「いい!、実にいい!」
「サウンド・オブ・サイレンス/"The Sound Of Silence"」はエレクトリック・バージョンもアコギ・バージョンのどちらも素晴らしいと感じた。
アコギ・バージョンの良さは、詩に込められたメッセージそのものがアート・ガーファンクルの歌声から、静かではあるが強烈な響きを伝えてくる。
途中少しだけ入るエレキが邪魔で必要がないとさえ思えるほど、ポール・サイモンのギターとアート・ガーファンクルのヴォーカルが心地いい。
続けてエレクトリック・バージョンも聴いてみた。
そしてこのエレクトリック・バージョンの最大の成功はエレキよりもドラムにあったと感じた。
おそらく最初にこの曲のエレクトリック・バージョンを聴いたときからそう感じていたのだと思う、感じていながらそれがドラムによるものだとは気がつかず、ずっとエレキギターを挿入したことがその要因だと思っていたのだ。
もちろんアレンジにエレキの音が入ったことの影響は大きかった。
しかし「サウンド・オブ・サイレンス/"The Sound Of Silence"」エレクトリック・バージョンのキーサウンドはドラムだ。
だから自分の中ではドラム・バージョンと呼ぶことにした。
今、そう言いきれる自分が存在することに限りない自己満足を感じている。
Hello darkness, my old friend
I've come to talk with you again
Because a vision softly creeping
Left its seeds while I was sleeping
And the vision that was planted in my brain
Still remains
Within the sound of silence
In restless dreams I walked alone
Narrow streets of cobblestone
Neath the halo of a street lamp
I turned my collar to the cold and damp
When my eyes were stabbed by the flash of a neon light
That split the night
And touched the sound of silence
And in the naked light I saw
Ten thousand people, maybe more
People talking without speaking
People hearing without listening
People writing songs that voices never share
And no one dare Disturb the sound of silence.
"Fools" said I, "You do not know
Silence like a cancer grows
Hear my words that I might teach you
Take my arms that I might reach you
But my words like silent raindrops fell
And echoed In the wells of silence
And the people bowed and prayed
To the neon god they made
And the sign flashed out its warning
In the words that it was forming
And the sign said
"The words of the prophets are written on the subway walls
And tenement halls.
And whispered in the sound of silence
暗闇よ 君は僕の古くからの友人だ
だからまた君と話そうと訪れてしまった
それは 幻想が静かに近づいてきて
僕が眠っているときに種を残していったからだ
そしてその種は僕の頭の中でどんどん成長していった
だけど幻想はまだ沈黙の音の中でじっと動かないままでいる
落ち着かない夢の中で僕は独りさまよっていた
石畳の狭い通りに差し掛かり
街灯の灯りに近づいたとき
急に寒気がした僕は思わずコートの襟を立てた
その時僕の目はネオンライトのフラッシュに撃たれ
夜の闇は引き裂かれてしまった
そして僕は沈黙の音に触れた
僕は見てしまった 裸電球の下で
一万いやそれ以上、もっと多くの人々が
口を開くこともなく語っている姿や
耳をそばだてることもなく聞いている姿や
歌われてもいない歌を書いている姿を
だけど誰も沈黙の音というものを遮ろうとするものはいない
「馬鹿」だ 君たちは何も分かっていない
沈黙が癌のようにむしばんでいるのを
僕が諭す言葉に耳をかたむけて
僕が差し伸べる腕をしっかり握って
でも僕の言葉は沈黙のまま滴り落ちる雨粒みたい
沈黙の井戸に落ちていき 音がこだまするだけ
人々は祈りを捧げていた
自分たちが勝手につくり出したネオンという神に
そのときネオンの掲示板にいきなり警告の言葉が書かれた
光が織りなす言葉で
ネオンの掲示板はこう語る
「予言者の言葉は地下鉄の壁にも」
「そして古びたアパートの廊下にも書かれてある」と
それでも沈黙の音の中で人々のささやきは続いている・・・

