チップ社会でなくなりつつあるとはいえ、チップひとつで扱いや態度が一変する人間が多いのも、悲しいかなチップ社会の現実。

 しかし、そういった習慣のない日本人には、小銭を常に持ち歩くのは面倒なこと。

 小銭を持ち歩きたくない自分にとってはなおさらだ。

 以前なら海外旅行の際、買物以外、特にレストランでの食事にはあまりカードを使用せず、なるべく現金で支払うようにしていた。

 しかし日本でもそうだが、カードが使用可能な店なら総てカードで決済するようになった習慣で、今回も使用可能なレストランでは総てカードを利用した。

 勿論「カードでもいいですか。」と訊ねてから使用するのだが、レストランによって大きく分けてふたつのパターンがあった。

 

 ひとつは、手書きの伝票をテーブルに持ってくるケース。

 この場合、合計欄の更に下に空白の欄があるので、ここにチップ額を自分で記入するのか、又は合計金額そのものをチップを含んだものに書き換えるように言うべきなのか、少し悩んだ。

 結局それを質問すること自体がおっくうで、食事の支払いはカードで済ませ、10%程度のチップを現金で渡すことにした。

 こんなことのために、いろんな紙幣やコインを常に持っておかねばならないことがわずらわしい。

 これでは、カード利用のメリットの半分も満たしていないではないか。

 

 もうひとつは、カードでの支払いの際に出てくる電卓のような機械(名前を知らないのだが、カードをチェックして暗証番号を入力させる携帯型の物)を持ってくるタイプ。

 ここでも合計金額を見せるので、その金額を自分で機械を操作し、チップを含んだ金額に再入力すればいいのかとも思ったが、そんなことはないだろうと思い直して暗証番号のみを毎回、入力した。

 結局ここでもチップ用の現金を事前に持っていなくてはならないのだった。

 

 こんな些細なこと、どうでもいいといえば、どうでもいいことなのだが、毎回のことでもあるので面倒なのである。

 

 少し本題とは異なるが、注意しなければならない点としてご紹介したいケースがあった。

 ある店で、暗証番号を入力した後、更にサインしてくれとペンを渡そうとする店があった。

 このことについては断固として拒否した。暗証番号はサインに代わる手段であって、暗証番号を入力した以上サインする必要はないからだ。

 悪質な店だったのかどうかは推測の域を出ないが、文句を言うとすぐ引っ込めたあたり、悪質な店だったのかもしれない。

   

   

 

 そんなカードでの支払いだったが、クレジットカードそのものを旅行に出発する1月ほど前に「キティちゃんゴールドカード」に変更しておいたことが思わぬ展開をもたらした。

 カードを出したとき、7割くらいの確率で相手の表情が「オー、キティ!」と驚いてくれたこと。

 これは北京でもパリでも同様だった。

 別に会話がはずむわけではなかったが、(当たり前中国語もフランス語も話せない、英語だってほんの少しなのだから)なんとなく場の空気が和やかに変わったような気分になったのだから、キティちゃんにお礼を言わなくちゃ。